医科栄養学・栄養医学ブログ

医学部で医科栄養学を学んだ経験と最新の栄養医学をこのブログに反映したいと、考えています。

癌対策とニンニクや玉ねぎ成分のグルタチオンの効果について 栄養医学ブログ 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2014-10-27 19:49:52 | 健康・病気

今まで、ガン対策について、専門の栄養医学的対策をこのブログにアップロードしてきました。今回は硫黄を含む化合物の作用について考えていきたいと、思います。

硫黄を含むグルタチオンは、体内でもっとも重要な抗酸化栄養素で、玉ねぎやニンニクに含まれる硫黄とセレ二ウムが、癌からヒトを守ってくれるため、出会う場所となっています。ヒトの免疫システムは、硫黄とセレ二ウムなしでは適切に機能しません。また、ビタミンCとビタミンEのような抗酸化栄養素は、体内で適切に機能するため、グルタチオンに依存しています。

グルタチオンとガンの結び付きは、十分証明されています。がん患者、いろんな慢性疾患患者、エイズ患者、それに60以上のその他の疾患患者は、体内グルタチオン値が減少しています。我々の環境では、グルタチオンは、多くの、良く知られた癌を発症さす物質と細胞にダメージを与える物質の解毒において、特有の働きをします。日本国での研究によると、DMSO(硫黄を含む)の体内での低濃度でさえ、DNAニ重鎖の切断の修復の促進により、放射線防御作用を有することがわかり、体の全細胞レベルでの放射線によるダメージに対し、防御作用をもたらします。また、いろんな医療での応用に用いられています。なお、この研究は多くの追試が望まれます。

一般的には、体の抗酸化物質値を高めることは、ごく一部の体質のヒトを除いて、癌からの生還の鍵となります。自然異症療法(治療しょうとする疾患とまったく反対の病的症状を引き起こす薬剤を用いる治療法)プロトコールにおいて、硫黄を含む物質を補助的に投与する治療法では、有機硫黄、Magnetic clay(粘土の一種)由来の物質、MSM(硫黄を含む)にMg油が添加された物などが用いられ、体のシステムに確実に硫黄を注入する、経皮による方法で、皮膚に対しMgオイルを油状にし、体のシステムへ硫黄を注入する経皮的方法です。これらは米国で実施されていますが、日本での実施の情報は得ていません。
いずれにせよ、硫黄やセレ二ウムを含むニンニクは、米国の自然療法医らが、ガン患者にビタミンCなど抗酸化栄養素とともに勧めている栄養療法に組み込まれています。なお、日本国では、米国の自然療法医の影響で、いろんな疾患の治療や放射線療法の副作用の軽減に、グルタチオンの静注が行われています。なお、生のニンニクの大量、頻回摂取は、善玉菌も悪玉菌を殺し、腸の免疫能に致命的ダメージを与え、帯状疱疹の発症などの原因となるので控え、加熱処理したニンニクを少量、時々、摂取するか、薬効のよく似た加熱処理した玉ねぎを摂取するのが賢明と考えます。更なる研究を期待しています。

Reference
Dr Sircus:Cancer, Sulfur, Garlic &Glutathione.June 25,2012

 

 


グルタチオンとガンの複雑な関係について 栄養医学ブログ 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2014-10-22 16:39:03 | 健康・病気

細胞のグルタチオン値が高値であると、その抗酸化作用により病気を予防し、老化をコントロールし、ガンのリスクを減らすと報告されています。しかし、困った事には、グルタチオンは、化学療法剤や放射線療法の副作用を緩和するため用いられていますが、ガン細胞のグルタチオン値を高めることにより、これらの療法の攻撃から、ガン細胞自身を守るという研究での証拠があります。ガン細胞は、その細胞の高グルタチオン値により、ガン細胞死に抵抗する可能性が有ります。これら良いタイプと悪いタイプのグルタチオンは、遺伝によってコントロールされている可能性が有り、ガンの防御、あるいはガンの憎悪は遺伝によって決まる決まる可能性が有ります。なお、グルタチオンなど抗酸化栄養素によって、癌が防御されたり、憎悪したりする場合がありますが、憎悪する場合は、遺伝的に極めて少数のヒトであると考えられます。日本人は心配ないと報告されていますが、東ヨーロッパ人には抗酸化栄養素が、ガンに対して悪い方向に向くヒトが少数ですがいると、報告されています。

