「「福」に憑かれた男」(総合法令出版:喜多川泰)を読んだ。
新米「福の神」が奮闘しながら、とり憑いた主人と伴に成長するというストーリーだ。主人公を通して、作者からさまざまな「問い」が読んでいる私たちに投げかけられているのを感じる。
「君は君の人生を使って何をしたいのかね」
「考えなければならないのは、どうやって自分の欲しいものを手に入れるかではない。どうしてそれを手に入れなければならないかだ。」
そのたびに本を閉じ考える。私は私の人生を使って何をしたいのだろうか?私の欲しいものとはなんだろうか、どうしてそれを手に入れなければならないのだろうか?
こういう職業に就きたい、将来こうなりたいというのはすべて手段だと作者はいう。どうしてもやりたい夢がある。だからこういう職業に就く必要がある。だからお金がこれくらい必要だ。だから大きな家が必要だ。だからあの大学で勉強する必要がある。・・・・
職業やお金を夢(目的)だと思って頑張った人はその夢を実現させた瞬間から不安になるという。得たものがなくなるのではないか、価値がなくなるのではないかと。それはそれが本当の夢にふさわしくないことを意味している。
では本当の夢とはなんだろうか?私にとっての本当の夢とは?
また本を閉じ考える。生きることについていろいろ考えさせらる本だ。
最後に映画「It's a Wonderful life(素晴らし哉 人生)」のラストシーンのように、みんなの喜びや幸せのために生きた人が、一番豊かで幸福な人生を送れるのではないかと作者は問いかける。
どうやらそのへんに「本当の夢」のヒントがあるのではないかと私も思う。是非読まれることを薦める。