ビタミンC点滴療法の中心、米国では数多くの医師が、ガン患者のquality of life、延命効果、化学療法剤の副作用の軽減、抗ガン剤の効果を高めるため、ビタミンC点滴療法を治療に用いております。その症例を考察することにより、いろいろヒントが得られると考えます。
リンパ肉腫の症例C
サンジェゴのサッコマン医師は1971年以来、ガンの治療にビタミンCを用い、満足いく結果を得ているが、以前、化学療法を受けたガン患者には満足いく結果を得ていません。それは、ビタミンC療法を行っても、サッコマン医師によると反応しないようです。また、ビタミンC(VC)と化学療法を併用した小数のガン患者では、化学療法剤の副作用に対し、正常細胞を守るようです。
ビタミンCは強力な解毒剤でもあります。化学療法剤とビタミンCを併用した5名のガン患者は、未だに生存しています。彼らはフェーズ4のリンパ肉腫です。生検でも証明されました。彼らは1g/kgのビタミンCとビタミンCナトリウムの混合末を用い、夜間は持続型ビタミンC錠を用いました。500mlの乳酸リンゲル液に30gを混注し、約3時間点滴をしました。それを10日から20日程、毎日行い、それから経口投与に変更しました。テタニー症状は認められませんでした。
肺癌の症例D
56歳の肺癌の女性が5月に来院し、昨年の11月まで別の病院で化学療法を行っていましたが、ガンが悪化したので、それを中止し、昨年12月13日にサッコマンのクリニックに来院し、すぐにビタミンC大量点滴療法を開始しましたが、吐き気を催したので、5g/日、一日2回の投与に減らし、3~4日続けました。そして経口投与に変更し、現在は、48g/日のVC点滴を継続しています。体調が良くなり、気分も良くなり、元気になりました。ビタミンC対ビタミンCナトリウムの比は、1対1の割合にした混合物を用い、改善を認めています。pHは約6です。それを多くのガン患者に用いたが、それに耐えれるようです。経口摂取でそれらを野菜ジュースや果物ジュースに入れ、飲んでいます。また、持続型ビタミンCを夜間に用い、体内のビタミンC濃度が下がらないようにしています。ビタミンA(VA)を15万国際単位、VCと併用したが、髪が抜けたりする副作用は出ませんし、VAの併用は、ガンには有益なようです。
サッコマン医師は、68名のガン患者にビタミンC大量療法を実施し、31名が生存しています。25名は死亡しました。12名はクリニックに来なくなったので、状況が不明です。また、VCは腎臓ガンにも著効し、オート細胞ガン、リンパ腫、リンパ肉腫などいろんなガンにも有効でした。オート細胞ガンの少女は、ビタミンC大量療法により生存し、元気なようです。
サッコマン医師は、毎日、VCの点滴を行っていたので、効果が得られたのだと考えますが、患者にとって、それは経済的には大変な事だと思います。米国で自分のガンに100g/日ほどのVC点滴を毎日行い、生還した医師がいますが、一般庶民にとって、それは効果が著明であっても、悲しいことですが、経済的に破綻をきたす可能性が大です。何とか良い解決をしたい問題です。良い解決がガン患者の方々の福音に繋がります。
Reference
H.L.Newbold: VitaminC and against Cancer. Stein and Day / Publishers. September,1979
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