医科栄養学・栄養医学ブログ

医学部で医科栄養学を学んだ経験と最新の栄養医学をこのブログに反映したいと、考えています。

COVID-19(新型コロナウイルス感染症)による急性呼吸窮迫症候群と無細胞へムの関係とビタミンCの効果について

2020-04-23 15:09:37 | 健康・病気

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の特徴としては、短期間に急速に急性呼吸窮迫症候群(ARDS)を発症させ、死に至るケースが多々認められます。このことは、健康で基礎疾患のない若い成人でも見られます。この原因として、ヘモグロビンへのSARS-CoV-2コロナウイルス(新型コロナウイルス)の関与が考えられます。

Doris Loh博士によると、SARS-CoV-2コロナウイルスは、ヘモグロビンをターゲットにし、その結果として、ARDSを悪化させる無細胞ヘムを生じます。このことが肺胞の炎症、肺上皮傷害、気道炎症、肺胞透過性を生じます。なお、無細胞ヘムは、酸化第二鉄を伴ったヘモグロビン内の不安定なヘム(赤色素のことで、二価の鉄原子とポルフィリンから成るシャク体です)のことで、タンパク質と脂質に結合し、脂質の過酸化のようなフリーラジカル鎖を生じさせます。このように、SARS-CoV2は無細胞ヘムを生じさせ、ARDSを発症させます。ここで、体内に十分量のビタミンCがない場合、ヘモグロビンを酸化して、無細胞ヘムが生じ、ARDSを発症させます。逆に、十分量のビタミンCがある場合、無細胞ヘムの産生は阻害され、フリーラジカル鎖を消去し、ARDSの症状の軽減の可能性が考えられます。

Doris Loh博士によると、COVID-19の原因となるSARS-CoV-2コロナウイルスは、肺胞細胞表面のアンジオテンシンー変換酵素2(ACE2)リセプターに結合します。ACE2リセプター発現は、肺のタイプ2型肺胞上皮細胞(AT2)の少数群で増えます。大切な問題点は、AT2がウイルスの増殖と伝播を増やし、他の多くの遺伝子を発現することです。このことが、SARS-CoV-2コロナウイルスが肺の中で活性化されることを意味します。COVID-19患者は急速に悪化し、もしも適切なビタミンCを摂取しないなら(点滴と経口の併用で)、ARDSに進む可能性があります。ここで、なぜビタミンCが新型コロナウイルス感染症の対策として重要なのでしょうか、SARS-CoV-2ウイルスは、スパイクタンパク質の切断部位で活性化される必要があります。この切断部位では、フーリン酵素(ヒトでフーリン遺伝子にコードされている)を使います。これが、SARS-CoV-2ウイルスとビタミンCがお互いに敵対する理由になります。高濃度ビタミンCのSARS-CoV-2ウイルス不活化作用により、このフーリン酵素活性をビタミンCは阻害するのではないか、とDoris Loh博士同様、筆者も考えています。

解説1

●COVID-19の41.8%はARDSを発症させます。●重篤なARDS患者の半数は死亡します。●経口によるビタミンC摂取は、ARDSの予防に効果があります。●COVID-19はヘモグロビンをターゲットにし、ヘムを攻撃します。●COVID-19患者は、ヘモグロビンと好中球の値が低いです。●ヘムの酸化鉄は、酸素が運べません。●酸化鉄を含むヘモグロビンは、ヘムを急速に失います。●無細胞ヘムは、ARDS発症の原因となります。●ビタミンCは、バリアーを完全な状態にすることに寄与し、無細胞ヘムによるダメージを防ぎます。

解説2

●SARS-CoV2スパイクタンパク質はACE2リセプターに結合します。●ACE2レセプターはAT2(二型肺胞上皮細胞)中で増えます。●AT2はウイルスの複製と伝播を高めます。●フーリン酵素はSARS-CoV2コロナウイルス(新型コロナウイルス)を活性化します。●新型コロナウイルスはポルフィリン(チトクローム、カタラーゼ、ヘモグロビンなどに含まれる有機化合物)に影響を与えます。●ARDS患者の血清フェリチン値は著しく上昇し、フェリチン(鉄結合性タンパク質の一種)は遊離鉄に結合します。●ビタミンCは酸化第二鉄イオンを第一鉄イオンに転換させ、膜通過の酸化還元酵素に占有的に用いられます。●赤血球細胞は、鉄の酸化・還元のコントロールに占有的にビタミンCを用います。

