医科栄養学・栄養医学ブログ

医学部で医科栄養学を学んだ経験と最新の栄養医学をこのブログに反映したいと、考えています。

COVID-19(新型コロナウイルス感染症)からARDSへの移行と一酸化窒素、BH4の関係とビタミンCの効果について

2020-05-04 10:14:00 | 健康・病気

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、その感染力の強さから、世界中で猛威を振るい、あらゆる面で人類を苦しめております。また、その病態の奇っ怪さから医療関係者おも困惑させております。今回は、COVID-19の病態で死に直結する急性呼吸窮迫症候群(ARDS)の病態とビタミンCの関係を考えていきたい、と思います。

Doris Loh博士によると、ARDSの病態での遊離ヘムや一酸化窒素(NO)、テトラヒドロビオプテリン(BH4はNO合成酵素によるNO合成に必須)の関与とビタミンCの関係が注目されています。遊離ヘムは、赤血球細胞の安定したヘム結合よりは1,000倍まで早くNO(血管内皮細胞から産生され、血管内皮機能を調整している)を補足します。内因性一酸化窒素(NO)の減少は、ウイルス応答を抑制する能力を低下させます。内因性NOの生物学的利用能の急速な低下は、高血圧、血液凝固作用、それに全身性炎症をもたらします。このことは、高血圧症のCOVID-19患者が、NOの減少による血管収縮により、高いリスクに晒らされる理由です。一般に、肺炎入院患者の90%は、内因性NOの低下により血液凝固作用の活性化が見られます。ここで、NOの産生は、律速補因子のテトラヒドロビオプテリン(BH4)に依存しています。BH4はNO産生の間、低い酸化・還元状態を維持します。もしもBH4がフリーラジカルによって酸化され、後に再生されないのなら、NO(一酸化窒素)の生合成は進みません。

BH4の再生はビタミンCに依存しており、ビタミンCはBH4を再生します。ビタミンCの欠如は、内因性一酸化窒素産生を低下させます。グルタチオンのような他の抗酸化物質は、BH4の再生に効果がありません。なお、NOはSARS-CoVウイルスの複製を抑制し、無細胞ヘモグロビンはNOを破壊します。ビタミンCはNOの産生を高めます。

●点滴と経口摂取によるビタミンCの併用投与は、COVID-19への二面からの攻撃手段となります。●点滴で用いるビタミンC塩はハプトグロビン(血中に遊離したヘモグロビンを結合させる機能を持つ)の再生をサポートします。●経口による高単位のビタミンCの摂取は、COVID-19によるARDS(急性呼吸窮迫症候群)を予防し、その進行速度を緩めます。●IVC(ビタミンC塩点滴)は、COVID-19によるARDSに対する戦いでの絶対必要なツールです。●IVCは、ハプトグロビンを再生させるビタミンC塩からの電子の持続的流れをもたらします。●ハプトグロビンは、安定した形のヘムを維持するため、かつ第二鉄イオンを減らすため、電子を供給するビタミンCに依存しています。なお、ビタミンCはハプトグロビンに特異的ではありません。

References

Gaggar A, et al.There is blood in the water. hemolysis. hemoglobin, and hem in a acute lung injury. Am J Physiol Lung Cell Mol Physiol. 2016;311(4)

COVID-19, ARDS&Cell-Free Hemoglobin. The Ascorbic Connection. evolutamente. it

Doris Loh. COVID-19, ARDS,Cell-Free Hemoglobin. The Ascorbic Acid Connection. NEWSLETTER. March24,2020

VitaminC can kill almost every virus known to mankind. dailyhealthpost.com/June 18,2018

VitaminC infusion for the treatment of severe 2019-nCoV infected pneumonia. Clinical Trials. gov

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


COVID-19(新型コロナウイルス感染症)由来の急性呼吸窮迫症候群、無細胞ヘモグロビンへのビタミンC塩点滴と経口摂取併用の効果について

2020-05-01 14:26:23 | 健康・病気

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)について、新しい病態が明らかになりつつあります。その中で生命に直接関係する急性呼吸窮迫症候群(ARDS)に移行すると、生還率が低くなります。その対策として、米国では、高単位のビタミンC塩(ビタミンCナトリウム)の点滴(IVC)と高単位のビタミンC(VC)の経口摂取の併用が、臨床で行われ、ARDSの症状改善が報告されています。

IVCがCOVID-19の患者の治療に用いられる時、VCの細胞での酸化還元作用をサポートするべく、経口摂取のビタミンC(VC)が助けになります。VC(アスコルビン酸)は無細胞ヘモグロビン(CFH)の形成を阻害するため、第二鉄イオンを減少させます。減少したCFHは、一酸化窒素の破壊を低下させます。なお、一酸化窒素の恒常性(ホメオスターシス)は免疫機能をサポートします。

適正量のビタミンCの経口摂取は、ビロポーリン(ウイルスのコードする膜タンパク質で、ウイルスの放出を制御している)によりもたらされた脱分極による細胞毒性作用からヒトのミトコンドリアを守ってくれます。また、VCはリンパ球、好中球、それにナチュラルキラー細胞値を高め、COVID-19の感染に打ち勝つのに役立ちます。

Doris Loh博士によると、新型コロナウイルス(SARS-CoV2)は無細胞ヘモグロビンを生じさせ、ARDSを発症させます。SARS-CoV2ビロタンパク質Orf3aとその他のタンパク質Orf8、Orf10、Orf1abはヘモグロビンを攻撃します。これらのタンパク質は、ヘムから鉄を解離し、その鉄を酸化させ、放出させます。鉄が除かれ後、SARS-CoV2タンパク質は、鉄なしにポルフィリン(ヘモグロビンに含まれている有機化合物)を形成するため、ヘムを捕獲します。SARS-CoV2ビロポーリンEタンパク質はポリフィリンに結合します。このことは、スパイクタンパク質に結合しているACE2受容体に加えて、ポルフィリンを通じて、ヒト細胞膜に直接進入することをCOVID-19に可能にします。新型コロナウイルスは、ポルフィリン、あるいは鉄を含まないヘムに依存している太古の生命のふるさと、と考えられます。

無細胞ヘモグロビンはどのようにしてARDSを発症さすのでしょうか?

●CHFは一酸化窒素を破壊します。●一酸化窒素はSARS-CoVウイルスの複製を抑制します。●一酸化窒素の低下は血管収縮、炎症性サイトカイン、細胞のダメージを起こさせます。●ビタミンCは一酸化窒素値を高めます。これらのことにより、COVID-19での血管収縮、炎症性サイトカインの産生、それに細胞のダメージをビタミンCが防ぐ可能性がある、と考えられます。

References

Doris Loh.  evolutamente it/Covid-19-ards-cell-free-hemoglobin-the-ascorbic-acid-conection/

Doris Loh. Furins&Hypoxia-The vitaminC connection-EvolutaMente.it

Kuck JL. Ascorbic acid attenuates endothelial permeability triggered by cell-free hemoglobin. Biochem Biophys Res Commun. 2018;495(1):433-437

VitaminC can kill almost every virus known to mankind. dailyhealthpost. com/  June 18,2018

VitaminC infusion for the treatment of severe 2019-nCoV infected pneumonia. Clinical Trials.gov