golf130のクラシックお笑い原理主義

オッサンのしがない日常や妄想話とその日聴いた音楽。

モーツァルト「セレナーデ第9 番《ポストホルン》」ベーム

2008-12-15 20:56:55 | Weblog
今週末コンサートやるんだって?やっぱり第九?

いや、そうじゃないんだ。この時期だからっていう選曲なんだけど…。

メサイヤか、いいよな、俺もあの曲大好きだよ。

いやそうじゃ無いんだ。

あっ、クリスマス・オラトリオだな。クリスマスったら何たってこのバッハの名作だよな。

いいや…。

何だか元気無いな、具合でも悪いんじゃないか?

特に悪いところ無いけど…。

あっ、判った。今度の指揮者のゴルフ・ジューゾウの所為だな。あいつかなり変人だって噂じゃないか。変ちくりんな現代音楽の初演でも持って来たんだろ。せっかく苦労して練習しても聴衆から受けないんじゃ、お前も嫌んなっちゃうよな。

いや、曲は名曲なんだ。

何の曲だ。

ポストホルン。

あのモーツァルトの名曲かよ!

それで俺にポストホルン吹けって。

凄いじゃないか~!超主役じゃないか。あっ、それでお前ビビってるんだな。そりゃそうだよな、モーツァルトの美しい傑作をちょっとしたミスで台無しにしたくないよな。しかも主役の楽器でな。

俺もポストホルン吹けって言われた時はちょっとビックリしたよ。しかし、光栄でもあり是非とも吹きたいと思ったさ。

じゃあ、良かったじゃないか。何も問題無いじゃないか。

ところが、問題大ありさ。ゴルフ・ジューゾウの奴、何を思ったか、せっかくのシーズンだから本物のポストホルンを使いたい、なんて言いだしたんだ。

シーズンだから本物のポストホルン?

あいつ日本の文化をまだ良く理解していないところあるだろ。

日本の文化どころか、人間としての常識に掛けるところがあるってもっぱらの噂だよ。

来日した時に、小さい子供が続けざまにポストに投函に来るのを見て妙に感動してしまったそうだ。それで何故か、日本の師走は年賀状のシーズンだ!って、妙に強烈な刷り込みがされちゃたらしいんだ。

確かに小さな子供が何人も投函に来たら、可愛らしくて印象には残るよな。

まあ、実際は保育園の前のポストで、教育の一環で投函していたらしいけど。

それで本物のポストを借りてステージの傍らに置いておく、聴衆は帰り掛けに感想をポストに投函する、って趣向か。そりゃ確かに嫌だな、評価がすぐ顕になっちゃうもんな。

いや、それならまだ良いんだ。ゴルフの奴、どこからか調達して来たポストにバルブとマウスピース付けてホルンに改造しちまったんだ。ポストを楽器にしちゃったんだ。

えっ!、あの赤いポストを楽器に?!

そう。あの赤いポストを俺吹かされてる。オーケストラの連中、最初見た時みんな大爆笑。そして、これがまた悪かったんだな、ゴルフの奴、大受けと妙な勘違いさ。今だって練習中に決まって何人か吹き出す状態。練習になりゃしない。

ぷっ!、あっ失礼。そりゃ面白そうだな、知り合いにたくさん声掛けて見に、いや聴きに行くよ。

頼むから来ないでくれ~~。

ゴールウェイ(フルート)、コッホ(オーボエ)、アイヒラー(ポストホルン)、ベーム指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(GRAMMOPHON盤)

有名曲でも、ディスクを所有していなかったり、どんな音楽だったっけ?という曲が今だにたくさんあります。

時代もジャンルも辺り構わず色々聴いておりますが、基本的なレパートリーの中にも聴いたことが無かったり、耳に馴染んでいない曲がいくらでもあります。

これらを少しずつ聴き進んで行くのもまたクラシックの大きな楽しみですね。

このポストホルンも実はそういう耳馴染んでいなかった曲。

でも、第4楽章ロンドなどBGM等で使われていて有名なメロディ。こりゃ、さすがに聴いたことありました。

セレナーデなので、もっとソフトタッチの曲だったかな、と思っていましたが、全曲の骨格は交響曲のようにかっちりしています。

そしてそこにオペラの序曲のようなときめき、喜遊曲のような愉快さ、協奏曲のような楽器対比の妙、…各種音楽のいいとこ取りしたような曲。

今朝から4回目を聴いていますが、いつまでも繰り返し聴き続けていたいような音楽ですね。

ベームの厚い暖かい演奏も、ピリオド楽器とはまた違った素晴らしさ、安心感があります。

ところで、昔、N響の千葉馨さんがゴムホースにマウスピースを付けて吹いているのをテレビで見た記憶があります。

どなたかホルン奏者の方、ポストを吹いてみて頂けませんでしょうか!

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