医科栄養学・栄養医学ブログ

医学部で医科栄養学を学んだ経験と最新の栄養医学をこのブログに反映したいと、考えています。

膀胱ガン手術とその後のBCG療法の経過観察と栄養対策の症例について その二 栄養医学ブログ

2023-07-09 10:41:29 | 栄養医学、ニュートリシィオナル サイエン
6月3日の最初のBCGの膀胱内への注入前の尿検査では、白血球(+)、顕微鏡検査では白血球(25-30)、他の検査は正常だったので、BCG免疫療法(イムノブラダー膀注用80mg)実施、副作用と思われる頻尿が起り、ガンの再発予防のため、後述するビタミンCや肝油、マルチビタミン、プロバイオティクスを摂取し、膀胱ガン発症リスクがあると言われているコーヒーとカフェインを含む栄養飲料の摂取も中止しました。

6月17日の2回目のBCG療法実施前の尿検査、顕微鏡検査値は正常、いつもの通りBCG療法を実施し、頻尿が見られた。7月1日の3回目のBCG療法前の尿検査は正常だったのでBCG療法を実施、頻尿が見られた。続いて、7月22日に4回目のBCG療法前の尿検査は正常だったので、BCG療法を実施、そして、その日に血尿、発熱が見られ、次の日も血尿、発熱が見られたが、その後は見られなかった。なお、4回目のBCG療法で強い副反応が見られたので、次回8月5日のBCG療法は中止、その日の尿検査値は、蛋白定性(±)、潜血反応(±)、白血球(2+)、顕微鏡検査では白血球(25-30)、EF-膀胱尿道ファイバースコーピー検査では、膀胱にBCGによる炎症が認められたが、膀胱ガンの再発は認められませんでした。9月30日のEF-膀胱尿道ファイバースコーピー検査では炎症は減少し、膀胱ガンの再発は認められず、尿検査値や顕微鏡検査値は共に正常でしたが、BCG療法を実施した後、歩くたびに腰痛と太ももの後ろ筋肉痛が見られ、BCGの副反応の可能性が考えられます。11月14日の月一回の受診から、レボフラキシン(抗生物質)と牛車腎気丸を処方され、抗生物質は、途中10日で気分が悪くなり中止、牛車腎気丸も4年で薬剤アレルギー症と見られる症状がでたので、中止しました。ビタミンCなど栄養剤とプロバイオティクスは引き続き摂取しています。

References
Lean Lawrence, et al. vitaminA decreased bladder cancer disk. cancernetwork. May13.2014
Fuqiang Chen,et al. In vitaminC and bladder cancer, inverse association was found with vitaminC from diet. Scientific report. 23 April 2015
What to take with vitaminC to beat bladder cancer. Nutrientinsider. July 14, 2014

膀胱ガン手術とその後のBCG療法の経過観察と栄養対策の症例について その一 栄養医学ブログ

2023-07-06 10:40:23 | 栄養医学、ニュートリシィオナル サイエン
膀胱ガンは、早期に発見し、TuR-膀胱内視鏡で、発見された膀胱ガンを除去し、後は、BCG療法を数回、膀胱内に実施し、副反応が起ればその時点で中止し、後は、一ヶ月に一回、尿検査をし、三ヶ月に一回、膀胱カメラで再発しているかどうか核にするのが一般的ですが、発見が遅れた場合、膀胱ガンが進行しているので、医師の対応も異なる、と考えます。このブログでは、幸いにも、血尿をすぐ見つけて、すぐにクリニックへ行き、超音波検査で黒い影が見つかって、すぐに大病院で手術できた知人(仮名)の初期膀胱ガンの症例について考えて行きたい、と思います。ところで、周辺では、脳腫瘍、前立腺ガン、胃がん、肺がん、すい臓ガン、胆管ガン、大腸ガンなどになって物故された人を聞きます。

