医科栄養学・栄養医学ブログ

医学部で医科栄養学を学んだ経験と最新の栄養医学をこのブログに反映したいと、考えています。

膀胱がんと高単位ビタミンB12製剤長期摂取の関係について 栄養医学ブログ 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2019-04-25 09:47:59 | 健康・病気

帯状疱疹後神経痛やその他の神経疾患で、長期に高単位のビタミンB12製剤を摂取している人が多いと、報告されています。その中で膀胱がんになる人が、全然ビタミンB12製剤を摂取していない人に比べて多いという報告が外国で見られます。FDAの報告によると、膀胱がんは、ビタミンB12製剤を長期に摂取している人で発見され、特に、60歳以上の男性で、何らかの医療行為(tylenol、actos、アセトアミノフェン、解熱鎮痛薬など)を受けたり、胃食道逆流疾患患者に見られると、報告されています。また、長期に高単位のビタミンB12製剤を摂取している人の中での副作用として、0.08%は膀胱がんを発症しています。

オーフス大学のFrederik BergArendt博士らの研究によると、血漿ビタミンB12(コバラミン)値の上昇は、がん患者での短期がんリスクの増大を伴い、その死亡率を高めます。血漿ビタミンB12値の最高値は、胃がん、結腸がん、、肝がん、乳がん、前立腺がん、尿路膀胱がんなどで見いだされ、予後の悪化を伴うと、報告されています。また、Anouar Famidi博士らによると、血中ビタミンB12値の高値は、肺がんのリスクを高めるとも、報告されています。FDAの報告によると、膀胱の炎症は、ビタミンB12を摂取する人の中で少数認められます。

ノールウエーでの研究によると、ビタミンB12と葉酸(ビタミンM)の補給を受けた心臓病患者では、これらのサプリメントを摂取していない心臓病患者に比べて、がんの発症と死亡率の増加が少しだけ高くなることが発見されました。また、オハイオ大学のの研究では、ビタミンB12とビタミンB6のサプリメントを長期に高摂取する人は、肺がんになるリスクが高いという結果でした。それらの内訳は、男性喫煙者がビタミンB12(55μg/日),ビタミンB6(20mg/日)以上を10年間摂取すると、肺がんのリスクがビタミンB6では3倍,ビタミンB12では4倍さらに高まったと、報告されています。これらの報告とともに、国内でも後期高齢者の軽度糖尿病患者で、帯状疱疹後神経痛治療目的でビタミンB12(処方薬)を高単位に、4年にわたって摂取し、なおかつ、栄養ドリンク(タウリン2g、保存剤、添加物、カフェイン50mg含有)を同時に長期にわたり摂取し、膀胱がんを発症したという事例も報告されています。なお、研究者の間では、死亡例などから、栄養ドリンクやエナージードリンクの保存剤や添加物、カフェインが問題になっています。また、ある研究によると、タウリンと保存剤、添加物、カフェインを同時併用摂取した場合、相互作用による有害な作用があるとも報告されています。これらのことから、膀胱がん予防のため、医薬品を始め食品添加物、化学物質などのお互いの相互作用の膀胱ガン発症に及ぼす影響の研究も必要、と考えられます。さらに侵襲性膀胱がんのリスクを減らすため、野菜と生の果物のジュースの高摂取とともに、ビタミンDとビタミンE、C、Aなどの抗酸化栄養素を含む食材の常用が必要と、報告されています。

References

Will you have bladder cancer with vitaminB12. FDAreports. eHealthMe

High levels of vitaminB12 may be linked to increased cancer risk. MedicalDaily. No18,2013

The OHIO State University. Long-term , high-dose VB12/VB6 use associated with increasing lung cancer risk among man. august 22,2017

FDAreports.Will you have bladder irritation with VB12. eHealthMe

Anouar Famidi, et al. Is high VB12 status a cause of lung cancer? International Journal of cancer. 29 November 2018

FDAreports. bladder cancer is found among people who take VB12 , especially for people who are male, 60+old also take medication. 2019,Mar 17

