長年にわたる喫煙習慣のある人は、喉頭がん、肺がん、胃癌、膀胱がん、それに気管支ガンなどガンの発症リスクが、そうでない人に比べて高いと、疫学的研究では報告されています。また、喫煙者の発がんリスクを、長期にわたるビタミンCの摂取やそれを含む野菜や生の果物の摂取が、減少さすという研究報告も多くあります。
米国での研究によると、5名の喫煙者と5名の非喫煙者での60日に及ぶ追跡調査では、尿中ビタミンC値が、一か月、一日おきに測定されました。これらの人々は、ビタミンCやオレンジジュースを摂取するよう指示されていない条件での正常な尿中ビタミンC排泄値は、5.2~6.2mg/%の間で変動しました。常時喫煙者の排泄値は1.2mg/%を超えませんでした。しかし、非喫煙者の多くは、排泄値が約2.0mg/%まで上昇しました。これらの対照期間に続いて、5名の喫煙者と5名の非喫煙者は、一か月間、凍結オレンジジュース(ビタミンCを300mg含む)を解凍し、コップ3杯摂取し、ビタミンC(還元型ビタミンC)値の測定は、非喫煙者同様、一日おきに実施し、喫煙者では10~11mg/%の範囲で尿中ビタミンC値の増加を示しました。一か月の対照期間、オレンジジュースを飲んでいない喫煙者の平均値は、0.68mg/%で、非喫煙者の平均値は4.98mg/%でした。
この研究の目的は、測定した還元型ビタミンC値が尿中物質の酸化を防いだり、発がん性の可能性のリスクを防ぐのに十分であるかどうか調べることでした。また、シュレ―ゲル博士の研究では、発がん性のある水酸化βナフチルアミンは、ビタミンC20mg/%の濃度で2時間インキュベイトすることにより、その間、急速な酸化をその濃度で受け、20mg/%より高い濃度ではナフチルアミンの酸化を防ぐ結果でした。この結果をヒト被験者での研究と関連づけると、この尿中ビタミンC値に達するには、解凍オレンジジュースをコップ3杯摂取することにより、平均濃度4~5mg/%が達成されます。これらの結果から、尿中還元型ビタミンC値をいつも飽和状態にすることが、喫煙者の発がんリスクの減少につながると、考えられます。喫煙者は、意識的に野菜や生の果物、ビタミンCのサプリメントの摂取が必要と、考えられます。更なる研究が期待されます。
また、諸外国の研究によると、コーヒーやエナジードリンクなどに含まれるカフェインは、膀胱がんのリスクを高める可能性があり、カフェインは、膀胱がんRT4細胞のアポトーシスを抑制します。非喫煙者での調査では、コーヒーを一日一杯以上飲む人群では2.24倍、緑茶5杯以上の人は1.14倍、エナジードリンクに含まれるカフェインを毎日摂取する人では2.05倍、それぞれ摂取しない人に比べて、膀胱がんのリスクが高くなっています。カフェインによる膀胱上皮細胞への悪さによりその細胞が遺伝子異常を起こし、発がんに至ると考えられています。また、帯状疱疹などで長期にビタミンB12を摂取する老人も膀胱がん発症のリスクが高まると、いろんな研究で報告されています。なお、ビタミンE(アルファトコフェロール),ビタミンDなど膀胱がんを抑制する作用が報告されており、またビタミンCには、膀胱がん患者への延命効果も報告されております。これらは、抗がん剤や他の医薬品と相互作用がないか専門家に相談したり、ネットで調べる必要があります。これらのビタミンEとDには、膀胱がんによる頻尿を改善するとの、報告もあります。また、膀胱がん患者で、エナジードリンク、カフェイン飲料、コーヒー、紅茶をやめ、緑茶も減らすと、日中頻尿や夜間頻尿が改善されたとの報告もあります。これらのビタミンによる効果か、カフェイン高摂取中止による効果か、それとも両方による相乗効果か判断できないと、考えられます。。更なる研究が待たれます。
References
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