70歳台のAさんは、数年前から日中も就眠中も頻尿に悩まされていたが、膀胱が痛いという症状も無かった。2019年3月25-26日にトイレで血尿に気づき、翌日近所の泌尿科クリニックで超音波検査を受け、膀胱に直径1cmの丸い影が見つかりました。尿検査では潜血(2+)、白血球(1+)で陽性、顕微鏡検査では赤血球(70~80)、白血球(4~5)で陽性、なお、扁平上皮、硝子円柱、顆粒円柱、小円形上皮などの細胞は、マイナスで正常値でした。続いて、紹介された公立病院でのCT検査でも膀胱ガンの丸い陰影が認められ、詳しい診断ではT1(膀胱ガンが粘膜下に浸潤しているが、膀胱筋層へは及んでいない)、N(0)(所属リンパ節に転移していない)、M(0)(他の臓器へは転移していない)でステージ1でした。そして、いろいろな検査の後、当病院に再入院し、4月8日、TuR-Bt膀胱内視鏡で膀胱ガンを除去しました。退院の後、以前のクリニックで再発防止のためBCG膀胱内注入療法を受けることになりました。なお、肝臓、腎臓、その他の検査では異常は認められず、BCG療法には差し支えがないことが分りました。また、個人的には、ネットで栄養療法などの情報を集め、食事やサプリメントにより、再発防止に務めた結果、4年後まで再発は認められなかったとの報告です。

references
Leah Laurence, et al. VitaminA  decreased bladder cancer risk. Cancernetwork. May13,2014
What to take with vitaminC to bladder cancer. Nutrientinsider. July 14,2014
Fuqiang Chen, et al. In vitaminC and bladder cancer, an inverse association was found with vitaminC from diet. Scientific report. 23 April 2015
Does galic prevent cancer? medicineN. com. July 29. 2014
J Falke, et al. Curucumin as treatment  for bladder cancer. Bio Med Research International. 2018, Article ID 9634902, 7 page



疼痛性疾患の神経障害性疼痛へのビタミンCの作用について その二 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2023-07-01 10:59:10 | 栄養医学、ニュートリシィオナル サイエン
いろいろな疾患による疼痛に苦しむ人が多いと言われています。疼痛性疾患での疼痛の治療において、ビタミンCの役割についての詳細な再検討において、Carr博士とMcCall博士らは、血漿ビタミンC値の低下と痛みの増大との関係に関するヒトでの研究で手術前後のいろんな疼痛症状において、鎮痛作用物質として0.5g~2gのビタミンCを用いました。なお、その再調査は、いろんな疼痛の形態でのビタミンCの作用とその使用方法に焦点を合わせたものです。

Tara Smith博士によると、ビタミンCの血清値は、健常人に比べて帯状疱疹患者ではもっと低く、このことは、帯状疱疹後神経痛のリスクを高める事が分りました、二重盲検テストでは、非経口的(点滴など)ビタミンCの投与により、帯状疱疹後神経痛の発症率の減少と長期の痛みの減少を示しました。

明らかなことに、ビタミンCは、帯状疱疹後神経痛を軽減する可能性が高く、特に、点滴で投与した場合は効果が高いと、報告されています。なお、経口投与より、点滴が効果が高いと言うことで、経口投与が効果がないのではありません。うまくいけば、数年後には、帯状疱疹の治療にビタミンC点滴とその経口投与の併用が増えると、考えられます。また、ひつこい帯状疱疹や帯状疱疹後神経痛の自発痛を弱め、炎症性サイトカインのIL-6とIL-8の血清値を調整することが報告されています。そのほかに、ビタミンCには、関節炎に伴う関節痛を軽減する可能性もあり、体の治癒過程に重要で、免疫システムも強化するのに役立つと、報告されています。更なる研究の積み重ねにより、安全で、有効なビタミンCがいろんな疼痛に苦しむ人々の福音になることを祈っています。

References
Tara Smith. Vitamins and minerals for pain management. 2022.Mar15
Anita C. Carr. The role of vitaminC in the treatment of pain:New Insights.J Transl Med 2017;15:77