"The Journal of the American Medical Association"誌によると、ICUに入院しているARDS患者にビタミンC,あるいはプラセボを静注し、ビタミンC群は、プラセボ群に比べて、死亡率、人工呼吸器不要日数、ICU入院日数での有意な改善が認められました。このように、難敵COVID-19とビタミンCの関係に関する研究は、増えつつあります。希望を持ちましょう。

References

Doris Loh. COVID-19,ARDS,Cell-Free Hemoglobin. The Ascorbic Acid Connection. EVOLUTAMENTE. ACQUISTA ORA.March 24,2020

Remedy room. Covid-19, ARDS &cell-free hemoglobin. The Ascorbic Acid Connection. March30,2020

Doris Loh. Furins&Hypoxia-The VitaminC Connection-EvolutaMente.it

VitaminC can kill almost every virus known to mankind. dailyhealthpost.com/June18,2018

VitaminC infusion for the treatment of severe 2019-nCOV infected pneumonia. Clinical Trials. gov

 

 

 

 

 

 


新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策としてのビタミンCの予防・治療効果について 日本ビタミンC研究会

2020-04-06 10:10:21 | 健康・病気

新型コロナウイルスの世界的蔓延は、中世のヨーロッパでのペストの蔓延を思い起こさせます。いろいろ研究がなされていますが、決定的な切り札が見当たりません。

栄養医学のオルソモレキュラー医学サービス(ノーベル賞のポーリング博士が提唱)の報告によると、新型コロナウイルスの世界的蔓延の対策として、ビタミンCの大量投与の早急の、広範囲にわたる使用は、新型コロナウイルス感染を劇的に減少させ、それの蔓延をストップさせる可能性があり、いろんな医師や栄養医学者らは、この10年、ビタミンCの強力な抗ウイルス作用を報告しています。しかし、自然由来のウイルスへのビタミンCの効果は数多く報告されていますが、人工的ウイルスに対するビタミンCの効果はわかっていません。。したがって、人工的ウイルスへの効果は、まったく未知数です。なお、今後の課題として、新型コロナウイルスが、自然由来のウイルスか人工的ウイルスかどうかの研究も、ビタミンCの効果を知る上で重要と考えられます。

次に、ウイルス性疾患を予防したり、それと戦うビタミンCの大量投与の基となる研究は、1940年代に初めて報告され、ポリオ(ウイルス性疾患)に対するビタミンCの効果まで遡ることができます。さらに進んだ研究が、この10年で確立しております。ビタミンCの大量投与による呼吸器疾患を予防したり、治療することは重要ですが、一般的には、なぜかその認識が行きわたっていません。

いろんな研究から言えることは、新型コロナウイルスがヒトを攻撃するとき、体の免疫力と抗酸化作用を最大にすることは、症状を防ぎ、その症状を最小にします。ビタミンCの大量摂取は、そのことを可能にします。Robert F.Cathcart博士は、ビタミンCの大量投与により、治らなかったり、改善されなかったりするインフルエンザはなかったと、報告しています。また、ビタミンCは医薬品と共に投与でき、相互作用はほとんど報告されていません。しかし、ビタミンD3、マグネシウム、亜鉛、セレンなどウイルスに対する予防効果が報告されている栄養素は、ある種の医薬品との相互作用が報告されているので、摂取の際には、医師・薬剤師などこれらに詳しい専門家への相談が必要です。そして、いずれにせよ、ビタミンCを新型コロナウイルス対策に補助的に活用することは重要、と考えます。

