スコラム博士らの研究によると、経口によるビタミンCの効果が、低ビタミンC血症の長期入院の老人病(老年病)患者118名で試験され、ビタミンCを1g/日、28日間投与すると、プラセボに比べて、臨床上の改善と体重増加が認められました。年齢は男女とも59歳から97歳で、ビタミンCとプラセボとも外観、味とも見分けがつきませんでした。
被験者の平均体重変化(kg)は、総数では、ビタミンC群は+0.54、プラセボ群は-0.24、女性では、ビタミンC群は+0.74、プラセボ群は-0.66でした。
投与一か月後の臨床上の変化は、活発さでは、ビタミンC群では改善度++と+が13名、プラセボ群では+が8名、周囲に対する関心度は、ビタミンC群では改善度++と+が8名、プラセボ群では改善度+が5名、食欲は、ビタミンC群では++と+が5名、プラセボ群では+が2名、活発さと関心度は、ビタミンC群では++と+が15名、プラセボ群では+が8名でした。
これらの結果から、老人病特有の精神症状(欝症状など)や臨床症状などの回復が、僅か1g/日のビタミンCの経口摂取でもたらされることは、特筆すべきことです。更なる研究の積み重ねを期待しています。なお、当方の小数の被験者での調査でも同じ傾向が認められました。今後、日本国も老齢人口が急増し、老人病も増加するので、その対策にもビタミンCは有益と、考えます。
Reference
C J、スコラム: The Lancet、Feburary 24,1979
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