医科栄養学・栄養医学ブログ

医学部で医科栄養学を学んだ経験と最新の栄養医学をこのブログに反映したいと、考えています。

肺ガンマウスに対するMgイオンとCaイオン混合物、およびビタミンCの効果について 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2014-01-31 13:50:06 | 健康・病気

アリソン博士とフェルル博士は、リンパ球のガン細胞破壊作用を研究し、MgイオンとCaイオンが免疫能を高め、ガン細胞を破壊することを報告しています。そこで、トーマス博士らは、乳がんマウスの飲料水にMgイオンとCaイオンを入れ、ガン細胞の増殖と生存時間を測定しました。

5~6週令のC3H/HEJマウスを用い、飲料水にCaグルセプテイト、硫酸MgおよびビタミンC錠をそれぞれ、0.36mg/ml, 2.0mg/ml, 1.0mg/mlの濃度で入れ、投与し続けました。標準食を与えてから2週間後、そのマウスの肺がんの切片を奪管針で接種し、生存時間とガンの大きさを統計学的に処理・分析しました。

結果は対照に比べ、MgイオンとCaイオンの混合群、ビタミンC群とも延命効果が認められ、ガンの大きさは対照に比べ、MgイオンとCaイオンの混合群、ビタミンC群とも縮小が認められませんでした。MgイオンとCaイオンの混合物の大量投与は、リンパ球とガン細胞をしっかりと結び付け、免疫能を高めるのに必要で、ミネラル栄養サプリメントなどで体内貯留を高めておくことは重要ですが、糖尿病などで腎臓が悪いガン患者などは、ミネラルの大量摂取は禁忌です。なお、現在、ガンのビタミンC点滴療法では、MgイオンとCaイオンの混合物(マイヤーズカクテル)の混注も実施されているようです。

しかしながらビタミンCの投与量はPauling博士らの大量投与(10g/日)より、はるかに少ないですが、マウスのガンに対してもビタミンCを補給することは、いくらかメリットがあるようです。カルダン博士とグ―スイ博士らは、壊血病のモルモットにビタミンCを投与すると、著しく長い生存時間を示すことを発見し、ビタミンCが免疫能を高め、ガン細胞に作用する可能性が強いことを、示しています。しかし、ビタミンCのガン幹細胞自壊作用は、実験的に証明されていませんが、これを証明する研究がひそかに行われているという、情報を得ています。

Reference

G.Thomas et al: Journal of Surgical Research . Volume27, November 1979

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