医科栄養学・栄養医学ブログ

医学部で医科栄養学を学んだ経験と最新の栄養医学をこのブログに反映したいと、考えています。

乳がん、卵巣ガンのビタミンC療法の症例について  栄養医学ブログ  日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2014-01-13 22:48:30 | 健康・病気

乳がん、卵巣ガンのビタミンC 療法の初期の臨床例については、ベイルオブリーベン病院の
症例があるので、そのポイントについて考えていきたいと、思います。

乳がんの症例1
老婦人で、前処置なし。ビタミンC 試行時の状態は、疼痛。ビタミンC を24g/日、摂取し続けると、骨の痛みは和らぎました。しかし、肝転移、門脈閉塞による腹水貯留を起こし、ビタミンCを
中止せざるをえず、その後、症状が悪化し、5ケ月後、全身がんで死亡しました。なお、この症例は末期ガンでした。

卵巣ガンの症例2
47歳の女性で、前処置は子宮摘出術、両卵管卵巣切除術、術後放射線療法、および、
化学療法が20ケ月。ビタミンC は12g/日、摂取し続け、6ケ月後の現在、健康は良好です。なお、この症例は、中期ガンから末期ガンと考えられます。

内臓転移と骨転移を伴った乳がんの症例3
53歳の女性で、前処置は、乳腺切除、放射線療法、ホルモン療法です。ビタミンC試行開始時の状態は末期で、麻酔薬が必要なはげしい痛みであった。ビタミンCは5g/日、7日間点滴。続いて8g/日、70日間、経口投与。投与総計は595g。結果はビタミンC開始後86日で死亡。反応のカテゴリーは最小の反応。有効でした。骨の痛みは完全に取れ、麻酔薬の必要性が完全になくなりました。

胸膜転移を伴った乳がんの症例4
68歳の女性で、前処置は乳腺切除、放射線療法、ホルモン療法でした。ビタミンC投与試行開始時の状態は末期がんで、貧血が有り、ベットから離れられず、4時間ごとに鎮静剤50mgを投与。ホルネル症候群があり、死がさし迫っていました。ビタミンCを20g/日、550日間、経口投与し、総計投与量5,500g。結果は、ビタミンC投与後557日で死亡。反応のカテゴリーは増殖の阻止、細胞性塞栓が認められ、有効でした。1年以上痛みの軽減とゆっくりした、一般的改善が認められ、それから、ゆっくりと末期性悪化に移行しました。

悪性腹水を伴った卵巣腫瘍の症例5
49歳の女性で、前処置なし。ビタミンC試行開始時の状態は、しばしば穿刺を必要とする緊張性悪性腹水を伴った急速な進行が有り、悪性肝肥大を伴った骨盤内の大きい、不規則な、固定した塊があり、末期でした。ビタミンCを45g/日、10日にわたって点滴し、続いて10g/日、82日間経口投与。吐き気により継続を中断。総計投与量1,180g。結果は183日後に死亡。反応のカテゴリーは増殖の阻止、毛細血管細胞性塞栓が認められ、有効でした。4ケ月間、腹水の完全な抑制を伴った、著しい主観的反応。ビタミンCを中止後、腹水が再発し、6ケ月で死亡しました。

胸膜転移を伴った乳がんの症例6
66歳の女性で、前処置は腋窩清澄率による乳腺切除と放射線療法。ビタミンC試行開始時の状態は、胸壁穿刺の繰り返しを必要とした、大量の悪性肋膜しん出腋による緊急の再入院でした。ビタミンCを10g/日、8日間、点滴し、続いて10g/日、627日間、経口投与。総計投与量は6,350g。結果は生存し、元気です。反応のカテゴリーは細胞性壊死であり、有効でした。臨床上安定し、胸浸出腋の再貯留はなく、進行性ガンの兆候はありません。

References

Ewan Cameron, Linus Pauling: Cancer and VitaminC. Warner Books,1979

藤井毅彦:ガンを予防し、治すビタミンC療法、日本ビタミンC 研究会.1982年