終わらざりし物語、トゥオルとトゥーリンの話を読み終わったので感想など。
初読時にも思ったのですが、トゥオルの物語の淡々とした孤独な感じがなんだか好きなんですねー。
トゥオルの場合、常に海への憧れのようなものが根底に流れているのが好きなのかもしれません。最後には海へ出て行きますしね。
そして、孤独なトゥオルが何者か(いやはっきりウルモなんですけど(汗))に導かれるように不思議な旅路を行くという雰囲気も好きかなーと思います。
文章も、「指輪」を書き終えた後に書いているということで、物語としても読みやすいし描写も上手いですしね。もうちょっと書いておいてくれたらなあ・・・と残念です。
途中、トゥーリンと一瞬だけすれ違うところが印象的です。トゥーリンの方ではトゥオルとすれ違ったことなんて気がつきもしなかったのか、トゥーリンの方の話にはこの件出てきませんが。
孤独ながらも素直な気性を持ったトゥオルと、皆に愛されながらも誇りが高すぎて傲慢なところがあるトゥーリン。この差って、父親の差というよりは母親の差って気がするんですが・・・(汗)
その二人の運命の対照が面白いなあと思います。
で、トゥーリンですが。
初読時には、トゥーリンは周囲の人間に愛されているが故に呪いをかけられた、みたいなことを思ったりしたんですが、今回読んでいて、呪いもあるけど、結局はトゥーリン本人の傲慢さが破滅を呼んでいるよなあと・・・。
このあたり、悲劇として描きながらも結局は本人の罪なのだ、というのが、トールキンらしいというかキリスト教的なのかなあと思ったりしました。
そして、トゥーリンも悪いけど、そもそもの元凶はモルウェンなんじゃあ・・・(汗)トゥーリンの性格も明らかにモルウェン似ですしね。
誇りと自尊心が高すぎることがもたらす破滅、というあたりもキリスト教的なのかなあ。
しかし、モルウェンのことは、エルダールのような美しく誇り高く素晴らしい女性、みたいな描き方もしているのに、一方で誇り高すぎて・・・ということも書いているのが面白いなあと思いました。
昨日女性キャラクターのことを書いた時、モルウェンのことも書こうと思ってたのに書くの忘れてました。モルウェンも、強い女性ですよね~。十分に族長であり得るというか。
トールキンは強くて頑なな女性を描くことが多いですが、こういうのって母親のイメージなんだろうか・・・?
「終わらざりし-」ではフィンドゥイラスの場面がいくつか出てくるのか嬉しいですね。
エルフの姫君が人間に片想いというのは珍しいパターンって気がしますが、だからこそフィンドゥイラスは他のエルフの姫君よりも苦悩していて、そのあたりがルシエンとかアルウェンよりもよほど深いキャラクターだなあと思います。
「シルマリル」で初読時にはあまりの悲惨な運命にショックでしたが・・・エルフの姫君でこんなひどい仕打ちを受けた人はいないですよね・・・
トゥーリンはモルゴスの呪いがなければフィンドゥイラスと結ばれていたのでしょうか。もしそうなっていたら色々な運命が変わっていたのでしょうね、というあたりも含めた悲劇、ということなのかな。
それにしてもベレグはカッコよすぎる(笑)ベレグの死の場面が詳しく描かれていないのが残念です。
もしかしたらThe Children of Hurinではそのあたりの原稿もみつかって入っているとか? って持ってるんだから確認してみればいいようなものですが・・・(勢いで買ったものの全く読んでません・・・)
あと、グラウルングって飛べないんですねー。これ今回「シルマリル」再読していて気がついたのですが、空を飛べるドラゴンの出現って結構後の方で、最初ははいずる竜しかいなかったんですね。(トールキンによる『指輪物語』の図像世界でも竜が二種類あることを書いてましたが)
しかし、初読時も思ったんですが、あらすじだけでなく、トールキンが物語として詳しく描写すると、一気に読み物として面白くなりますね。情景描写の美しさとか、小さなエピソードによる暖かさとか。トゥーリンとサドルのエピソードなんかそうですが。
もっとたくさん書き残してくれていたら良かったのになあ・・・と思います。まあ、邦訳で読めないとなかなか読めないですけど・・・現に出版されているものすら原書だけでは・・・ですからね(汗)
