医科栄養学・栄養医学ブログ

医学部で医科栄養学を学んだ経験と最新の栄養医学をこのブログに反映したいと、考えています。

ガンとプロバイオティクスについて その一 栄養医学ブログ

2011-10-31 20:31:49 | 健康・病気

いろんなタイプのガンとの戦いに役立つような一つの治療法があることを、研究者達は発見しつつあります。この治療物質は合成薬品でなく、自然界に見出されるものです。それはプロバイオティクスと呼ばれています。プロバイオティクスは宿主を保護し、病気を防ぐ微生物です。しかし、多くの種類のプロバイオティクスがあり、もっともなじみのあるものは、Lactobacillus acidohpilusで、ヨーグルトに含まれています。これは、食品中の糖複合体を乳酸に転換する乳酸菌です。これらの大変小さい微生物はヒトの腸管内に住み、腸管が、健全な免疫システムや消化システムを維持するのに、役立っています。不幸にも、現代の食事、化学物質、汚染、それに抗生物質の広範な使用は、これらの体に有益な細菌を破壊するように働きます。

科学者が、なぜプロバイオティクスがガンとの戦いに有益か、すべてを理解していないのが事実です。プロバイオティクスがガンに対し、ある程度、有益であるという理論があります。プロバイオティクスが、発がん先駆物質を発がん物質に変える、細菌の急速な増殖を、抑えるにちがいないという、一つの理論があります。これは消化管の発がん物質の数を減らし、それによって、ガンの増殖を抑える可能性があります。

その他の仮説は、プロバイオティクスが消化管粘膜のINF-γの分泌を刺激して免疫システムを高め、アポトーシスを制御します。これは、細胞死をもたらす、遺伝的にプログラムされたプロセスです。このことが、ガンのリスクを著しく減少させます。

ガンに対してプロバイオティクスを用いる主たる利点は、健康な細胞がガン細胞と共に破壊されないことです。プロバイオティクスがガンに対して用いられている簡単な方法は、乳酸菌の摂取です。ヨーグルトの様に、規則的に乳酸菌の豊富な食品を摂取する人々は、結腸癌や乳がんになるリスクが低い事を、研究は示しています。

また他の治療方法として、抗ガン剤のキャリアーとして、プロバイオティクスを用います。強力な抗ガン剤をガン部位に導く方法は、体のガン部位の状態に、自然に適合します。このタイプの強化バクテリア療法は、ある種のガンの治療に考えられ、成功しています。プロバイオティクスがガンを治すわけではないが、ガンと戦うのに役立ちます。プロバイオティクスは、ガンに持続的に作用をするだけでなく、ガンに対し防護作用があります。たぶん、ガンの治療のカギは、栄養素や乳酸菌などの細菌などが握っていると、考えています。

Reference

Probiotics Help Fight Cancer: 29.Mar,2011.  Healthmango.com


真菌(カビ)中毒症とプロバイオティクス・ビタミンCについて その一 栄養医学ブログ

2011-10-29 22:11:24 | 健康・病気

真菌(カビ)中毒症は、カビなど菌類へさらされることが原因となる疾患のことで、一般的には真菌(カビ)が混入している食品を通じて起こりますが、患者、本人はそのことに気づくことは、不可能ですし、検査でもなかなか難しいようです。

目には見えないけれども、真菌毒素が摂取され、皮ふ、粘液、それに空気を通じて体に取り込まれます。真菌毒素が体に入った後、コロニーを形成し、それが広がり、免疫システムに入り、体内の日々の反応に障害を与えます。

アフラトキシン中毒症などの真菌中毒症は、体に大変有害です。真菌中毒症になると腎臓や肝臓にダメージを与える慢性疾患をもたらす可能性が有りますが、ある極端な症例では、死亡した場合がありました。免疫システムや消化器系のダメージは、やはり真菌毒素にさらされた結果です。また、研究によると、ガンや潰瘍性大腸炎の病因の一つに、真菌中毒症による、その毒素への暴露が原因と考えられています。

