医科栄養学・栄養医学ブログ

医学部で医科栄養学を学んだ経験と最新の栄養医学をこのブログに反映したいと、考えています。

ガン予防と野菜、果物の関係について 栄養医学ブログ 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2024-07-05 11:03:55 | 健康・病気
日本では人口の高齢化や食生活の変化でガンが増加し、生涯で2人に1人がガンを発症すると、報告されています。このことと関係して、昔は農業社会だったので、現代の工業社会に比べて、野菜や豆類、果物を多く摂取していたので、ビタミンや食物線維を多く摂取しており、ガンの予防に繋がったと、疫学的調査では報告されています。

K  A  Steinmetz博士によると、野菜と果物の摂取とガンのリスクの関係は、206編のヒトでの疫学的研究と22編の動物での研究が報告され、より多くの野菜と果物の摂取は、胃、食道、肺、口腔、それに咽頭、子宮内膜、膵臓、結腸のそれぞれのガンに対し予防効果のエビデンスがあります。最もガン予防効果のある野菜と果物は、ネギ科野菜、ニンジン、緑色野菜、アブラナ科野菜、それにトマトなどの生野菜で、ガン予防効果の可能性のある野菜と果物に存在する物質とそれらのメカニズムは詳しく調べられ、これらはジチオールチオネ、イソチオシアネイト、インドール-3-カルビノール、アリウム化合物、イソフラボン、プロテアーゼ阻害物質、サポニン、植物性ステロール、イノシトール6リン酸、ルチン、葉酸、ビタミンC、ビタミンD、D-リモネン、βカロテン、リコピン、セレン、ビタミンE、フラボノイド、それに食物線維などです。

米国での野菜と果物の現在の平均摂取は、1日あたり3.4回で、野菜と果物の摂取を増やすことは、ガンにならないことと関連し、心臓血管系疾患、2型糖尿病、脳卒中、肥満、憩室症、それに白内障などの対策に対しても有益です。これらに関しては、食と医学の関係に詳しい管理栄養士に相談できます。

References
K A Steinmetz. Vegetable, fruit, and cancer prevention. J Am Diet Assoc. 1996 Oct;96(10):1029-39
G Block. Fruit, vegetable,and cancer prevention. Nutr cancer.1992;18(1):1-29
Foods to lower your cancer risk .healthline
Fruit and vegetables and cancer risk. CancerCouncil