医科栄養学・栄養医学ブログ

医学部で医科栄養学を学んだ経験と最新の栄養医学をこのブログに反映したいと、考えています。

放射線被曝の予防・治療とビタミンCについて 栄養医学ブログ

2011-06-30 00:41:02 | 健康・病気

ビタミンC(VC)は、放射線被曝から体を守り、治癒します。VCは強力な抗酸化栄養物質として、多くの、価値ある特性を有します。病気を防ぐための免疫能を高めることが証明されているばかりでなく、体から放射線を取り除くのに大変有効です。VCは30以上の代謝機能を有する水溶性ビタミンで、大量投与でも毒性がきわめて少ないです。VCは30分ぐらいで代謝系に入り、出てしまいます。それゆえ、VCで治療するためには、飽和状態を維持するために毎日連続して頻繁に摂取しなければいけません。化学療法、放射線療法をしているガン患者は、致命的な放射線から体を守ったり、撃退するために、何年間もビタミンCを摂取してquality of lifeの改善、延命効果を感じています。また、VCの誘導体がいろいろ発売されているので、胃に負担をかけず摂取できます。一般的には、ビタミンCナトリウムが点滴や経口摂取に用いられています。安定性が高く、胃にも負担をかけないので、近時、よく用いられるようになりました。また、ビタミンCカルシウムも最近、経口でガン治療に用いられるようになり、放射線被曝によるダメージにも用いることができます。飲みやすい錠剤です。効果はビタミンCと同じです。また、インターネットで取り寄せることができますが、自己責任が伴います。

VCはフリーラジカルによる細胞のダメージから体を防護してくれる、もっとも強力な抗酸化栄養素の一つです。放射線はDNAの化学的結合を切ったり、ダメージを与えることによりフリーラジカルを増やす原因となり、細胞死をもたらします。Levy博士によると、放射線の毒性は、遺伝子突然変異、ガン、出生障害、骨髄障害、等の原因となり、また、フリーラジカルの増加により、体の全組織に悪影響を及ぼします。VCの大量投与は、これらの悪影響の前兆を治すのに、十分な可能性を有します。VCの大量投与により、免疫システムが体のフリーラジカルを処理し、フリーラジカルによる障害から体を守ってくれます。放射線被曝による障害は、フリーラジカル病そのものです。すなわち、発がんが一番多いようです。

VCの平均的投与量は1000mg-3000mg/日です。しかしながら、多くは20g/日までの大量投与を行っています。Linus Pauling博士によると、20g/日の投与量は、ガン患者が経口で耐えられる最大量です。VCの点滴では、その5倍でも問題ありません。

VCは放射線照射防護作用だけでなく、それ以前の被曝による障害を修復してくれます。ハ―バ―ド大学の研究によると、VCは放射線によるダメージを防ぎ、その殺細胞作用から体を守ってくれます。強い放射線に被曝したヒトに10g/日のVCを投与して、体を保護する効果が得られました。さらに、VCにマルチビタミン・ミネラルを併用すれば、効果が高まります。

ガン化学療法中、放射線照射を受けた時、VCが体の回復に役立ち、きわめて重要な体の機能を保護する効果があります。また、福島第一原発からの放射性物質は、放射線療法に比べはるかに多いようです。よって、VCの1000mg-3000mg/日の最少投与量は、空気、食物、それに土壌中の放射線の作用に対し、防護作用を有する安価で、賢明な投与量です。低線量被曝でも長期にわたる内部被曝を受けると、ガンなど晩発性障害を発症することが、チェルノブイ、セミパラチンスクの追跡調査で明らかになりました。VCやその他の抗酸化栄養素は、研究が示しているように、放射線被曝対策の切り札になると、考えられます。さらに、定期的に内部被曝検査を行い、体の状態を記録し、把握しておくことは極めて重要です。また、放射線被曝による晩発性障害の代表的な疾患はいろんなガンです。放射線被曝対策として、ビタミンCや抗酸化栄養素、それにショウガ、プロバイオティクスなどは、重要な食品や栄養素である、と考えられます。

 

References

Natural News: VitaminC  protects and heals the body from radiation exposure, 2011

原発のうそ: 小出裕章、 扶桑社新書

ガンを予防し、治す(寛解)ビタミンC療法:藤井毅彦、 日本ビタミンC研究会、1982

 


