COPDと慢性気管支炎に苦しめられている高齢者は多いと報告されています。Mario Cazzola博士らが実施したメタ分析による有望なエビデンスによると、NAC療法は、慢性気管支炎やCOPDの悪化の予防とNACの低容量(500mg/日以下)と高用量(600mg/日より多い)の間の相違の評価において、有益である可能性があります。現在のメタ分析では、NAC療法の患者は、慢性気管支炎やCOPDの悪化は、矛盾なく、はっきりと認められませんでした。
気道の障害のない患者において、NACの防御効果はもっと著明でした。しかし、NAC(N-アセチルシステイン)の高投与量では、スピロメーター基準を用いて診断された患者ではやはり有効でした。NACは耐性があり、副作用のリスクは、用量依存では認められませんでした。患者が慢性気管支炎を患い、気道障害がない場合、600mg/日の通常療法は十分な投与量のようです。
Anna M Sadowska博士らによると、NACは、COPDなど慢性閉塞性肺疾患の制御において、酸化ストレスと炎症に作用することにより、粘液(ムチン)の発現に影響し、粘液溶解因子としての役割を演ずる可能性があります。これらの研究からNACは、上記疾患の有望な助っ人になる可能性があります。更なる研究が待たれます。
References
Mario Cazzola,et al. Influence of N-acetylcysteine on chronic bronchitis or COPD excerbations. European Respiratory review. 2-15,24:451-461
N-acetylcysteine for patients with COPD and chronic bronclitis. Clinical Trials. gov
Sadowska Au. Antioxidant and anti-inflammatory efficacy of NAC in the treatment of COPD. Pulm Pharmacol Ther. 2007; 20(1):9-22
Anna M Sadowska, et al. NAC NAC mucolysis in the management of chronic obstructive pulmonary disease. Ther Adv Respir Dis. 2012 June ; 6(3):127-35