真菌中毒症には多くの症状があり、これらの症状に伴う特異的症状を正確に述べることは、むつかしいです。症状の多くは呼吸器系の周辺に集まり、呼吸困難、セキ、ゼンメイ、くしゃみ、それに副鼻腔炎などを発症します。症状の多くは、息切れ、胸やけ、などの喘息症状と似ているので、誤診する場合があります。

その他の症状は、消化器系の周辺に集中し、激しい下痢や痙攣を伴う過敏性腸症候群を伴います。また、他の症状は、食物の飲み込みにくさ、息苦しさ、胸やけなどが有ります。

より激しい症状は、神経系にも影響を与えます。また、記憶喪失、脳の混迷、発声の不明瞭さ、それに視力上の問題点をもたらすことが有ります。このように原因を絞りにくい難病です。

外国の研究では、フラボノイド、VC,VE,セレンなどは、真菌中毒症による急性中毒を減少さすと、報告されています。Elltox博士は、真菌中毒症によるストレスや害を、大量のビタミンCの投与で防ぐと、述べています。また、少なくとも2g/日の投与量のVCは免疫機能を高めるのに必要です。VE,Zn、ベターカロテンも免疫システムのサポートに有益なので、併用摂取が必要と、考えられます。グルタチオンの点滴も真菌を体から出すのに必要で、炎症を鎮めます。

ニワトリの実験的真菌中毒症において、BPS-44の乳酸菌のプロバイオティクスが、真菌毒素が消化管に吸収されることから、ニワトリを守ってくれたようです。プロバイオティクスは、真菌毒素の作用を減らすことにより、免疫システムの機能を高め、真菌毒素の免疫システム抑制作用を減殺し、患者が真菌中毒症と戦うのを、サポートします。

Reference

Mycotoxicosis &Ulcerative Colitis. eHow.com


潰瘍性大腸炎とカビ中毒症について その一 栄養医学ブログ

2011-10-26 22:22:45 | 健康・病気

炎症性腸疾患もしくはIBDは、腸の炎症を引き起こす一連の症状の呼び名です。その症状は長期にわたり続き、通常、慢性状態です。潰瘍性大腸炎はクローン病と共に、炎症性腸疾患です。菌類に見出されるカビ毒素と潰瘍性大腸炎の間には関連がある、という研究があります。

潰瘍性大腸炎(UC)は、消化管の慢性的炎症を生じる炎症性腸疾患です。UCは体の衰弱をもたらし、時には、生命を脅かす合併症をもたらすことがあります。UCは、通常、直腸と大腸のもっとも深い内層のみに影響を及ぼします。そして、大腸に炎症と潰瘍を生じさせます。また、通常、直腸に始まり、結腸の深い内層の、連続した部位に影響を及ぼします。また、何がUCの原因となるかについては、はっきりしていませんが、日本の研究が進んでいるので早晩解明されると、期待されています。ある研究では、ウイルスや細菌がUCの引き金になる可能性があると、考えている科学者もいます。体がウイルスもしくは細菌と戦う時、消化管が炎症を引き起こします。また、遺伝的素因が一因となる可能性を、考えている科学者もいます。

潰瘍性大腸炎(UC)の症状は、炎症の激しさやそれがどこで発症するかによって、いろいろ変化します。UCが直腸のみに影響し、直腸出血がある時、それに伴ういくつかの兆候や症状があります。直腸の痛み、腸運動の切迫感、それに腸の運動不全感などが、それに該当します。このタイプは中等度です。下血性下痢、腹部痙攣、痛みなどが、直腸や結腸の下部に、影響するUCの症状です。結腸全体が影響を受ける時、腹部痙攣、その痛み、疲労感、それに著しい体重減少などが一般的症状です。重篤なUCは稀ですが、それは結腸全体に影響する、生命を脅かすタイプです。重篤なタイプの症状は、激しい痛み、おびただしい下痢、脱水とショック症状などです。また、それはいろんな合併症のリスクが有ります。それらは、結腸が大きく膨らんだ時、発症する結腸破裂と毒性巨大結腸などです。これらは大腸内視鏡で観察できます。

