医科栄養学・栄養医学ブログ

医学部で医科栄養学を学んだ経験と最新の栄養医学をこのブログに反映したいと、考えています。

ガン治療に於けるビタミンCの役割について 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2014-01-30 22:25:55 | 健康・病気

ビタミンCは間質物質の統合性を維持し、リンパ球と免疫能力を高め、ステロイド代謝を改善し、ヒアルロニダーゼを阻害します。また、その抗ウイルス作用、抗細菌作用、それにガン患者のビタミンCが枯渇する性質などにより、ガン患者には大量のビタミンCが必要です。

Deucher博士は、放射線療法を実施したガン患者に、短期間、4g/日のビタミンCを投与し、いくらかの臨床上の改善を報告しています。Huber博士らは、ビタミンCと他のビタミンを併用し、0.5~2g/日を毎日投与し、末期がんとすべてのガンに寛解を認めています。Meyer博士らは、多くの末期ガン患者の補助療法に、点滴でビタミンCナトリウムを投与し、著しい改善がガン患者の大部分に認められたことに確信を持ちました。

ガンー宿主バランスにおける好ましい傾向をもたらす上記結果は、末期ガンの寛解にまで、この治療法を拡大させます。また、ビタミンCの適切な摂取は、米国では、毎年、それだけで約15,000~20,000人を救い、ガン発生率とその死亡率を約10%減らすに違いないと予測されています。

予防面では、ビタミンCが宿主抵抗性を高めるため、臨床がんの出現率を著しく減少させるはずで、確定したガンでは、良好な予後をもたらします。また、いろんな治療法の補助療法としても、それらの作用を強めたり、副作用の軽減に有益です。そして、末期ガンにおいてもいくらか改善がもたらされる、と報告されています。

References

Cameron. E.: Chemi-Biol, interactions. 9(1974)

藤井毅彦: ガンを予防し、治すビタミンC療法、日本ビタミンC研究会、1982年


ビタミンCの免疫系刺激作用について その一  日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2014-01-30 15:55:37 | 健康・病気

ビタミンCは疑いもなく、免疫反応と同様、感染に対し自然に備わった抵抗性の機構に作用することが、示されています。そして、ビタミンCは顆粒球と大食球の化学走性を高めます。また、免疫反応に及ぼすビタミンCの作用に関しては、感作性過度の遅延の誘導(細胞免疫性)に必要であることが、研究により明らかになりました。

in vivoでの研究では、ビタミンCの大量投与は、モルモットでのヒト細胞培養狂犬病ウイルスに対し免疫能を高めます。バー二ック博士らは、ヒト細胞狂犬病ワクチンの2倍の効果は、ワクチン単独投与群より、ビタミンC(体重10mg/kg)+ワクチンで治療したモルモットのグループで、もっと効果があることを示しています。また、死亡率では、ワクチングループ65%,ワクチン+ビタミンC(10mg/kg)47%、対照100%でした。なお、ビタミンCの量を増やすと(100mg/kg)、35%にまで死亡率が低下しました。すなわち、ビタミンC大量投与群は少量投与群より免疫能強化作用が優れているが、少量投与群でも、幾分か細胞培養狂犬病ワクチンの免疫能を改善します。したがって、各種ウイルス疾患のワクチン療法にビタミンC療法を併用すると、ワクチンの免疫能を改善せしめると考えられるので、ビタミンCの併用が推奨されています。

また、ポ二ッシュ博士らは、ビタミンCによるin vivoとin vitroでの細胞免疫応答の免疫相乗作用を確認しました。ビタミンCは生理学的血清濃度では、in vitroでポ―クウイードの有糸分裂に刺激された末梢血液リンパ球(PBL)3HTDRの利用を著しく高め、ある条件下では、用量作用形態での蛋白質合成を著しく高めることが、わかりました。また、蛋白質合成の増大は、PMMでもっとも明らかで、他の有糸分裂、抗体、それに増殖PBLでも明らかで、相当する細胞に及ぼすビタミンCの直接的作用と同様、準母集団の特殊性の可能性も考えられます。このようにビタミンCは免疫系強化作用がいろんな研究で報告されているので、ガンやウイルス、それに細菌など免疫が関係する疾患対策として、常用が勧められています。

Reference

藤井毅彦:ガンと栄養、日本ビタミンC研究会、1979年