医科栄養学・栄養医学ブログ

医学部で医科栄養学を学んだ経験と最新の栄養医学をこのブログに反映したいと、考えています。

高脂血症対策とビタミンCの効果について 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2014-03-31 22:09:59 | 健康・病気

フィダンツァ博士によると、ビタミンCの大量投与は、血漿中性脂肪値、LDL-コレステロール値の低下をもたらし、コレステロールの異化を刺激します。ジンタ―博士によると、最適のビタミンC摂取は、高脂血症によるアテローム性動脈硬化症のコントロールに有益です。ジオリー博士は、慢性腎疾患と重度の高脂血症を併発した透析患者に、ビタミンCを一日三回、一回1gを経口投与し、中性脂肪の著しい低下を確認しています。

ビタミンCは、総コレステロール値を下げる、有効な治療法であることが証明されていますが、疫学的研究では、LDL-コレステロール値とHDL-コレステロール値は、冠状動脈性心臓疾患のリスクの前兆を調べる検査法です。

Lombard大学のMarc P.McRae博士の研究によると、1970年と2007年の無作為対照試験は、メドラインと自分達による調査で実施されました。13件の研究から、3週間と24週間、少なくとも500mg/日のビタミンCを摂取した、高脂血症である14の別々のグループの人口群では、メタ分析が始められました。LdL-コレステロール値、HDL-コレステロール値に及ぼすビタミンCの効果の評価は、それぞぞ、-7.9mg/dL, 1.1mg/dLでした。中性脂肪値では、-20.1mg/dLでした。これらの結果から、ビタミンCの大量投与は、特に中性脂肪値を下げる働きが強いようです。

また、少なくとも4週間、ビタミンCを500mg/日、摂取すると、血清LDL-コレステロール値、中性脂肪値の著しい低下がもたらされます。しかし、血清HDL-コレステロール値の著しい上昇は見られなかったようです。これらの結果から、ビタミンCに加えて、ビタミン・ミネラル療法、食事療法、運動療法、ポリフェノール療法、それにショウガ療法の併用も、これらの改善に必要、と考えられます。

References

Marc P. McRae:VitaminC supplementation lowers serum low-density lipoprotein cholesterol and triglycerides: a meta-analysis of 13 randomized controlled trials. J Chiropr Med. Jun 2008; 7(2): 48-58

藤井毅彦:ガンを予防し、治すビタミンC療法.日本ビタミンC研究会、1982年

 

 


糖尿病でのショウガのアルファーグルコシラ―ゼ阻害作用、アルファーアミラーゼ阻害作用とインスリン感受性 栄養医学ブログ

2014-03-30 21:15:48 | 健康・病気

二型糖尿病のヘモグロビンA1cの改善や合併症の予防は、食事療法、運動療法、ビタミン・ミネラル療法(抗酸化栄養素療法)、酵素療法、プロバイオティクス療法などの併用で、改善が見られますが、以前からショウガ療法が注目されていますので、それを併用することにより、更に改善が見られることを、当方は小数の二型糖尿病患者で確認していますが、症例が増えることが、より信頼性につながると考えています。なお、これらは追試が必要です。

Tabriz大学の最近の研究によると、ショウガは、ニ型糖尿病患者のインスリン感受性を高めます。また、二型糖尿病は、血糖調整ホルモンのインスリンが適切に反応を行わない時、発症します。無作為ニ重盲検テストでは、64名の二型糖尿病患者を無作為に振り分け、プラセボ、もしくは2g/日のショウガを、2ケ月間、摂取してもらいました。試験の終わりにショウガを摂取した患者は、インスリン感受性がより高まり、インスリン値、LDL-コレステロール値、中性脂肪値が著しく低下しました。この発見は、ショウガが二型糖尿病の二次性合併症を減らすのに有益であるに違いないと、Tabriz大学の研究者らは結論づけています。

2012年のSydney大学の研究によると、ショウガ抽出物は、インスリンとは関係なく、グルコースの細胞での吸収を促進します。Basil Roufogalis博士によると、このことは、長期糖尿病患者の合併症をもたらす高血糖値の管理に役立ちます。

ショウガの薬効に関係ある化学物質はジンゲロールで、漢方では、昔から経験的にショウガを予防・治療に用いていましたが、その薬効成分の同定は、当時、不可能でした。ジンゲロールは、GLUT4として知られている蛋白質を、体内で広く行き渡らせる作用があります。ちなみに、GLUT4は、骨格筋へのグルコースの取り込みを刺激します。GLUT4の不足は、ニ型糖尿病のインスリン感受性不全と高血糖の主たる原因です。骨格筋は体内でのグルコースクリアランスの主たる部位です。