糖尿病、心臓病とビタミンCについて 栄養医学ブログ

2011-06-24 01:05:00 | 健康・病気

近年、米国では、死因の約40%が血管系の疾患によると、報告されています。日本ではそこまではいきませんが、食生活の変化でそれに近づきつつあります。血管系疾患の中で、冠状動脈疾患(心臓病)と脳卒中発作は、糖尿病患者の主たる死亡原因です。糖尿病が酸化ストレスの増大状態であるという証拠は、抗酸化栄養素のより多い摂取が、糖尿病患者の冠状動脈疾患のリスクを減少さすのに役立つという仮説に、結びつきます。この仮説を支持するものとして、85000人の婦人の16年にわたる研究では、そのうち52%は糖尿病患者で、ビタミンCの使用(400mg/日もしくはそれ以上)は、糖尿病群と同様、コーホート群で致命的もしくは非致命的冠状動脈性心臓疾患のリスクの著しい減少を伴っていることが、証明されました。

それと対照的に、閉経期婦人の15年にわたる研究では、サプリメントでビタミンCを300mg/日摂取した婦人では、そうでない婦人に比べ、冠状動脈性心臓疾患や脳卒中発作による死亡リスクが著しく高まりました。

これらのことを考察すると、遺伝的違いが、冠状動脈疾患に及ぼすVCサプリメントの効果に影響することは、有りうると考えられます。一つの無作為対照試験の結果がhaptoglobinの遺伝子型に基づいて再検討された時、抗酸化栄養素療法(VC1000mg/日+VE800国際単位/日)では、haptoglobin1型遺伝子コピーを有する糖尿病の婦人では、冠状動脈硬化症の改善が見られたが、haptoglobin2型遺伝子コピーを有する糖尿病の婦人では、悪化しました。これらの発見の重大性ははっきりしたものでないが、抗酸化栄養素療法で有効な糖尿病の亜集団と、一方、それが有効でないか、害になる可能性を有する亜集団が有ります。だから、自分の遺伝子型を調べ、冠状動脈疾患で抗酸化栄養素を使うか、使わないか決めなければいけません。しかし、食事で摂取する抗酸化栄養素は、他の栄養素が混在して生化学的ハーモ二イがうまくいっているので、2型の人でも、有効というデータが出ています。

ChinaのGeng Xu博士らの研究では、haptoglobin2型遺伝子コピーの人は、単一変異分析では、冠状動脈性心臓疾患が著しく増加しました。また、haptoglobin2型遺伝子コピーの人の冠状動脈性心臓疾患の頻度は、対照群に比べて著しく高いようです。ところで、日本人の中には、昔、中国大陸から戦乱・飢餓などのため日本に移住した人もいます。だから一度、haptoglobinの遺伝子型を検査することも、必要と考えられます。検査料金は高そうです。

ここでhaptoglobinについて簡単に説明しますと、それは溶血時のヘモグロビン処理に関与する血漿タンパク質で、遊離ヘモグロビンを縛り、取り除く(傷などから)作用が有ります。だから、糖尿病による冠状動脈性心臓疾患や脳卒中以外のガンなどでは関係しないので、haptoglobinの2型遺伝子コピーの人でも、ガンの抗酸化栄養療法は有効に作用すると、考えておりますが、これに関しては、更なる研究が必要と、考えられます。

References

Linus Pauling Institute at Oregon State University:  lPI Research Newsletter

Liu H. Geng Xu: Association of haptoglobin 1/2 polymorphism with coronary heart disease in Chinese

 

 

 

 


ガン、脳卒中発作、糖尿病、心臓病とビタミンC, Mgについて 栄養医学ブログ

2011-06-19 23:49:27 | 健康・病気

米国での研究によると、ビタミンCはガン、脳卒中発作、糖尿病および心臓病を防ぎます。また、心臓発作を防ぎ、動脈の損傷を防ぎ、さらに動脈壁の結合を維持するコラ―ゲンの形成を促します。1605人のフィンランド人男性の心臓発作リスクを再調査した研究では、VCの欠乏した人達は、VCが最適値の人の3.8%に比べ、13.2%の心臓発作リスクを有していたと、結論づけられました。

VCはガンのリスクを低下させます。肺癌男性患者800人以上に関する25年間の研究では、VC83mg/日を摂取することにより、64%の減少が肺癌で見られました。更なる研究では、実験用マウスのガンの50~75%の減少が、食餌にVCを加えることにより認められました。このような事から、毎日、野菜や果物を5品から10品、摂取することをお勧めします。

ビタミンC(VC)は脳卒中発作のリスクを減少させます。2000人以上の日本人被験者の研究では、54%の脳卒中のリスクの低下を示しました。これらの被験者は少なくとも一週に6回、果物を摂取しました。対照は一週あたりニ回より少なく、果物を摂取しました。果物はVCを多く含みます。