初読時にも思ったのですが、トゥオルの物語の淡々とした孤独な感じがなんだか好きなんですねー。
トゥオルの場合、常に海への憧れのようなものが根底に流れているのが好きなのかもしれません。最後には海へ出て行きますしね。
そして、孤独なトゥオルが何者か(いやはっきりウルモなんですけど(汗))に導かれるように不思議な旅路を行くという雰囲気も好きかなーと思います。
文章も、「指輪」を書き終えた後に書いているということで、物語としても読みやすいし描写も上手いですしね。もうちょっと書いておいてくれたらなあ・・・と残念です。
途中、トゥーリンと一瞬だけすれ違うところが印象的です。トゥーリンの方ではトゥオルとすれ違ったことなんて気がつきもしなかったのか、トゥーリンの方の話にはこの件出てきませんが。
孤独ながらも素直な気性を持ったトゥオルと、皆に愛されながらも誇りが高すぎて傲慢なところがあるトゥーリン。この差って、父親の差というよりは母親の差って気がするんですが・・・(汗)
その二人の運命の対照が面白いなあと思います。
で、トゥーリンですが。
初読時には、トゥーリンは周囲の人間に愛されているが故に呪いをかけられた、みたいなことを思ったりしたんですが、今回読んでいて、呪いもあるけど、結局はトゥーリン本人の傲慢さが破滅を呼んでいるよなあと・・・。
このあたり、悲劇として描きながらも結局は本人の罪なのだ、というのが、トールキンらしいというかキリスト教的なのかなあと思ったりしました。
そして、トゥーリンも悪いけど、そもそもの元凶はモルウェンなんじゃあ・・・(汗)トゥーリンの性格も明らかにモルウェン似ですしね。
誇りと自尊心が高すぎることがもたらす破滅、というあたりもキリスト教的なのかなあ。
しかし、モルウェンのことは、エルダールのような美しく誇り高く素晴らしい女性、みたいな描き方もしているのに、一方で誇り高すぎて・・・ということも書いているのが面白いなあと思いました。
昨日女性キャラクターのことを書いた時、モルウェンのことも書こうと思ってたのに書くの忘れてました。モルウェンも、強い女性ですよね~。十分に族長であり得るというか。
トールキンは強くて頑なな女性を描くことが多いですが、こういうのって母親のイメージなんだろうか・・・?
「終わらざりし-」ではフィンドゥイラスの場面がいくつか出てくるのか嬉しいですね。
エルフの姫君が人間に片想いというのは珍しいパターンって気がしますが、だからこそフィンドゥイラスは他のエルフの姫君よりも苦悩していて、そのあたりがルシエンとかアルウェンよりもよほど深いキャラクターだなあと思います。
「シルマリル」で初読時にはあまりの悲惨な運命にショックでしたが・・・エルフの姫君でこんなひどい仕打ちを受けた人はいないですよね・・・
トゥーリンはモルゴスの呪いがなければフィンドゥイラスと結ばれていたのでしょうか。もしそうなっていたら色々な運命が変わっていたのでしょうね、というあたりも含めた悲劇、ということなのかな。
それにしてもベレグはカッコよすぎる(笑)ベレグの死の場面が詳しく描かれていないのが残念です。
もしかしたらThe Children of Hurinではそのあたりの原稿もみつかって入っているとか? って持ってるんだから確認してみればいいようなものですが・・・(勢いで買ったものの全く読んでません・・・)
あと、グラウルングって飛べないんですねー。これ今回「シルマリル」再読していて気がついたのですが、空を飛べるドラゴンの出現って結構後の方で、最初ははいずる竜しかいなかったんですね。(トールキンによる『指輪物語』の図像世界でも竜が二種類あることを書いてましたが)
しかし、初読時も思ったんですが、あらすじだけでなく、トールキンが物語として詳しく描写すると、一気に読み物として面白くなりますね。情景描写の美しさとか、小さなエピソードによる暖かさとか。トゥーリンとサドルのエピソードなんかそうですが。
もっとたくさん書き残してくれていたら良かったのになあ・・・と思います。まあ、邦訳で読めないとなかなか読めないですけど・・・現に出版されているものすら原書だけでは・・・ですからね(汗)
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