長男とのフィリピン旅行の後、すぐに介護職の仕事が始まった。
しかし、2日間働いて「もう無理」と思い、次の日行くのを辞めた。
正直、私は介護職を舐めていた。
介護の仕事は、誰にでもできる簡単な仕事と思っていたが、とんでもない勘違いだった。
1人前にできるようになるには、1~2年はかかる。
年下の先輩に叱られながらも、「やり続ける根性があるか?」と問われれば・・・。
私には「そんなものはない。」と即答するだろう。
54歳から新しいことを始めることの厳しさを知った。
もし学び体得することで、生活がより安泰になるのであれば、どんな困難をも乗り越えてやるだろう。
介護職にそれほどの魅力があるのか?
残念ながら「否」である。
これなら溶接をした方が、はるかにいい。
溶接なら13年のキャリアがあるし、フォークリフト・クレーン・ガス溶接講習修了等の溶接作業に、必要とされる資格も持っている。
年下の先輩に一から溶接の指導を受ける必要はない。
お金をもらう職場では、学校のように優しく指導してはくれないのだ。
もう介護職には1ミリの未練もない。もう、この業界には近寄らないようにしよう。
確かに介護の学校は楽しかった。この世に介護職ほど素晴らしい仕事はないと思えるほどの幻想を見させてくれた。
だが、現実はまったく違う。夢から覚めた思いだ。
しかし、逆の見方をすれば、今回の2日間は、それを知ることのできた素晴らしいものだったとも言える。
中途半端にできてしまうと、未練が残るものだが、徹底的に介護の難しさを教え込まされたので悔いはない。