新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、その感染力の強さから、世界中で猛威を振るい、あらゆる面で人類を苦しめております。また、その病態の奇っ怪さから医療関係者おも困惑させております。今回は、COVID-19の病態で死に直結する急性呼吸窮迫症候群(ARDS)の病態とビタミンCの関係を考えていきたい、と思います。
Doris Loh博士によると、ARDSの病態での遊離ヘムや一酸化窒素(NO)、テトラヒドロビオプテリン(BH4はNO合成酵素によるNO合成に必須)の関与とビタミンCの関係が注目されています。遊離ヘムは、赤血球細胞の安定したヘム結合よりは1,000倍まで早くNO(血管内皮細胞から産生され、血管内皮機能を調整している)を補足します。内因性一酸化窒素(NO)の減少は、ウイルス応答を抑制する能力を低下させます。内因性NOの生物学的利用能の急速な低下は、高血圧、血液凝固作用、それに全身性炎症をもたらします。このことは、高血圧症のCOVID-19患者が、NOの減少による血管収縮により、高いリスクに晒らされる理由です。一般に、肺炎入院患者の90%は、内因性NOの低下により血液凝固作用の活性化が見られます。ここで、NOの産生は、律速補因子のテトラヒドロビオプテリン(BH4)に依存しています。BH4はNO産生の間、低い酸化・還元状態を維持します。もしもBH4がフリーラジカルによって酸化され、後に再生されないのなら、NO(一酸化窒素)の生合成は進みません。
BH4の再生はビタミンCに依存しており、ビタミンCはBH4を再生します。ビタミンCの欠如は、内因性一酸化窒素産生を低下させます。グルタチオンのような他の抗酸化物質は、BH4の再生に効果がありません。なお、NOはSARS-CoVウイルスの複製を抑制し、無細胞ヘモグロビンはNOを破壊します。ビタミンCはNOの産生を高めます。
●点滴と経口摂取によるビタミンCの併用投与は、COVID-19への二面からの攻撃手段となります。●点滴で用いるビタミンC塩はハプトグロビン(血中に遊離したヘモグロビンを結合させる機能を持つ)の再生をサポートします。●経口による高単位のビタミンCの摂取は、COVID-19によるARDS(急性呼吸窮迫症候群)を予防し、その進行速度を緩めます。●IVC(ビタミンC塩点滴)は、COVID-19によるARDSに対する戦いでの絶対必要なツールです。●IVCは、ハプトグロビンを再生させるビタミンC塩からの電子の持続的流れをもたらします。●ハプトグロビンは、安定した形のヘムを維持するため、かつ第二鉄イオンを減らすため、電子を供給するビタミンCに依存しています。なお、ビタミンCはハプトグロビンに特異的ではありません。
References
Gaggar A, et al.There is blood in the water. hemolysis. hemoglobin, and hem in a acute lung injury. Am J Physiol Lung Cell Mol Physiol. 2016;311(4)
COVID-19, ARDS&Cell-Free Hemoglobin. The Ascorbic Connection. evolutamente. it
Doris Loh. COVID-19, ARDS,Cell-Free Hemoglobin. The Ascorbic Acid Connection. NEWSLETTER. March24,2020
VitaminC can kill almost every virus known to mankind. dailyhealthpost.com/June 18,2018
VitaminC infusion for the treatment of severe 2019-nCoV infected pneumonia. Clinical Trials. gov
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