医科栄養学・栄養医学ブログ

医学部で医科栄養学を学んだ経験と最新の栄養医学をこのブログに反映したいと、考えています。

異常分子への転換と二型糖尿病の発症について その三 栄ブログブログ 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2014-01-06 23:10:01 | 健康・病気

糖尿病の原因となる異常分子の研究については、コンピュータを用いて、3D構造の解析が、De Pablo博士のチームによって進みつつあります。この解析により、糖尿病の原因となる異常分子の3D構造が解明されれば、一段と対応がやりやすくなります。

二型糖尿病の原因だと指摘されている、特別の蛋白質中間体については、研究が進み、二つかせいぜい三つの分子よりなる小さい凝集体と塩基性単位が、De Pablo博士によって調べられました。現在、これらの小さい凝集体が細胞膜をどのようにして破壊するか、解析する必要があります。小さい核から原繊維がどのようにして成長するか、解読が望まれています。

そうするために、ス―パコンピュータを利用することにより、もっと大きいシステムを研究する計画が進行中です。最近、ALCFにおいては、利用できる、もっと新しい手段であるMiraと呼ばれるArgonneのIBM Blue Gene/Qのコンピュ―タを、博士らは利用しています。Miraは、毎秒10quadrillionの計算ができる10-petaflopsのコンピュータです。

De Pablo博士らは、ニ型糖尿病以外の他の疾患での中間体ステップを調べるため、この論文の方法を利用することを、考えているようです。なお、それにはアルツハイマー病による神経変性疾患が含まれます。彼らは、アミロイド原繊維の形成に対して、20種のヒトの疾患よりもっと多い疾患に、この方法の利用を予定しているようです。各々の疾患において、特定の蛋白質の組み込みのミス(いろんな疾患においてそれぞれ違うが)が、問題となる中間体ベータシートを誘発させます。組み込みのミスと凝集の問題に対する、幅広い原因の理解が望まれます。

異なった疾患と結び付いた広範囲の分子を探すことにより、この事が可能になります。結果として起こるゴールは、少数の重要な疑問に答えることです。初期の段階での組み込みのミスとなる事象とその形に小さく凝集するものは何か、それらはどのように形づけられるのか、それらが形成されるのをストップさす阻害因子をどのようにデザインできるか、これらを解決することにより、ニ型糖尿病やその他の疾患の治療が進歩すると考えられます。

References

L.E. Buchanan et al: Mechanism of LAPP amyloid fibril formation involves asn intermediate with a transient -sheet. Proceedings of National Academy of Science,2013; 110(48): 19285 DOI

Wrong molecular turn leads down path to type 2 diabetes: ScienceDaily . Dec. 20,2013