二餅のスーパー・チラ裏日誌

Nimochi's curious weblog

あぺとぺ広告

2020-03-17 20:30:00 | 


 アイコスの新聞広告が載ってました。

 宮城でもIQOSにする人、増えでる。一度試してみてけろ!

 どうやら、この広告は宮城ローカル向けに、宮城弁でキャッチコピーをつけているようです(おそらく、全県分あると思われる)。まあ、これくらいはいいとは思うんですが(というか、この宮城弁もちょっと間違っている。いや、間違いだらけだ(笑))…



 ※本お試しセットには、アンケートの回答を条件さ、モニター用たばこ5パックをあげるっちゃ。

 これは、意味不明だ(笑)。宮城弁以前に、日本語すら間違ってる体たらく。もし自然に宮城弁にするとすれば、「こいづはね、アンケートさ答えっと、モニター用たばご5パック貰えんだど。」ぐらいが妥当。というか、素直に「本お試しセットは、アンケートにご回答いただくことを条件に、モニター用たばこ5パックを差し上げております。」でいいだろ(笑)。
 宮城弁では格助詞の「に」を「さ」にしますが、こういう風に無尽蔵に「に=さ」に変換してしまうと、文章として正しく認識できません。あと、「あげるっちゃ」とも言いません。「けっから」です。



 すでに約18万人レンタルした
 さあ、あんだもIQOSを試してみて!

 「した」は、宮城弁なのか(笑)?福島の人は「べした」とは言ってるけど。これだけ読むと、ただ、だである体の標準語(それも偉そうな表現)です。「したんだど!」だとか、「したっつど!」なら、ああ宮城弁かなぁとは思いますが。
 「さあ、あんだもIQOSを試してみて!」も、「あんだ(あなた)」だけ宮城弁で、最後が「試してみて!」の標準語とハイブリッドなのも全然ダメです。全っ然分かってません。せいぜい、「試してみらいん!」でしょうかね。助詞の「を」を省いて「飲まいん!」だとGOOD、「ちょしてみらいん!」だとCOOL。というか、これも標準語で書け(笑)。ちなみに、「あんだ」は割と相手をバカにするときに使う表現なので、広告表現としてかなり不適切だと思いますが。



 ただ、この「※画像はイメージだ。」は笑った。方言にすらなってない(笑)。

 全体的な完成度を見ると、助詞や語尾を部分的に方言に変換しているきらいがあり、残念ですが、全然宮城に関係のないライターさんが、ネットの方言ウィキでも見ながら、テキトーに作ったのがバレバレです。多少小ネタとして、部分的に方言を使ってシュールな笑いを狙う手法もアリかとは思いますが、文章として認識できない部分が存在することから察するに、笑わせようとしたのではなく、単にセンスと知識が無いだけでしょう。少なくとも、宮城弁は、文章として成り立たない方言ではありません(笑)。

 なんか、広告会社の、血気盛んな新卒2~3年目くらいの若手プランナーが「この広告、全国の方言で作ってみたら面白くないですか?面白いですよね?ね、やりましょう!これ絶対ウケますよ!SNS映えもいいから、絶対話題になりますって!!」なんて企画をゴリ押しして、でも実際やってみたら、意外とネットで方言検索するのも時間かかるし、納期短いし、思ったより予算もなかったし、なんて環境だったんじゃないかと勘ぐってしまいます。例えば民族研究家だとか大学で言語学を研究している先生だとか、そういう人たちにでも監修をお願いすれば良いものを、明らかに予算と時間をケチって自分たちだけで完成させた感がアリアリです。というか、全国の営業所に、一人くらいズーズー弁の人くらいいるでしょう。そういう人にお願いすれば、なにもノーギャラで1日で校正してもらえるのに。

 やりつけないことは、やらない方がいいんだな、やっぱり。なお、こういうわけの分からないものを、宮城では「あぺとぺ(あっぺとっぺ)」と言います。みなさん、覚えましょう(笑)。



 元々大嫌いなアイコスが、ますます嫌いになったゼ(笑)