2011年の"the International Journal of Food Science and Nutrition"誌によると、ショウガはαーglucosidaseとαーamylaseの作用を阻害します。ちなみに、αーglucosidaseとαーamylaseは、糖尿病と炎症酵素cycloxygenase活性の原因の一つです。なお、炎症は、糖尿病を含む、多くの慢性健康障害と結び付いています。

2009年の"the European Journal of Pharmacology"誌によると、ショウガ抽出物は、血中インスリン値を10%ほど適度に下げ、35%ほど血糖値を適度に下げました。この作用は、インスリン阻害のセロトニン受容体とショウガの相互作用によりもたらされます。

2009年の"Basic Clinical Pharmacology and Toxicology"誌によると、糖尿病、心臓血管病、ガンのリスク因子であるメタボリック症候群の進行に対し、ショウガは防御作用の一つとなることが、確認されました。また、ショウガには抗炎症作用があります。このようにショウガは、いろんな薬効が有り、しかも大変安全性が高い食物なので、中高年の人は、ビタミンCを多く含む野菜・果物・豆などと共に、日常の食生活に導入してほしい、と思います。

References

Ginger for type2 diabetes: This power herb is scientifically proven to increase insulin sensitivity.NATURAL NEWS.June 27,2013

Ginger and Diabetes: Diabetes.co .uK.

Ginger improves digestion : benefits for Type2 Diabetes. BASTYR CENTER for NATURAL HEALTH

筆者の栄養医学ブログは、ブログアドレスblog.goo.ne.jp/h35p39で発信しています。

 


肝臓病対策とビタミンDの効果について 栄養医学ブログ 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2014-03-29 15:04:07 | 健康・病気

アルコール、喫煙、ウイルス、食品添加物、残留農薬、それに栄養摂取のアンバランスなどの影響で、肝臓はいつも悲鳴をあげていますが、沈黙の臓器といわれるので、肝臓病は症状がなかなか出ず、検診で発見されることが多いようです。今回は、その肝臓病に対し、ビタミンDの不足が関係していることが、研究により明らかになったので、その事について考えていきたい、と思います。

肝臓は、カルシオディオールとして知られている25-OHビタミンDを産生します。肝臓不全の患者では、25-OHビタミンD値が合成障害により低いようです。しかしながら、肝機能は、この合成障害に対し、うまく対応される必要があります。また、肝臓病では、ビタミンDの吸収障害がもたらされます。そのことは、胆汁酸の産生障害や、あるいは門脈圧の亢進と関係のある胃腸管の浮腫と結び付いている可能性が有ります。

低ビタミンD値と骨の病気は、"胆汁うっ滞性"の肝臓病の、よく知られた合併症です。その合併症は、胆汁の産生、もしくは流れを減少させます。ごく最近、"非胆汁うっ滞性"の肝臓病での低ビタミンD値が確認されています。

ビタミンDの欠乏は、肝臓障害のない患者でも見られました。米国の研究では、肝臓病患者の92.4%が、ある程度ビタミンD欠乏症でした。なお、ビタミンDは魚などの肝臓に多く含まれ、肝油として栄養サプリメントで販売されていますが、脂溶性なので蓄積しやすく、過剰摂取は禁忌です。

2007年の"The New England Journal of Medicine"誌によると、ビタミンDと関係のある、いくらかの健康上の利点が指摘されています。ごく最近、ビタミンDは、ニ型糖尿病、心臓血管病、ガン、それに自己免疫疾患と感染症を含む、多くの慢性疾患のリスクの減少に、重要な役割を演ずることが明らかになりました。これらの作用は、カルシトリオ―ルの局所的産生と細胞の増殖、分化、アポトーシス、インスリン分泌、インターロイキン、それに殺菌素蛋白質産生に及ぼし、自己分泌作用とパラクイン作用に対しては、二次的(副次的)である可能性が有ります。

ある種の肝臓病は骨粗しょう症と関係があります。ビタミンD欠乏は、潜在的に骨粗しょう症を促進させます。過去に肝臓移植を受けた多くの患者は、骨の減少を促進する傾向があり、そのことは、ビタミンD欠乏により更に悪化します。危険値にある低ビタミンD値は、筋肉の痛みなど、ウイルス性肝炎のインターフェロン療法の副作用を強くする可能性があります。また、ビタミンD欠乏を伴ったC型肝炎患者が、インターフェロン療法に十分反応しないという報告も有ります。