なお、博士によると、ビタミンC,ビタミンD3、マグネシウム、亜鉛、セレンなどは、それらが含まれる食品とともに摂取することが、体内での免疫力や抗酸化作用を高めます。ビタミンCは3,000mg/日、ビタミンD3は、最初の2週間は5,000IU/日、それから2,000mg/日まで減量する。マグネシウムは400mg/日(citrate、malate、chelate、chlorideの形で摂取)、亜鉛は20mg/日、セレンは100μg/日摂取する、ただし、年齢に応じて摂取量が違うし、いろんな疾患を抱えている新型コロナウイルス感染患者は、ビタミンC以外、これらの栄養素は禁忌になる可能性があるので、これらに詳しい専門家への相談が必要と考えられます。なお、ビタミンD3の長期の過剰摂取は、不整脈を引き起こすという研究報告もあるので、2,000IU/日以下の摂取に戻すのが賢明です。

References

Gonzalez MJ, et al. High dose vitaminC and influenza:A case report. J Orthomol Med.June,2018,33(3)

Hemila H. VitaminC and infection.Nutrients.9(4),2017

Andrew W.Saul.VitaminC against coronavirus. Orthomolecular Medicine News Service,Jan 26,2020

Cannell JJ, et al. Epidemic influenza and vitaminD. Epidemiol Infect. 134:1129-1140,2006

VitaminC can kill almost every virus known to mankind. dailyhealthpost.com/ June18,2018

VitaminC  infusion for the treatment of severe 2019-nCOV infected pneumonia. Clinical Trials.gov

 

 

 

 

 

 


新型コロナウイルス感染症(COVID-19)へのビタミンC点滴の効果の臨床研究について 日本ビタミンC研究会

2020-04-01 14:05:44 | 健康・病気

新型コロナウイルスの感染が世界中に広がりつつあり、深刻な状況になっています。ニューヨークポスト誌によると、ノースウエルヘルス施設の医療チームは、新型コロナウイルス感染患者に、直ちに、1,500mg/回のビタミンCを3-4回/日、静脈内投与(点滴)しています。そこの医療スタッフのDr,Andrew Weber博士らは、抗マラリア薬のhydroxychroxychloroquine、抗生物質のazithromycin、各種生物製剤、それに血液抗凝固剤等に加えて、上記、ビタミンCを点滴しました。

ビタミンCを点滴した新型コロナウイルス感染患者は、その点滴を受けなかった患者より著しく症状が改善しました。そして、ビタミンCは大変な価値をもたらしましたが、平凡な栄養素なので注目されていません。しかし、最近の研究では、ビタミンCは集中治療室に入院する期間を短縮さすことがわかり、注目されています。

フィンランドとオーストラリアの研究者らは、再調査を実施し、1766名の新型コロナウイルス感染患者での12回の試行において、ビタミンC点滴は、集中治療室での入院期間を平均7.8%程短縮することを発見しました。また、6回の試行において、経口によるビタミンC投与(1-3g/日、平均2.0g/日)では、集中治療室に入院する新型コロナウイルス感染患者は、その入院期間が8.6%程短縮しました。

3回の試行において、24時間以上、人工呼吸器を必要とした新型コロナウイルス感染患者において、ビタミンC点滴は、18.2%ほど人工呼吸器を付けている時間を短縮させました。

Dr, Weber博士によると、新型コロナウイルス感染患者のビタミンC値は、体が感染で過剰反応を示す時もたらされる炎症反応である敗血症に罹ると、急激に低下します。したがって、新型コロナウイルス感染患者は、血中ビタミンC値をいつも飽和させておくことが重要、と考えられます。なお、このウイルスが自然由来のウイルスか人工的ウイルスかによっても作用に差が出るものと考えられますが、新型コロナウイルスが、自然由来のウイルスか人工的ウイルスかどうかもわかっていないので、その研究とともに、人工的ウイルスへのビタミンCの作用の研究も今後の課題です。

References

Lovena Mongelli and Brwce Golding. New York hospitals treating coronavirus patients with vitaminC. NEW YORK POST. March 24, 2020

Will Chu. Hospital turns to high-dose vitaminC to fight coronavirus. NUTRA ingredients. com.26-Mar-2020

KarinaLichtenstein. Can vitaminC prevent and treat coronavirus? MedicineNet. Health News. 03/09/2020

VitaminC can kill almost every virus known to mankind. dailyhealthpost.com/ June 18,2019

vitaminC infusion for the treatment of severe 2019-nCOV infected pneumonia. Clinical Trials.gov