糖尿病の人は血中、細胞内のVC値の低値が見られます。VCは糖鎖形成を減少させ、ソルビト―ル値も減少させます。ソルビト―ルは糖尿病で増加し、網膜神経と腎臓に障害を与えます。さらに、VCはニ型糖尿病患者の糖耐性を改善し、尿中への蛋白質の排出を著しく減少させます。糖尿病患者はVCを1~3g/日摂取するのが、賢明です。

Mgはインスリンの分泌を高め、糖代謝を促進させます。Mgがない時、インスリンは細胞へ糖を移動させることができませんし、また、グルコ―スとインスリンは、Mgが存在しないと、血中において、いろんなタイプの組織損傷の発生を、増進させます。

Mgの欠乏は心臓病の人で一般的です。また、急性心筋梗塞や不整脈の治療のため、病院で用いられています。その他の筋肉のように、心筋はMgを必要とします。Mgは狭心症もしくは胸痛を治療するため用いられます。

VCとMgは原発のメルトダウン後に見られる、危険なフリーラジカルを安全にぬぐい取る電子を大量に供給します。フリーラジカルはガンの原因となります。これらVCとMgは野菜、果物、豆、海草、イモ、等から摂取できます。Mgは500mg/日以下が適切な摂取量です。

References

Natural News: VitaminC Prevents Cancer, Stroke, Diabetes and Heart Disease

DiabetesMellitus-information.com:vitamins and minerals that lowers the blood sugar level

 

 

 

 

 


放射線被曝対策と抗放射線栄養サプリメントについて 栄養医学ブログ

2011-06-17 23:53:17 | 健康・病気

非放射性Caは、ストロンチウム90、Ca45、そして、その他の放射性同位元素に対し、防護作用があります。また、Mgは、ストロンチウム90とその他の放射性同位元素の吸収を阻害します。そして、その上、すでに吸収したストロンチウム90を除去するのに役立ちます。ガンマ―放射線に暴露されると、血中CaとMg値の減少がもたらされます。結果として、より多い放射線に被曝した後、食事に含まれるCaとMgの最適値が、きわめて重要になります。

selenomethionineの形のセレ二ウムは、放射線に被曝したラットの死亡率を減少さすことが知られており、また、白血球減少症を緩和さすことが証明されています。そして、セレ二ウムは、ガンをもたらす因子に暴露された動物のガンを著しく減少させます。

非放射性亜鉛は、カドニウム、アルミニウム、鉛、それに、法外の銅を含む、いくつかの毒性重金属を体から除去するのを助けます。

セシウム137、セシウム134、カリウム40、それにカリウム42は放射能を有し、化学的同族です。これらの放射性核種(radionuclides)は、非放射性カリウムが欠如した時、体内に吸収されます。そして、生殖器官や筋肉中に、主として濃縮されます。放射性セシウム137は、核爆発後の放射性降下物中に見られます。そして、食物、水、土壌中に、よく見られます。チェルノブイ原発の爆発後、ヨウ素131とセシウム137は、旧ソ連、ポ―ランド、ハンガリー、その他の東欧諸国から食物をサンプリングして、広く認められた放射性核種です。非放射性カリウムは、放射性セシウムの体内濃度を減少させます。バナナやジャガイモのようなカリウムの豊富な食品を食べて下さい。セシウムが拡散している福島第一原発の爆発対策にも、栄養サプリメントのカリウムの摂取をお勧めします。摂りすぎは良くないので、摂取量を必ず守って下さい。また、体のカリウムの調整は、Mgの摂取によって影響をうけます。カリウムは、緑葉野菜、カボチャ、種子、ひまわり種子、黒豆など野菜、豆、種子に多く含まれます。

全身への放射線の照射は、鉄の吸収、赤血球、血漿、骨髄の機能を阻害します。全身もしくは腹部へのガンマ―線の照射は、鉄、ビタミンB12および脂質の吸収を減少させます。したがって、それらの補給が必要です。

植物は土壌からMSMを取り込むので、MSMはメチオニン、システイン、タウリンのようなアミノ酸へ転換されます。そして、それらは重金属をキレートし、体から除き、放射線被曝から体を防護します。また、MSMは、肺の空気が通る道の表面を、覆う液体を調整し、炎症反応を防ぎ、酸素と二酸化炭素の交換を調整するのに、役立ちます。

N-アセチルシステインは、グルタチオンの前駆体で、グルタチオンは、特に免疫系細胞を強化し、放射線による障害に対し体を防護し、化学療法による副作用を減少さすのに、役立ちます。また、放射線によるフリラジカルを消去します。

抗放射線食品・サプリメントを次に紹介します。海草、ミツバチ花粉、プロポリス、ビート、ビール酵母、ニンニク、玉ねぎ、クロレラ、スピルリナ、DHA、EPA、オメガ―3不飽和脂肪酸、リンゴなどペクチン含有果物、シベリア人参、朝鮮ニンジン、Panax Ginseng、イチョウ葉、緑茶、Astragalus、Milk Thistle、レバー、SSK、Beta-1,3Glucan、パパイン、胸腺抽出物、炭、有機ゲルマニウム132、重炭酸ナトリウム、Probiotics,ゼオライトなどです。

