米国では、ガンに対するビタミンC点滴療法が盛んに実施され、その症例も飛躍的に増加しています。ここでは、Padayatty博士らの臨床研究による、それらの代表的症例のポイントを紹介したいと、考えています。
B-細胞リンパ腫の症例
66歳の女性で、腸腰筋の左側脊髄内の大きい塊(L4-5レベル)の浸潤が認められ、後側脊髄と骨へ浸潤して、頭蓋尾の中に横切った3.5~7cmの塊と11cmの塊が映し出されました。しかし、胸部放射線撮影の結果は正常で、生検によると、散在性の大きいB-細胞リンパ腫でした。
1コース5週の局部放射線照射療法とビタミンC点滴療法が実施され、2ケ月間、週2度、15g/回のビタミンCの点滴を受け、続いて7ケ月間、週1~2回、15g/回のビタミンCの点滴を受け、続いて、約1年間、2~3ケ月ごとに一度、15g/回のビタミンCの点滴を受けました。もちろん、併用して抗酸化栄養素などを摂取しました。このビタミンC点滴のスタートは、放射線療法と共に実施し、1995年1月中旬でした。この時、左腋下のリンパ節の腫れは直径1cm、右腋下リンパ節の腫れは触診でき、1995年2月初旬、左右腋下のリンパ節は触診できるままでした。直径1cmの新しく発見された左頸部リンパ節の腫れと1cmより大きい左鎖骨のリンパ節の腫れは、検査でも明らかで、ビタミンCの点滴は継続されました。3週間後、鎖骨と頸部のリンパ節の腫れは、もはや触診できず、左腋下リンパ節の腫れはすでに消え、右腋下リンパ節の腫れは、大きさが1cm以下に縮小していました。1995年3月中旬には、頸部リンパ腺腫と触診できる腋下リンパ腺腫は認められませんでした。1995年4月下旬、左腋下のリンパ節の腫れが認められ、組織病理検査では、原発性ガンと同じでした。その後、リンパ腫は腫れが減り、触診できなくなっていました。
ビタミンCの点滴は、1996年12月後半まで継続し、健康状態は良くなり、リンパ腫の症状も認められなくなりました。そして、大きい広汎性B-細胞リンパ腫の診断後10年間、健康状態は良好で、化学療法は本人の意思で受けていませんでした。ビタミンCの点滴以外に抗酸化栄養サプリメントとして、βーカロテン、バイオフラボノイド、コンドロイチン硫酸、Q10、デハイドロエビアンドロステロン、マルチビタミン、N-アセチルシステイン、植物性サプリメント、ビスマス錠を併用摂取しました。この寛解例は参考になり、患者に希望を与えるものです。
Reference
Sebastian J. Padayatty, et al: intravenously administered vitaminC as cancerf therapy , three cases. CMAJ 2006; 174(7):937-42