近年、日本では大腸がん、潰瘍性大腸炎が増加していると、報告されています。その原因には腸内環境の悪化によって、腸内にいろんな毒性物質が産生され、ウイルスや細菌も健康な腸管に比べて増加しており、また、腸管バリアーの損傷が発症し、そこから毒性産生物質や細菌、ウイルスが血管内に侵入し、いろんな疾患の原因になると、報告されています。その対策として、腸内環境の改善のため、野菜や果物、キノコ、海藻など食物繊維の多い食品の摂取とプロバイオティクス(乳酸菌、酪酸菌、納豆菌など)を多く含む発酵食品の摂取が必要と、考えられます。
また、最近、米国で大腸がんや潰瘍性大腸炎などとウイルスの関係に関する研究が報告され、ある研究では、潰瘍性大腸炎の悪化とヘルペスウイルス、サイトメガウイルスの関係が報告されています。Harald Zur Hausen博士(子宮頸部ガンウイルス発見によりノーベル賞受賞)は、疫学的研究において、よく焼いていない牛肉を食べる人は、、よく焼いた牛肉を食べる人に比べ、結腸ガン(大腸がん)患者が多いという結果に基づき、牛肉の中にいる未知の病原体が関係しているのではないかという、仮説を立てました。これ以外の研究でも、牛肉の中には、TTVウイルス、BPVウイルスがおり、これらのウイルスと大腸がんとの関係が指摘されています。
次に、潰瘍性大腸炎との関係が指摘されているサイトメガウイルスは、潰瘍性大腸炎の増殖因子で、ほとんどの人が腸管に持っており、腸内環境(腸内フローラ)の悪化による免疫システムの制御異常時に暴れだすと、言われています。免疫システムが正常に働いていれば、サイトメガウイルスを抑制できます。したがって、潰瘍性大腸炎が悪化する場合、免疫能の低下により、腸管内のサイトメガウイルスが暴れだすと、考えられます。
これらの対策として、腸内環境の改善作用が有るプロバイオティクスやプレバイオティクスの摂取と共に、抗ウイルス作用のあるビタミンC、ビタミンD,ハーブの摂取やビタミンCの点滴も必要と、考えられます。今一度食生活を見直し、薄味の日本食も食卓に上ることが必要、と考えられます。
References
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Christine gorman. Could a cow virus cause colon cancer? Scientific American. July 1,2014
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Marco Oliver Schunter, et al. Herpes simplex virus colitis complicating ulcerative colitis. Journal of Cron's and colitis. Sept 2007
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