医科栄養学・栄養医学ブログ

医学部で医科栄養学を学んだ経験と最新の栄養医学をこのブログに反映したいと、考えています。

低ビタミンC 血症の老人病患者に対するビタミンCの効果について 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2014-01-29 23:53:54 | 健康・病気

スコラム博士らの研究によると、経口によるビタミンCの効果が、低ビタミンC血症の長期入院の老人病(老年病)患者118名で試験され、ビタミンCを1g/日、28日間投与すると、プラセボに比べて、臨床上の改善と体重増加が認められました。年齢は男女とも59歳から97歳で、ビタミンCとプラセボとも外観、味とも見分けがつきませんでした。

被験者の平均体重変化(kg)は、総数では、ビタミンC群は+0.54、プラセボ群は-0.24、女性では、ビタミンC群は+0.74、プラセボ群は-0.66でした。

投与一か月後の臨床上の変化は、活発さでは、ビタミンC群では改善度++と+が13名、プラセボ群では+が8名、周囲に対する関心度は、ビタミンC群では改善度++と+が8名、プラセボ群では改善度+が5名、食欲は、ビタミンC群では++と+が5名、プラセボ群では+が2名、活発さと関心度は、ビタミンC群では++と+が15名、プラセボ群では+が8名でした。

これらの結果から、老人病特有の精神症状(欝症状など)や臨床症状などの回復が、僅か1g/日のビタミンCの経口摂取でもたらされることは、特筆すべきことです。更なる研究の積み重ねを期待しています。なお、当方の小数の被験者での調査でも同じ傾向が認められました。今後、日本国も老齢人口が急増し、老人病も増加するので、その対策にもビタミンCは有益と、考えます。

Reference

C J、スコラム: The Lancet、Feburary 24,1979

筆者の栄養医学ブログは、ブログアドレスblog.goo.ne.jp/h35p39で発信しています。