きまぐれ発言

日々変化する世の中をみて、私はこう思う。

中国・貴州での暴動

2008-07-01 11:43:34 | Weblog
中国・貴州での暴動      (008.07.01.)

中国のニュースサイトから28日に貴州省甕安(おうあん)で公安局庁舎が放火される大規模な暴動が報道された。

暴動の発端は、15歳の少女が暴行を受け殺害され、その後2人の男が公安当局に逮捕されたが翌日には釈放された。

インターネット上では逮捕された内の1人は副県長の息子であると言う書き込みがあり
少女の家族が捜査状況と死因について追求したが、現地警察は少女の死は「自殺」であると断定し取り合わなかったことで憤慨した家族とのこじれが拡大したと言う事です。

地元の女性の証言では、警察の捜査結果に抗議した女性の叔父は「警察が雇ったギャング」に激しく殴打され病院で死亡したと言っている。そしてその叔父は地元の学校の教師だったため、死亡した事を知った教え子たちが警察署に押しかけ、数人の学生も殴られる等の事態から、学生たちは警察の建物や車に放火する騒ぎになり、それに市民数万人が加わる暴動に発展した。

そして、消防車が駆けつけたが、学生達は斧で消火栓を壊し消火活動を妨害。警官隊は催涙弾を発射して威嚇し、暴動は29日の未明まで続いたと報じている。

この状況は、インターネットの書き込みで、多数のヒットがあったが29日には政府がアクセス規制を行なったのか殆ど報じられなくなってしまった。

中国の国営新華社の報道では「少数の犯罪者が公共施設と車両を襲い放火した」と伝え29日午前には「群集は排除され、これ以上悪化しない。基本的に秩序は回復した」と報じている。

一方、香港の人権団体「中国人権民主運動情報センター」によると、騒乱鎮圧のために武装警官1500人が出動。住民側は約200人が拘束され150人が負傷して病院に運ばれたと報じている。

これ等の暴動の根っこには、普段から公安当局や警察による住民への抑圧が、不満となって鬱積していた物で、それが爆発したものでもある。

昨日の共同通信の報道では、不当な農地収用などで不満をつのらせた農民が中央政府に訴える為に地方から北京へ多数陳情に来ているという。
其れを政府当局は、北京五輪を前にして、反政府的な行動を懸念し、一斉拘束を開始し、1日で100人以上が拘束され、北京市内の収容施設に送られている事が報じられている。

そして、陳情者の身元確認のうえ、夫々身元の公安当局に引渡し地元まで連行されていると言う。
中国当局のこの様な強制的遣り方はかえって住民の反発を買う物で、国内に充満している住民の不満は、今でこそ、軍や警察の武力に任せて、問答無用の強圧で押さえ込んでいるが、いずれは爆発するものであると考えると、五輪でのトラブルが一番心配されるところである。

チベット問題も、今日からダライラマ14世との話し合いの計画が有るようだが、余りにも当局との考え方と開きがあることから、単なる世間の批判をかわすためのパフォーマンス過ぎないとしか思えません。

例年とは違った今年の五輪ムード、たとえ入場券が手に入ったとしてもとても行きたいと思う気持には全くなりません。
(えびなたろう)