医科栄養学・栄養医学ブログ

医学部で医科栄養学を学んだ経験と最新の栄養医学をこのブログに反映したいと、考えています。

胃ガンのビタミンC療法の症例について 栄養医学ブログ 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2014-01-07 22:25:02 | 健康・病気

ベイルオブリーベン病院の胃ガンの症例については、中期癌や末期ガンなどいろんなステージで効果は違っているようです。また、ビタミンCも経口と静注を併用したり、経口の単独投与など、その患者の症状に応じて変えているようです。文献では、静注か経口かわからない場合もあります。ここでは、胃ガンの症例について、そのポイントを紹介したいと、考えています。

胃ガンの症例1
67歳の男性で、前処置は胃の部分的切除。ビタミンC試行時は、腫瘍がすでにリンパ節と膵臓に転移していました。ビタミンCナトリウムは12g/日、摂取し続け、経過は良好でした。6ケ月後、一時ビタミンCナトリウムは中止したので、症状は悪化しました。今度は20g/日から次第に
28g/日まで増量しました。劇的な効果がすぐに現れ、腫大した頸部リンパ節は消失し、血清アルカリフォスファターゼ値は急速に正常になりました。その後16ケ月間、良好な状態が続き、腹腔内悪性腫瘍は消失していました。この症例では、ビタミンCは酸性であり、胃に負担をかけるので、胃が悪い場合、胃に負担をかけないビタミンCナトリウムを用いたようです。この症例は中期胃ガンのようです。

胃ガンの症例2
前処置は胃部切除術。ビタミンC試行時の状態は異部痛と貧血であった。ビタミンCは12g/日、経口投与。6ケ月後に退院。退院時の体重は45kg、自宅療養時51kg、健康時55kgでありました。ビタミンCは12g/日、経口にて継続投与。現在元気です。この患者がピロリ菌に感染したかどうかは当時はわかりませんが、ビタミンCの大量投与が抗細菌作用を有するので、その効果の可能性もあります。

腹膜転移と肝転移を伴った、治療不能、進行がんの胃ガンの症例3
前処置なし。ビタミンC投与試行開始時の状態、すなわち最初の診断時、治療不能であり、腹水を抜くのにしばしば穿刺が必要でした。ビタミンCは10g/日を6日間、静脈内投与(点滴)し、次に、8g/日を111日間、経口投与しました。総計投与量は948g。結果は、ビタミンC投与試行開始後、121日で死亡。反応のカテゴリーは最小の反応と癌増殖の阻止を示しました。有効でした。腹水の抑性、それからきわめて短い末期相へ移行しました。この症例は末期胃ガンでした。早期のビタミンC療法の対応が望まれる症例です。

広範な再発を伴った、治療不能の進行がんの胃ガンの症例4
前処置は部分的胃切除。腸管閉塞をもたらす早期再発への緩和な回腸切除でした。ビタミンC試行開始時は症状は悪化していました。ビタミンC投与は、10g/日を五日間、静脈内投与し、続いて10g/日を248日間、経口投与し、嘔吐により中止しました。総計投与量は248g。結果は258日目に死亡。反応のカテゴリーは癌増殖の阻止であり、有効でした。急速な下り坂の経過を阻止し、数ケ月間安定状態、それから短い末期症状へ移行しました。早期癌の時の
ビタミンC療法が望まれる症例でした。

References

Ewan Cameron, Linus Pauling:Cancer and VitaminC. Warner Books, 1979

藤井毅彦:癌を予防し、治すビタミンC療法。日本ビタミンC研究会、1982年

 

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