References

Oasis Health&Wellness Blog: Fighting Radiation Exposure-Naturally

ガンと栄養、藤井毅彦、日本ビタミンC研究会、1980

ガンを予防し、治す(寛解)ビタミンC療法、藤井毅彦、日本ビタミンC研究会、1982

 

 

 

 

 

 

 

 

 


放射線被曝とビタミン・ミネラルについて その六 栄養医学ブログ

2011-06-15 22:40:16 | 健康・病気

ビタミン・ミネラルによる放射線との戦いにおいて、インドの研究者は、ビタミンA(VA)を摂取した場合、放射線による障害の回復を早めることを、発見しました。また、Eli Seifter博士らは、VAとβーカロテンが全身と体の一部のガンマ―線による障害を中和することを、報告しました。VAとβーカロテンは、傷の治癒、体重減少、胸腺・脾臓の委縮、それに副腎の腫脹、等を改善し、胃潰瘍と赤血球、白血球形成の異常な低下を防ぎました。被曝治療の目的のためには、25,000国際単位~35,000国際単位が成人の推薦摂取量です。緊急時や危機的状況の間、強度の被曝では40,000国際単位~100,000国際単位のβーカロテンが必要です。しかし、3週間~4週間より多い期間、摂取すべきではありません。また、幼児は大量に摂取すべきではありません。副作用が出るリスクがあります。

イタリアの研究者は、ビタミンDをビタミンAとビタミンB複合体に併用し、摂取すると、体内や骨からストロンチウム85とストロンチウム90のよぅな放射性同位元素を除去するのに有用であることを、発見しました。VDは、鉛やカドニウムを含む普通の汚染に対しても、除去報告されています報告されています。

放射線は、組織と血液の白血球を破壊します。放射線の照射は同じで、ビタミンE(VE)を与えた血液は、ビタミンEを与えなかった血液に比べて2倍の白血球数でした。VEは、セシウム137を照射したマウスにおいて、内部と外部の保護作用を示しました。セレ二ウムはVEを保護するので、VEとセレ二ウムは同時に摂取するのがベストです。

放射線技師に関する有名な研究では、抗酸化ビタミンがいかに強力な効果を有するかを示しております。彼らは精巧な保護具によって、形式的に保護されています。しかし、仕事を通じて不自然な、高いレベルの放射線に長期間さらされています。その結果として、組織の酸化レベルが高値になる傾向があります。しかし、彼らの一群に15週にわたってVC500mg/日、VE150mg/日を投与すると、組織酸化マーカ―は急に下がり、赤血球中のグルタチオンのような抗酸化物質の値は著しく上昇しました。また、ビタミンC(VC)とVEの併用は、喫煙する放射線技師と非喫煙の放射線技師のX線による血中の酸化ストレスを調整する、と報告されています。

放射線被曝の場合、ニコチン酸アミドよりVB3(ニコチン酸)の形のものを使って下さい。チェルノブイ原発のメルトダウンによる被害を受けた患者の治療に、ニコチン酸の大量投与が行われ、それが体の解毒を行い、肝臓が解毒され、肝機能が回復しました。化学毒は肝機能を低下させます。

低線量被曝でも内部被曝を伴って長期間続くと、晩発性障害の原因となるので、定期的に内部被曝検査を行い、栄養医学療法等の対策を進める必要があります。このブログも参考にしていただければ幸いです。点滴療法研究会の医師が被曝対策を行っています。自己流でなく放射線に詳しい薬剤師にいろいろ聞いて勉強してください。また、放射性プルトニウムは、ウイルス程度の軽い超微粒子となって飛散した場合、超毒性を有するので測定・検査は必要です。さらに、福島第一原発の作業員の被曝限度値が高すぎるので、将来、晩発性障害が発現するのではないかと、危惧しております。当方は、ビタミンCの点滴とビタミン・ミネラルの点滴(マイヤーズカクテル点滴),グルタチオン点滴が必要と、考えています。

 

最後に、全国の河川に富む山村が、自家用水力発電機で埋め尽くされ、管理が大変ですが、全国の家の屋根が太陽光発電パネルで埋め尽くされることを、期待しています。

References

Oasis Health &Wellness Blog, Fighting Radiation Exposure-Naturally

藤井毅彦、ガンを予防し、治すビタミンC療法、日本ビタミンC研究会、1982

畑村洋太郎、失敗学のすすめ、講談社文庫