きまぐれ発言

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「大気汚染はかなり好転」に不満の声(中国)

2014-03-14 12:03:41 | Weblog
「大気汚染はかなり好転」に不満の声(中国)     (2014-03.14.)

5日から開幕した全国人民代表大会(国会に相当)で、周生賢環境保護相が記者団に「大気汚染はかなり好転した」と語った事に対し、ネットを中心に不満の声が続出している。中国各地では、今年に入って深刻な大気汚染が続いていて、とても好転したとは思えないからだ。

周環境保護相は「一般市民は余り感じて居ないかもしれないが、大気汚染はかなり好転している。昨年大気汚染の指数が1000余りだったが今年に入って、900余りに下がっている。北京市、天津市、河北省地域の平均値は昨年の500~600、今年は500余りに下がっている」と語った。

ところが、中國青年報がネット上に寄せられた約2000人の意見を分析して、その92、8%が周環境保護相の発言に不満を抱いている。「この程度で、かなりの好転と言えるのだろうか」「周氏が引用した大気汚染指数が適切かどうか疑問だ」などの声が上がっている。

中國による大気汚染の指数は6段階に分かれている。300を超えると「厳重汚染」と言う段階で、全ての者は野外活動を中止の措置をとっている。従って、1000余りが900余りに下がっても「厳重汚染」に変わりがなく「かなり好転」と言う事態の認識と感覚では、環境保護相の言う言葉では、無いのではないでしょうか。

李克強首相は全人代の政府活動報告の中で、「貧困に宣戦を布告したように、汚染問題との戦いを断固として宣言する」とぶち上げた。しかしその一方で経済成長目標は昨年と同じ7,5%に据え置いた。此れに対し、目標値を引き下げるべきだとの意見もあったが、成長率を下げる事は、雇用確保に問題が生じ、社会安定を損なうとの懸念から却下されている。
汚染問題の解決には、中国の経済成長路線についてどうしても方向転換が必要であると思われる。「二兎を追う物一兎をも得ず」と言うところだ。

中國メディア・第一金融網は、10日中国政府・環境保護部の呉暁青副部長が8日、昨年導入した新たな大気汚染基準を満たしたのが74都市中チベット自治区のラサなど3都市に留まった事を明らかにしている。そして、呉副部長は「中国の大気汚染は非常に厳しい状況だ」とし、「産業開発モデルの転換」「エネルギー消費構造の改善」「増えすぎている自動車汚染の抑制」「都市建設管理の強化」を行ってこそ大気汚染を徹底的に改善できる」と語っている。そして、特に大気汚染の激しい北京市・天津市・河北省地域をあげ、汚染の基準をクリアーした日数が37,5%に留まった事を報じている。

中國の国会での場で、環境保護相が述べる言葉と、環境保護部の副部長の“言”が全く違った状態である。この分では中国の環境問題は当分間、放置される状態が続くと思われる。
(えびなたろう)