ひとこと・ふたこと・時どき多言(たこと)

〈ゴマメのばーば〉の、日々訪れる想い・あれこれ

これは、禁じ手ではないでしょうか。

2017-11-13 06:48:34 | 日記
  《新規約を採択した時の大会議長は習氏自身だった。
   「改正案に賛成の者は挙手!」と言うと、習氏の左右に座った江沢民、胡錦濤両氏を
   含め全員が挙手した。
   普通は「賛成多数、よって可決」だろう。
   だが習氏は議長席から会場を見回し、「反対の者は挙手」と言った。
   10秒以上、沈黙が続いた。
   会場から「なし!」の声が上がり、「反対なし、可決!」と言った。
   何とも重苦しい新時代だ。》

上記の記事は、毎日新聞(2017年11月11日)、金子秀敏・毎日新聞客員編集委員が、
「サンデー毎日」(2017/11/19日号)掲載の記事を転載した記事として書いたものです。

他国(中国)のことを よく知りもせず批判するのはよくありませんが、
この採決の仕方、これは いただけません。
これは、禁じ手ではないでしょうか。

60数年前に遡ります。
当時、私は夜間高校の生徒でした。
あの頃の学校の生徒会活動は割と活発だったのです。
賛成・反対の意見もかなりストレートな形での討議が行われていました。
ある時、一つの議案に対する結論が中々出ず、議事進行上すこぶる困っていた折の
ことでした。
どちらかというと、生徒会活動に関心の薄かった私は、早く下校したいばかりに、
賛成であれ反対であれ、早く決着して欲しいという思いでいたのです。

と、突然、議長が
「反対の方は挙手してください」
と言って採決をしたのです。
案件の内容は忘れてしまいましたが、この通常とは異なる採決の在りように、私は、
〈議長は アタマがいい〉
そう思ったのでした。
「賛成」に挙手しないよりも、「反対」に挙手するのは、勇気を必要とします。
まして、少数であれば尚のことです。

その後、私はホームルームティーチャーに、
「先生。アタマのいい議長でした」
と、報告しましたら、先生は、
  《「採決」で決めること自体は間違いではない。
   しかし覚えていて欲しい。
   民主主義とは、他の意見にも耳を傾ける事。
   それが民主主義の根幹、土台となる。
   そして その意見を抑え込む様な手段は決して用いてはならない。
   それはアンフェアなことである。》
と、割と厳しい顔つきで私に話して下さったのです。
〈お気に入りの生徒〉を自負しておりましただけに、先生の厳しいもの言いが、
当時は不満に思えたのでした。
でも、この訓話、今でもしっかり覚えています。

英語の教師でした。
私の好きな先生でした。
亡くなられてから10年程になります。

あの頃、定時制の高校は昼間の全日制高校に比して学力は高くはありませんでした。
でも、職場から食事もとらずに学校へ走り込む生徒が殆どです。
教科だけではない知識や、「生き方」などを、教師や先輩の方々から沢山学ばせて
頂いたことを懐かしく思い出すのです。
                        〈ゴマメのばーば〉
コメント (4)
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