日本人の65歳以上では、10人中一人がなると言われている認知症、明日は我が身かと思う人も多数いると思います。このブログでは、医師が患者に語らないと思われる、認知症に対する体に優しい栄養医学的治療法を紹介したい、と考えています。
Melvyn werbach博士によると、老人の認知症のすべての内5分の1までは、元の健康状態に回復します。認知症の原因の一つは、栄養失調、栄養素の吸収障害、もしくは、多くの栄養素量のアンバランスなどです。アルツハイマー症を示唆させる症状の人々は、有毒金属が体内で高値かどうか調べ、除去と解毒のためのプロトコールに続いて、有毒な金属をキレション療法などで除去するのが賢明です。
次に、新鮮な野菜や果物、必須脂肪酸(EPA,DHA,オメガー3不飽和脂肪酸)が豊富であり、肉などに多い飽和脂肪酸が少なくて、精製していない食品の多い食事をし、胃酸のコントロールをし、食物の吸収状態を調べることも重要です。また、ビタミンB群のナイアシンの栄養サプリメントが必要かどうか、調べて下さい。認知症はナイアシン欠乏の古典的症状です。ナイアシン欠乏による認知症は、血中ナイアシン値が正常に戻るなら、元の健康状態に回復します。葉酸欠乏もチェックして下さい。記憶力障害、見当識障害は、葉酸の血中低濃度からもたらされます。葉酸(ビタミンM)の補給により、重度の認知症の女性が軽快した症例を、この博士は紹介しています。
アルツハイマー症では、ビタミンB1(VB1)に依存する脳の酵素が、減少している可能性があります。VB1を補給することは、更なる酵素の減少を防ぐことができます。ビタミンB12(VB12)の欠乏は、錯乱、記憶力の低下、それに、その他の神経系のトラブルを長期にわたって伴います。VB12を補給することは、VB12の血中濃度が正常で、その欠乏の症状がない患者においてさえ、有効です。初期のアルツハイマー症でVB12の欠乏症状のない73歳の女性においては、VB12の筋肉注射では、3ケ月でアルツハイマー症の症状が認められなくなりました。
次に、脳の神経細胞の消失をもたらす亜鉛欠乏の可能性を調べる必要も有ります。いろんなニ重盲検テストでは、イチョウ葉は脳の血流を増やし、脳波を改善し、認知症患者の思考力を改善するのに役立ちます。また、予備的研究では、アミノ酸のトリプトファンとフォスファチルコリンのようなコリン作動性栄養素は、認知症に希望ある結果を示していますが、更なる研究が必要です。なお、トリプトファンは大量摂取の場合、副作用の発現が、米国で報告されています。
Reference
Nutritional cures for dementia: Nutritional Health Profiler, Vol 5,Issue 12