Arendt JF, et al. Elevated plasma vitaminB12 levels as a marker for cancer. J Natl Cancer Inst.2013 Dec 4;105(23):1799-805

Tracey Roizman. Links between vitaminB12 &cancer. healthfully.November 28, 2018

Susan E Matthew. VitaminB12 correlated with higher cancer risk. EVERYDAYHEALTH. 11/18/2013

Higher intakes of fruits and vegetables may reduce the risk of bladder cancer in women.ScienceDaily  August 23, 2013

Doctors Health Press. March 29. 2017

 

 

 

 

 

 

 


膀胱がん発症リスクとビタミンD欠乏の関係について 栄養医学ブログ  日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2019-04-24 10:11:41 | 健康・病気

ビタミンDは、いろんな研究からビタミンCと同様、がん発症のリスクを減らすと、報告されています。今回は、ビタミンDと膀胱がん発症のリスクの関係について考えていきたいと、思います。

最近の外国の研究によると、ビタミンDは、膀胱の健康維持にある役割を果たすと、報告されています。また、John Carnell博士によると、ビタミンDは膀胱がん患者の生存率にも関係しているそうです。他の外国の研究によると、ビタミンDを試験的に摂取した老人では、摂取していない老人の対照に比べて、生存率が67%ほど伸び、死亡した老人では、ビタミンDを試験的に摂取しなかった対照に比べて、摂取した老人は、2年ほど長く生きたと、報告されています。また、2015年の研究では、血中ビタミンDとビタミンE(α-トコフェロール)の併用摂取では、膀胱がんリスクの負の相関が認められたと、報告され、血清ビタミンD値が低いと膀胱がんリスクが高まるとも、報告されています。

膀胱がんの発症と進行におけるビタミンD値では、より侵襲性膀胱がんのリスクが高い場合、血漿25(oH)ビタミンD値が低いことが示唆されます。Yu-Young Wang博士らの研究によると、老人でのカロチノイド(栄養素)、ビタミンD、ビタミンB1、ナイアシン(ビタミンB3)、そしてビタミンEのトータルの高摂取は、膀胱がんリスクと負の相関が認められたと、報告されています。これらの研究結果からビタミンDは、他のがんだけでなく、膀胱がんに対しても抗がん作用を有するホルモン様栄養素と考えられます。また、ビタミンDの常用上限安全摂取量は2,000国際単位/日ぐらいと言われていますが、膀胱ガン治療の場合、それより多い摂取量が摂取されているようですが、ビタミンDの長期、過剰摂取による不整脈発症が、ユタ大学の研究から報告されているので、上記、安全量を維持するのが賢明と考えられます。なお、膀胱がん患者は、コーヒーなどカフェイン含有飲料(膀胱ガン発症の可能性あり)の代わりに添加物の入っていない野菜ジュース(柑橘類、豆類、ニンジン、トマト、キャベツ、カリフラワー、ブロッコリー)の常飲が、米国では推奨されています。

References

VitaminD and bladder cancer risk, recurrence and progression. World Cancer Research Fund International

liao Y, et al. Impact of serum vitaminD level on risk of bladder cancer. Tumour Biol. 2015 Mar;36(3):1567-72

Low vitaminD is associated with increased bladder cancer risk. Endocrine Abstracts(2016)44 p129

Yvette Brazier . VitaminD deficiency may raise bladder cancer risk. Medical News Today. 8 November 2016

VitaminD and cancer prevention. NIH 2013

John Cannell, MD. VitaminD monitoring linked to bladder cancer. Feb 21, 2013

 

 

 

 

 

 

 


膀胱がんに対するビタミンEの作用について 栄養医学ブログ 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2019-04-22 10:06:30 | 健康・病気