ドイツとスペインの研究者らは、遺伝により、グルタチオンがガンに対し、防御、あるいは憎悪する現象と癌細胞のグルタチオンーSートランスフェラ―ゼの関係に注目しています。米国の研究者らによると、グルタチオン-S-トランスフェラ―ゼにPANA/NOという抗ガン剤を反応させ、PANA/NOは酸化窒素(NO)に分解され、ガン細胞は死滅しました。また、ガン細胞のグルタチオン高値は、骨髄腫、乳がん、結腸ガン、喉頭ガン、それに肺がんなどでガン細胞を保護する可能性が有ります。したがって、グルタチオンのIV投与は癌細胞のグルタチオン値を高め、化学療法や放射線療法らのフリーラジカル発生効果により癌細胞を叩く、これらの療法の効果を弱めるのではないかという報告も有りますが、一方、これらの療法の副作用を緩和するため、グルタチオンのIVを治療後に実施している医師もいます。これらに関して、現在、研究が進められています。

なお、新鮮な野菜、果物などは、グルタチオンを含みますのでガン予防に推奨されています。同時に、これらの食品の解毒作用を強めるプロバイオテイクスの摂取も望まれ、また、ビタミンCなど必須ビタミンと癌と戦う天然化合物の摂取が望まれます。更なる研究を期待しています。



References
Glutathiones: http://www.canceractive. com
Balendiran GK, et al: The role of glutathione in cancer. Cell Biochem Funct. 2004 Nov-Dec; 22(6):343-52

 

 

 


BRCA2撮影成功とDNA修復作用機構の解明について 分子栄養学ブログ 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2014-10-16 16:04:36 | 栄養医学、ニュートリシィオナル サイエン

Taha Shahid博士らは、BRCA2の画像を始めて撮影し、ダメージを受けたDNAをどのようにしてBRCA2が修復するか、解明しました。なお、この研究は、ガンの根本的原因に対する理解を高めると考えられますが、更なる追試が望まれます。

この研究による画像撮影は、蛋白質(BRCA2)がどのように見えるか、どのように作用するかという最初の見解となります。BRCA2の欠損のメカニズムがデザインでき、効果的にがんを防ぐべく、細胞のDNAを修復するのに役立ちます。ガン細胞をより少ない効果で、修復プロセスをもたらす方法について考えることができ、そのことでガン細胞は死滅する希望が湧いてきます。

博士らの発見によると、BRCA2はペア―で作用し、細胞の中でもっとも大きい蛋白質の一つであることがわかりました。また、それはRAD51(蛋白質)と共に協働して作用します。BRCA2は、バラバラになったDNA分子が集合するのをサポートし、フィラメントを形成します。BRCA2のぺア―は、逆向きのRAD51の2組と結び付きます。両向きのバラバラになったDNA線維にRAD51が作用するようにします。BRCA2の作用は、DNA側の重複した部位に、RAD51が短いフィラメントを形成するのをサポートしています。多分、その作用は、釣り合った糸状線維を探すのに求められた、より長いフィラメントを作る効果を高める可能性があります。このメカニズムがわかった事により、ガンと遺伝子変異の関係のメカニズムがわかり、癌に対する対応の一里塚になることが期待されています。更なる研究を期待しています。

References
Taha Shahid, et al: Structure and mechanism of action of the BRCA2 breast cancer tumor suppressor. Nature Structural &Molecular Biology.2014
First picture of BRCA2 protein show how it works to repair DNA. ScienceDaily. oct 5,2014 

 


酸化ストレスと心臓・脳の障害について 栄養医学ブログ 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2014-10-10 19:55:16 | 健康・病気

ヒトの病気では酸化ストレスが大変関係していることが、最近の研究で次々明らかになりました。特に、心臓や脳はその機能維持のため酸素を多く消費し、したがってフリーラジカルの発生も多い器官です。それに伴い、両器官でいろいろ障害が発生します。

体の細胞は、その機能維持のためにエネルギー産生を必要とします。そのため酸化ストレスに曝されます。ミトコンドリアはエネルギー産生器官です。細胞は、その機能維持のため、利用できるATPの形でエネルギーを産生します。なお、このプロセスは酸化的リン酸化と呼ばれています。心臓と脳のエネルギー産生機能が影響を受けるとすると、心臓と脳はダメージの影響を受けやすくさせる、大量のエネルギーを必要とする臓器です。エネルギー産生は、フリーラジカルが消去されなければ、体の防御機構は、細胞に有害であるフリーラジカルの産生をもたらします。フリーラジカル消去メカニズムが大量のフリーラジカルによりダメージを生じ、その消去機構がパンクした時、酸化ストレスが生じます。