研究は限定されていますが、カビ毒素の摂取は、UCを含む炎症性腸管症候群(IBD)を発症すると、信じられています。カビ毒素(真菌毒素など)は、腸管を含む多くの組織や器官に影響することが知られています。このことは、よく研究されていませんが、カビ毒素はIBDに罹った人々に見られる症状とよく似ている、腸管の変性をもたらします。

UCは脂肪肝や肝炎、肝硬変、皮疹、葉酸欠乏症、ビタミンB群欠乏症、関節炎、腎結石、それに骨そしょう症などの合併症の発症の可能性があります。なお、これらはUCが治療により寛解すると、軽快したり、治る場合が有ります。

カンジダ菌もしくは細菌の異常増殖が存在する場合、UCの更なる回復は抗菌剤もしくは抗カビ剤によって、そのインバランスを正常化することにより予防と治療が達成できる可能性が、考えられます。外国では、そのためにメトロニダゾールなどの抗菌剤が使われていますが、リスクがあるので、医師に相談して下さい。こちらでは、情報を提供はしますが、責任は取りかねます。なお、和歌山医科大学の研究では、梅エキスが潰瘍性大腸炎に有効との論文発表が有りますが、当方は、梅エキスの抗菌作用による、と考えています。また、当方の近くの美郷地区(旧美郷村)は、南部と並ぶ梅の産地で、行くたびに梅干し、梅エキスなどよく買います。

Reference

Mycotoxicosis&Ulcerative Collitis: eHow. com


潰瘍性大腸炎とプロバイオティクスについて その二 栄養医学ブログ

2011-10-14 16:57:23 | 健康・病気

アルバーター大学の研究では、伝統的治療法に反応しない中程度の活動性潰瘍性大腸炎(UC)の32名の患者で調査しました。研究者は、UC患者にUSL-3と呼ばれているプロバイオティクスを、6週間、総計3600兆個投与しました。研究の終わりに、18名(53%)は、S状結腸内視鏡による観察で寛解が認められました。さらに、8名(24%)では、かなり良い反応が見られました。

Pundee大学の研究者達は、活動性UC患者と健康な対照の直腸生検により、細菌を分析しました。活動性UC患者の生検では、ビフィズス菌数が著しく少なかったです。そのことは、これらプロバイオティクス菌がUCに対し、防御作用を有することを示していました。更なる研究では、活動性UCの18名の患者は、一ケ月間、ビフィズス菌のサプリメントもしくはプラセボを与えられました。S状結腸内視鏡、生検、そして血液検査では、プラセボグループに比べてプロバイオティクスグループで著しい改善が見られました。

イタリアの研究では、サッカロミセス菌が、以前に他の炎症性腸管疾患であるクーロン病の修復に有益であることがわかりました。研究者は、中程度の再燃潰瘍性大腸炎の25名に、250mgのサッカロミセス菌を一日三回、維持療法の間、mesalazineと一緒に投与しました。これらの患者はステロイド療法が適さないのです。研究を終えた24名の患者の内、17名は臨床的に寛解を得ました。そのことは内視鏡で確認されました。

オハイオ大学のKaiser Permanente博士とMacCann博士の研究では、UC患者20名の内16名で急速な寛解をもたらしました。彼らは炎症性腸管疾患の実験的治療法の開発者でした。腸管を洗浄するため複数の広範囲抗菌スぺクトルの抗生物質を二日間投与し、続いてE.coli菌株の投与を行い、結腸の"善玉菌叢の再び住む所"を作るため、Lactobaciiius acidophillus菌の投与を行いました。16名では急速な寛解を得ましたが、4名では同じ程度の寛解ではありませんでした。これらのことから乳酸菌が食べる、特別な炭水化物と組み合わせて投与することが、必要です。日本では、ビフィズス菌入りのヨーグルトにオリゴ糖を入れているので、効果が高まる、と考えられます。

