ガンのビタミンC療法は、長年にわたって大変多くの基礎研究があり、臨床研究も増えています。特に、Pauling博士とCameron博士の共同研究が有名ですが、それ以前に、その元となる基礎研究は、Stone博士、ケーダN プラサド博士、M,Eポイドイック博士、レント博士、サッコマン博士、Thomas G博士、クルザコスキーM博士、サムエルD博士、ヘンリーC リコー博士、ウエルナーB博士,それに山口博士など多くの研究者が、ビタミンCのガンへの効果を研究し、報告しています。
また、Pauling博士らの報告からしばらくして、リオルダン博士らは、ガンのビタミンC療法の臨床研究を実施し、ビタミンcの点滴(50g/回、あるいは70g/回)が実施され、その結果、ガン患者のビタミンC血漿濃度を高め、ガン患者のガン細胞やガン幹細胞を生存しにくくさせると、報告しています。また、ガン独特の倦怠感、気分の落ち込み、痛みなどを改善し、延命効果、炎症指数の改善なども報告しています。さらに、CRP(炎症指数)も報告しています。
リオルダンクリニックの臨床研究によると、C-反応性蛋白質(CRP、腫瘍マーカー)は、ガン患者45名のうち15名で上昇が認められ、炎症がガン患者で広く認められます。また、CRP値の上昇は悲惨な予後を暗示しています。博士によると、ビタミンC点滴開始前のCRP値が10mg/Lより高い亜人口群(ガン患者の被験者の76±13%)でのビタミンC点滴では、CRP値が下がり、改善が認められました。また、ガン患者のCRP値の上昇が28名から14名に減少しました。
ビタミンC点滴の期間中、CRP値の低下は腫瘍マーカーの低下と相互関係があることが分り、血漿CRP値が前立腺ガン患者の血清PSA値と強い相互関係があることが、他の研究でもわかり、この研究結果と一致しています。さらに、この研究において、前立腺の感染と炎症は、前立腺の特異的血清抗原値を高める可能性があります。また、血漿CRP値の測定は、血清PSA値の上昇を伴う前立腺ガン患者のガンが良性か悪性か区別するのに役立つ可能性があります。
References
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