医科栄養学・栄養医学ブログ

医学部で医科栄養学を学んだ経験と最新の栄養医学をこのブログに反映したいと、考えています。

アルコール依存症とビタミンB1、B3(ナイアシンアミド)、ビタミンCの効果について 日本ビタミンC研究会

2016-07-07 16:59:14 | 健康・病気

長年の飲酒習慣のある人のうち、約一割程度の人がアルコール依存症になると報告されています。また、飲酒による問題行動が原因で、家庭が崩壊しているケースが多いと、言われています。そして、本人も大量飲酒を止めると、離脱症候群という非常に不快な症状を呈するようです。また、ウエルニッケ・コルサコフ症候群になり、小脳変性症を発症し、下肢の歩行障害などの失調をもたらします。さらに脳血管の障害による切迫性尿失禁を発症するアルコール依存症の患者もいます。なお、これらのことは、現在、社会問題となっています。

Abram Hoffer博士等の研究によると、多くのアルコール依存症患者は、飲酒の習慣を止めようとしませんが、ビタミンB3の経口摂取には同意し、何年もかけて、飲酒をコントロールできるようになるまで、飲酒を減らすことができるようになりました。この治療法は、いつか利用され、今日の標準的治療法より、成功の可能性が高いと、Hoffer博士は考えています。また、アルコール依存症患者が飲酒を中断しても、ほとんどの患者は元の飲酒の習慣に戻ると、報告されています。今日、アルコール飲料は、規制なしに市中で広く入手できる軽い麻薬の一種と言われています。

米国の研究によると、ビタミンCにはアルコール渇望性を弱める働きが有るといわれています。そして、ビタミンCはセロトニンの合成に必要で、エピネフィリン合成にも役割を演ずると、報告されています。米国の医師の中には、アルコール依存症を克服するため、10g~20g/日のビタミンCの摂取、もしくは点滴を推奨しています。理論的には、アルコール依存症を軽減するため、ビタミンCは、気分をブーストする神経伝達物質の産生を促します。当方の少数調査でも長年、ビタミンCをグラム単位/日、ビタミンB3を約500mg/日、それにマルチビタミン・ミネラルを摂取しているアルコール 飲料常習摂取者のグループは、そうでないアルコール摂取グループに比べてアルコール依存症に罹りにくい傾向が有るようです。その他に、アルコール依存症の患者は、ビタミンB群、VA、VB1、亜鉛、Mg、セレン、グルタミン、グルタチオン、カルニチン、などの栄養素が欠乏しやすい傾向が有り、特に、ビタミンB1の欠乏がひどいようです。なお、ビタミンAの過剰摂取には注意が必要です。食生活面でも、管理栄養士の指導のもとに、栄養素の欠乏がないよう食生活を指導してもらうことが重要です。

References
Alcoholism, A Protocol for Alcohol: Doctor Yourself. Com
Linda Tarr Kent: VitaminC &Alcohol Cravings. LIVESTRONG. COM. August 16,2013
Chuck Eke-Okoro:Niacin&Alcoholism. LIVESTRONG COM.Aug 03,2015