医科栄養学・栄養医学ブログ

医学部で医科栄養学を学んだ経験と最新の栄養医学をこのブログに反映したいと、考えています。

COVID-19や新型コロナウイルス感染症ワクチン(mRNACOVID-19ワクチン)と帯状疱疹の関係について 日本ビタミンC研究会 

2022-11-29 12:00:00 | 健康・病気

COVID-19(新型コロナウイルス感染症)に感染した人々で帯状疱疹を発症する人が、高齢者や免疫異常の人に増えている、と多くの医師の報告もあります。また、予防のためにCOVID-19ワクチンを何度か摂取した人で帯状疱疹を発症し、帯状疱疹後神経痛の疼痛で苦しんでいる人もいる、と報告されています。

CSvann DamやEdward Eid博士によると、新型コロナ感染症患者が帯状疱疹に罹りやすいその原因として、高齢で免疫機能に問題をもっている人が運悪くCOVID-19に感染すると、免疫調整に変化が起り、体内に潜伏している帯状疱疹ウイルスの活性化を引き起こしている可能性がある、との報告もあります。また、予防のために新型コロナウイルス感染症ワクチンを何度か摂取した人でも、そのワクチンにより、一時的に新型コロナウイルス感染症に似た状況が生じ、新型コロナウイルス感染症同様、免疫細胞やその働きにダメージを与える可能性がある、との報告があります。

ライプチヒ大学とバージニア大学の共同研究によると、109万人の追跡調査を行い、新型コロナ感染症ワクチンを接種した人は、そうでない人に比べて、帯状疱疹発症リスクが1.8倍も高い状態でした。新型コロナウイルスワクチン接種後に水疱瘡・帯状疱疹ウイルスが再活性化して、帯状疱疹を発症させる、と考えられます。しかしながら、新型コロナ感染症ワクチン接種のメリットが、帯状疱疹を発症しやすくするデメリットを上回る、と研究者らは述べています。更なる研究の積み重ねが待たれます。

 

References

CSvan Dam,et al. Herpes Zoster after COVID-19 vaccination.  Pub Med . Epub2021 Aug21.

Edward Eid, et al. Herpes zoster emergence following mRNA COVID-19 vaccine. J Med Virol. 2021 Sep;93(9):5231-5232

Idora AKpandok, et al. Assesment of herpes zoster risk among recipient of COVID-19 vaccine. JAMA Nov16,2022

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内外でのガンへのビタミンC点滴療法の効果について その二 日本ビタミンC研究会 

2022-11-13 10:44:11 | 健康・病気

ガンへのビタミンC療法については、以前から外国では数多く報告されています。今回は日本での症例について報告します。あるクリニックでの症例では、1982年2月、子宮絨毛癌と診断され、ガンが肺にも転移し、余命6ヶ月と診断され、直ちに抗がん剤の治療を受けるが、その抗がん剤の強い副作用に耐えられなくて、中止しました。

そこで、いろいろな情報の基に、ビタミンC点滴療法と栄養補助療法、および温熱療法を実施しているクリニックを知り、そこで、説明の後、これらの治療を受けることにしました。そして、その年の4月ビタミンC点滴(30g/日から50g/日まで)と温熱療法(ハイパーサーミア)、それに抗がん剤も併用した治療を開始しました。ちなみに、ビタミンC点滴は自由診療なので少し高価でしたが、受けました。さらに、栄養補助療法では、低カロリーかつ塩分、動物性脂肪分の少ない食事、ニンジンジュース(ベータカロテンを含む)なども摂取し、食事を今までの加工食品・精製食品中心から、五分づき米、有機野菜、豆、海藻などを中心の食事に変え、獣肉、白パン、砂糖、化学調味料、それにトランス脂肪酸を含むマーガリン、加工油脂などは出来るだけ控えました。

その結果、1983年になり体調も良くなりました。しかし、これらの補助療法を中止すると、肺に転移していたガンが動き始めました。そこで、またこれらの補助療法を再開すると、体調が良くなり、この年の10月が過ぎ、翌年の1984年5月に無事退院しました。そして、経口によるビタミンC、A、天然型ビタミンEの摂取、食事療法、遠赤外線サウナなどによる治療を続け、2009年現在、体調も良く、QOL(生活の質)の改善が持続しています。なお、近年、患者への負担の少ない温熱療法の機器が開発された、と報告されています。また、最近はMRIや超音波検査、大腸内視鏡などが発明され、ガンの早期発見に活躍しています。そして、二人に一人はなると言われているガンは、人事でないように思います。

References

VitaminC can cure cancer growth, say new researchers. Earth Times. 26 Jul 2010

VitaminC may prevent stomach cancer:food navigator com.06-Aug-2003

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食事性肥満へのアデポネクチン値、グルコース耐性、インスリン感受性へのナイアシンの影響について 栄養医学ブログ 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2022-11-10 11:08:19 | 健康・病気

食事性肥満時でのナイアシンのアデポネクチン値、グルコース耐性、それにインスリン感受性などへの影響については、研究が長い間されておらず、されていても少ないようです。しかし、ナイアシンは、体内の代謝系で重要な役割をなしており、血中脂肪値を下げ、GPR109Aを介してアデポネクチン分泌を刺激するなど新しい発見も報告されています。

Ayodele Olufemi Morakinyo博士らの研究によると、ナイアシンは、高脂肪食投与マウスでのアデポネクチン値を高め、脂肪組織の炎症を低下させ、そのナイアシン投与マウス群でのグルコース曲線の明らかな低下が見られ、時間経過を追ったグルコースコントロールとインスリン感受性の改善が認められました。また、コレステロール、中性脂肪、LDLコレステロールの血清値は、肥満ラット群に比べて、ナイアシン投与グループではコントロール値まで回復しました。

Desiree Wanders博士らの研究によると、マウスの肥満による脂肪組織の炎症を、ナイアシンを含む餌を与えると、アデポネクチンと抗炎症サイトカインが増え、炎症促進サイトカインがナイアシン受容体ー依存様式で減少した、と報告されています。

これらの結果から、ナイアシンは肥満状態での脂肪量、グルコース耐性、インスリン感受性、血清脂質、それにアデポネクチン値を改善さすことが示唆され、ラットやマウスだけでなく、ヒトでも同様の結果が考えられ、その研究が待たれます。また、ナイアシンは、GPR109A受容体を介してアデポネクチン分泌を刺激し、腸内の酪酸と共に、全身の代謝機能を改善し、インスリン感受性を保ち、メタボリック症候群や2型糖尿病を改善さす可能性が報告されています。更なる研究が待たれます。

References

Ayodele olufemi Morakinyo, et al. Niacin improves adiponectin secretion, glucose tolerance and insulin sensitivity in diet-induced obese rats. Mansoure University. 2015.08.03

Desiree Wanders, et al. Niacin increases adiponectin and decreases adipose tissue inflammation in high fat diet-fed mice.PLOS|one.August13,2013

Plaisance EP, et al. Niacin stimulates adiponectin secretion through the GPR109A. Am JPhysiol Endocrinol Metab. 2009 Mar;296(3)

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