現代社会は、江戸時代に比べて食品添加物、医薬品を含めて化学物質を知らない間に摂取しており、本人もそれらが相互作用により膀胱がんの発症につながっているとは、努々気付いていません。頻尿があってもそれが膀胱がんに関係があるとは、医師でもないのでわからないし、血尿により泌尿科に行き、超音波検査や内視鏡による検査で膀胱がんとわかり、ショックを受ける人が多いと報告されています。ステージ1で膀胱がんが筋層まで達していない場合、内視鏡でがんを焼き切り、再発しないようカフェインを含む飲料や高単位ビタミンB12のの長期摂取を止め、膀胱がんの再発予防に有効と報告されているビタミンE(α-トコフェロール)、ビタミンD、ビタミンCの摂取を続ける必要があると、諸外国の研究からうかがえます。なお、筋層に膀胱がんが達している場合は、転移があったりして、事態は深刻化するようです。

Hamid Mazdak博士の研究によると、ビタミンEの摂取は、非侵襲性膀胱がんの再発を著しく減少させ、特に喫煙者では、ビタミンEが喫煙者が吸う大量のオキシダントをターゲットにしている可能性があり、ビタミンEがオキシダントの毒性を無毒化すると、報告されています。なお、ビタミンEは、安全で、有効性があり、副作用が低いが、初期の再発には効果が弱く、長期の摂取が必要と考えられます。また、他の研究では、長期間のビタミンEの摂取は、膀胱がんによる死亡率を減らすと、報告されています。テキサス大学の研究によると、ビタミンE(α-トコフェノール)は、膀胱がんになるリスクを減らす可能性が見られが、γトコフェノールでは効果は見られなかったと、報告されています。また、最近、Jian-Hai Lin博士らの研究によると、ビタミンE(ナッツ類、胚芽油、ウナギなど魚介類、緑黄野菜などに含まれる)の日常的摂取は、膀胱がんの発症リスクを減らすと、報告されています。2002年の研究では、10年の及ぶビタミンEの補給は、膀胱がんによる死亡リスクを減少させます。さらに、Dong Liang博士らの研究によると、α-トコフェノール(ビタミンE)、レチノール(ビタミンA)摂取による膀胱がん死亡リスクへの効果の可能性が示唆されます。 

Yu-Yong Wang博士らの研究によると、ビタミンEとビタミンCを継続的に摂取すると、膀胱がんになるリスクが減少すると、報告されています。また、他の研究では、ビタミンE、カロチノイド(18mg/日)、ナイアシン(VB3、46.5mg/日)の最高摂取は、ヘビースモーカーの膀胱がんリスクを34%ほど減少させました。老人では、カロチノイド、ビタミンD(641国際単位/日)、ビタミンB1(3.35mg/日)、ナイアシン、ビタミンE、ビタミンDの高摂取は膀胱がん発症のリスクを減少させると、報告されています。同様に、ビタミンEの摂取は膀胱がんの症状を軽減します。さらに、膀胱がん患者は、無塩の野菜ジュース(柑橘類、豆類、ニンジン、トマト、キャベツ、、カリフラワー、、ブロッコリー)摂取すべきと、報告されています。また、他の研究では、初期ステージの膀胱がん患者のがん進行と再発へのビタミンE(1カプセル/日)とセレン(200μg/日)の5年にわたる摂取による、予防効果が報告されています。ビタミンEとビタミンDの作用は、膀胱がんのリスクと逆の相関が認められると、報告されています

References

Hamid Mazdak, et al. VitaminE reduces superficial bladder cancer recurrence. Int J Prev Med. 2012 Feb ;382):110-115

University of Texas. One form of vitaminE appears beneficial in reducing bladder cancer risk. Science of Daily. march 31, 2004

Yu-Yang Wang, et al. VitaminC and vitaminE intake and risk of bladder cancer. Int J Clin Exp Med. 2014;7(11):4154-4164

High intakes of carotinoids, vitaminD, vitaminB1, vitaminB3, and vitaminE were inversely related to bladder cancer risk among older individuals. PMC 2009

VitaminE appears to cut in half people's risk of bladder cancer . Life Sciences Home. Apr 12 2004

Juan HaiLin, et al. VitaminE consumption and the risk of bladder cancer.International Journal for vitamin and Nutrition Research. Feb 26 2019