最近の研究によると、双極性障害、統合失調症、それにアルツハイマー病、パーキンソン病のような進行性神経障害など多くの精神障害の病理において、酸化ストレスは、重要な原因の一つとなっている、と考えられます。脳は、superoxide dimutase、カタラ―ゼ、それにグルタチオンペロキシダーゼ、ビタミンEとグルタチオンなどの抗酸化防御物質の体内での低値によって、酸化ストレスで特に影響を受けやすい傾向が有ります。脳におけるミトコンドリアのエネルギー代謝の障害は、パーキンソン病とアルツハイマー病などの障害発症機序の実証では、その神経変性を生じさせます。

フリーラジカルは全身的に炎症反応を増やし、免疫細胞にサイトカインやその他の炎症の化学伝達物質を産生するよう、刺激することにより、CNS中でそれらを増やします。なお、サイトカインやその他の化学伝達物質は、悪性のサイクルをもたらす酸化ストレスを代わる代わる加速させます。ところで、最近では、酸化ストレスとガンの関係も注目され、ビタミンCなど抗酸化栄養素が、その予防・治療に米国では用いられ、食生活改善とともに、ガンの予防・治療に貢献して、がんの発症率が減少していますが、それとは逆に、日本では癌が増加しています。更なる研究を期待しています。

References
Maes M, mihaylova I, et al: Lower plasma coenzyme Q10 in depression. Neuroendocrinology Letters, 30(4), 462-469,2009
CoenzymeQ10,Oxidative Stress and The Brain-A New Paradigm? psych scene. 11 Set 2013
Shults Cw, et al: Effects of coenzyme Q10 in early Parkinson disease. Achives of Neurology. 59(10),1541, 2002.

 

 

 


癌予防と食事・ライフスタイルの改善について 栄養医学ブログ 日本ビタミンC研究会  藤井毅彦

2014-10-05 20:58:52 | 健康・病気

食事やライフスタイルを改善することにより、癌を予防することができると、多くの研究では報告されています。

食生活では、未加工の自然食品や有機食品を摂取し、野菜や、イモ、豆、果物は、いろいろな色やいろいろな種類の食品を食べましょう。摂取する食品の種類にバラエテ―を持たせることは、アレルギー症を予防するだけでなく、食材の幅を広げます。サラダや果物など生の食材をたくさん食べるようにしましょう。ただし、魚など海産物、肉類は食中毒の原因になるので、注意しましよう。果物、野菜、ナッツや種子類、全粒穀物、乳酸菌を含むヨーグルト(無糖)やその飲料、それに豆や魚介類などを摂取するようにしましよう。ところで、飲酒は程程に、喫煙・受動喫煙は厳禁です。

水は、フッ素や塩素で処理されていない水を飲みましょう。水道水は塩素処理されているので、一度、沸かして利用しましよう。食事のメニューは、食物アレルギーのヒトでは、それらの食品を避け、体質に合った食品を摂取しましよう。なお、アレルギーは、一種の炎症反応ですので、ガン予防にはリスクとなります。体表的なアレルギー食品は、グルテン(麦類の蛋白質)、乳製品、トウモロコシ(徳島ではナンバと呼びます)、それに大豆を含む食品です。

食品は好く噛みましょう。抗癌栄養サプリメントを食事の補完として活用するのも、ガン予防に繋がります。

日常生活では、家事、家庭菜園、樹木の剪定、草刈りなど積極的にし、運動量を増やしましよう。適度に太陽洸を浴びましよう。ストレスを溜めないため、ツアー、音楽、好きな趣味の世界を持ちましょう。組織人は、窮屈な人間関係に縛られていますので、リラックスの方法を研究することも必要です。このことに関しては、臨床心理士に相談しましょう。ストレスもガン予防にとってリスクとなります。なお、福島第一原発の吉田所長も極限のストレスを経験し、ガンで亡くなられました。ストレスも死期を早める原因になった、と悔やまれます。

Reference
Schachter: Schachter Center for Complementary Medicine. www.schachtercenter.com;2009

なお、当方の栄養医学ブログ記事は、ブログアドレスblog.goo.ne.jp/h35p39で発信しています。