腸管高付着性乳酸菌とビフィズス菌は、潰瘍性大腸炎の炎症部位から単離された原因菌候補であるバリウム菌を競合阻害したり、排除することが可能であった。

Osaka大学の竹田博士らの研究では、悪玉菌や常在嫌気性菌などの腸内細菌が、ATPを過剰に放出した結果、腸管の樹状細胞が活性化し、その結果、17型ヘルパー細胞という免疫細胞が増大し、そして、それがインターロイキン17という炎症物質を大量に作り出したことが、UC発症の原因であると考えられる、と述べています。また、私見ですが、プロバイオティクスの摂取などでUCの原因の一つと考えられる腸内細菌やウイルスの活動を抑えることが大切と、考えられます。

References

Ulcerative Colitis: WebMD

Food Supplement for Ulcerative Colitis, Colitis UK

 

 


潰瘍性大腸炎とビタミンCについて その一 栄養医学ブログ

2011-10-13 22:39:29 | 健康・病気

ビタミンCナトリウムは、傷の治癒を促進させ、免疫システムをサポートし、体の鉄の吸収を促進させます。これらの作用は、潰瘍性大腸炎(UC)の患者に欠くことができません。炎症性腸管疾患(IBD)は、結腸に並んだ、擦り?けた、潰瘍部分を残します。これらの部分は出血し、感染します。それは鉄欠乏のリスクをもたらし、消化管に腫れものを生じさせます。ビタミンCナトリウムは、体の治癒に役立ち、感染を防止し、鉄の利用を促進させます。

メリーランド大学の研究では、ビタミンCを豊富に含む食物と、低脂肪食と他の栄養素は、UCの再燃を防ぐのに役立ちます。ビタミンCの豊富な食事を摂取した人々は、UCの発生率が低いことが、発見されました。UCの原因は不明ですが、遺伝的因子、免疫システムの異常、それに環境要因などが関係している可能性がありますが、日本などの研究で解明されることが、期待されています。また、栄養面では、砂糖の多い食事、飽和脂肪酸それにコレステロールの多い食事は、UCに深い関係がある可能性があります。しかるに、野菜や果物の豊富な食事は、UCの症状を軽減させる可能性があります。

UCにより生じた腹痛、下痢は食欲不振をもたらし、栄養素の欠乏をもたらします。UCが再燃している時、食物繊維の多い食事は、結腸での再燃の悪化をもたらし、そんな時、野菜や果物などの高繊維食は食べるのによくありません。ビタミンCナトリウムやマルチビタミンのサプリメントを摂取することは、それらを食品で摂取できない場合、賢明な方法です。UCの合併症に貧血がありますが、ビタミンCナトリウムは貧血を防いでくれます。

UCによる腸管の損傷は、結腸に腫れものの形成をもたらす可能性が有ります。炎症を抑えるのに用いられているコルチコステロイドと免疫システムを抑制する医薬品は、感染症に罹りやすくします。健康な免疫システムを促進さす、適切量のビタミンCナトリウムの摂取は、胃腸管の感染やUCによる合併症を防ぐのに、役立ちます。また、副腎皮質ホルモンやペンタサなどの副作用を軽減し、その効果を高める可能性もあります。

ビタミンCは、蛋白質代謝を促進することにより、潰瘍化した消化管組織の再生を促進させます。また、ビタミンCは細胞や組織、器官の構成成分を提供します。結合組織の必須成分であるコラーゲンを合成するのに、ビタミンCは必要です。ビタミンCの欠乏は、結合組織や微細血管を弱くします。ビタミンCは、胃腸管の健康と修復をサポートし、腸管の損傷や感染から回復する能力を高めます。なお、ビタミンCは弱酸性なので、UCの場合、弱アルカリ性のビタミンCナトリウムの方が、胃腸にやさしく、安全性も高いので、こちらを摂取するのがよい、と考えられます。インターネットで入手できますが、自己責任を伴います。

Reference

VitaminC &Ulcerative Colitis: Livestrong. Com