最近の"Hepatology"誌によると、遺伝子1型のC型肝炎の患者での低ビタミンD値と重度の線維症との関連が見られました。ビタミンD欠乏患者は、インターフェロンへの反応が低いことがわかりました。また、低25-OHビタミンD値は、非アルコール性脂肪肝で重度の組織学的変化を伴っているという、報告がいくらかあります。このように、ビタミンDと肝臓の関係が、研究により明らかになり、その重要性が再認識されつつあります。そして、最近では、ガン対策としてのビタミンD療法が注目され、研究が加速されています。

References

Satheesh Nair et al: Vitamind deficiency and liver disease.Gastoroenterology &Hepatology. Aug 2010

Holick MF : VitaminD deficiency. N Engl J Med. 2007; 357:266-281

Holick MF: VitaminD status.Ann Epidemiol.2009;19:73-78

 

 


ショウガとビタミンCの併用による抗ガン作用について 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2014-03-27 22:32:35 | 健康・病気

ショウガは抗ガン作用を有する食品の中でトップに位置しており、抗ガン食品のターメリックと
同じ仲間です。そして、驚いたことに、多くの抗ガン薬より、もっと効果がある、と報告されていますが、それに反して、抗ガン薬は、患者の死期を早めることが、臨床で報告されています。しかし、ウイルス性のガンには、抗ウイルス剤とビタミンCの点滴の併用が必要、と考えられます。

米国南部のジョ―ジア州立大学の研究によると、ショウガ抽出物は、マウスでは56%だけ前立腺がんの大きさを縮小さすことが、明らかになりました。ショウガは炎症を減らし、生命の質を高めるだけでなく、抗ガン活性が観察されました。

米国の臨床研究によると、抗ガン薬は、永久にガンを縮小さすのに有効でなく、ガンを大きくさせたり、ガン患者の死期を早めます。そして、特に、抗ガン薬の投与によりガンは転移し、元の大きさより大きくなり、強力になり、更に、転移は攻撃的になります。

Beth博士によると、抗ガン薬は多くの患者に死の宣告以外、少しも効果がない、と述べています。Ragha Kalluri 博士によると、ガンに対し、処置が何であれ、転移するべく腫瘍の数を増やす処置を医師はやりかねません。

一方、ショウガはほとんど副作用がなく、大きい腫瘍を作る代わりに、ショウガ抽出物は、前立腺ガン細胞のスペクトラムにおいて、著しい生長阻害作用と死誘導作用をもたらすことが、証明されています。従って、日常の食生活にショウガを取り入れることは、重要です。

17件以上の研究では、ショウガは101以上の疾患に対し、正のインパクトを与えることが報告されています。そして、このような研究結果から、これから更にショウガの抗ガン作用の報告が増えることを期待しています。なお、ショウガ療法とビタミンC療法、抗酸化栄養素療法の併用が、ガンの予防・寛解に効果的と考えます。

References

Ginger destroys cancer more effectively than death-linnked cancer drugs: Healthy Life. June13,2013

Ginger treats cancer, brain inflammation, radiation, Staph &Much More!. Gaia He...Oct 26,2012

Clark Kent: ginger root kill cancer. HANG THE DANKERS.29 Cct 2013

 


糖尿病による脂質異常症の栄養療法について 栄養医学ブログ 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2014-03-27 19:30:58 | 健康・病気

糖尿病による脂質異常症では、LDL-コレステロール値の改善が、特に難しく、総合的栄養対策が求められています。一般的には、LDL-コレステロールの上昇した脂質異常症患者は、飽和脂肪酸が7%より低く、かつコレステロール値が200mgより低い食品の摂取が推奨されています。

大豆製品、水溶性食物繊維の多い食品、それに野菜などの機能性食品の導入は、それらの脂質異常症に対し更なる利点をもたらします。

肥満した高中性脂肪血症の患者は体重を減らすことと運動に加えて、低脂肪食よりは、オメガー3系統の脂質と精製度の低い炭水化物の適度の食事が効果が有ると報告されています。

モノ不飽和脂肪酸とオメガ―3不飽和脂肪酸は、血清中性脂肪酸を低下させる効果が報告されています。

血清脂質を最適化する食事戦略の多くは、糖尿病患者の糖のコントロールに役立ちます。また、薄味の和食を中心にして、欧米食を減らしていくことも重要です。更なる研究を期待しています。

References

Nutrition therapy for dyslipidemia: Springer Link. October 2003

Van Rompay MI et al: Carbohydrate nutrition differs by diabetes status and is associated
with dyslipidemia in Boston Puerto Rican adults without diabetes. J Nutr.2013 Feb