医科栄養学・栄養医学ブログ

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ガンへのビタミンC点滴療法と経口投与療法の違いとそれぞれの特徴について 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2023-09-28 16:02:22 | 栄養医学、ニュートリシィオナル サイエン
現在、ガンへのビタミンC療法は、点滴療法を中心として、補完的に経口療法が併用され、ガン患者の病態の改善に効果を発揮しています。ビタミンC点滴療法とビタミンC経口投与は、それぞれ、作用メカニズムが違っており、併用することにより、それぞれの特徴が生かせ、相互補完的に効果を発揮します。なお、抗ガン効果の面では、ビタミンC点滴(還元型ビタミンC)が、ビタミンC経口摂取に比べて、より効果が強いと報告されています。また、投与による副作用は少ないと言われています。特に胃がん患者では、ビタミンCのピロリ菌への抗菌作用と抗ガン作用により、有効との報告もあります。長年、野菜や生果物の摂取に加えて、ビタミンC粉末をオブラートに包んで冷やしたお白湯と共に飲む習慣の人は、胃ガンになる確率が低いとの報告もあります。また、粉末のビタミンCは添加物が含まれていないので安全です。

"The voice of Natural Medicine"誌によると、あるガン患者は、2,850mg/日のビタミンCを長期にわたり経口摂取し、化学療法など伝統的治療のみを実施したガン患者に比べて、ガン再発率の減少、qualituy of lifeの改善、生存率の増大、それにガンの部分的寛解などが認められました。また、ほとんどの研究において、ビタミンC(還元型ビタミンC)の経口摂取は、化学療法中、有益な、化学療法の補完的役割を果たすことが、示されました。特に、化学療法剤の副作用を軽減し、快復力を高めました。

口腔癌に罹った63名の患者を含む研究では、口腔癌患者は、コバルト、peptomycin、5-FUなど放射線療法と化学療法の治療を受けていました。そこで、口腔癌患者らは、毎日、ビタミンc、ビタミンE、グルタチオンを経口摂取しました。なお、ビタミンCは、500mg/日と低い摂取量でした。その結果、患者は高い応答率と、より大きい副作用の軽減を感じました。

References
The vitaminC war wages on: Should cancer patients steer clear? Emita's Natural Issues blog. The voice of Natural Medicine
Zeyu Chen. vitaminC intake and cancer:Umbrella Review. Front Nutr. 20 January 2022