golf130のクラシックお笑い原理主義

オッサンのしがない日常や妄想話とその日聴いた音楽。

ヘンデル「歌劇《セルセ》より」マギーガン

2009-08-27 21:14:07 | Weblog
 我輩は猫である。のみならず顔の真中があまりに突起している。そうしてその穴の中から時々ぷうぷうと烟を吹く。どうもむせぽくて実に弱った。眼を明いて居られぬくらいだ。

 我輩は池の前に座ってどうしたらよかろうと考えて見た。よだれを本の上へ垂らす。我輩は既に十分寝た。もう大人しくして居ても仕方がない。毎日学校へ行く。帰ると書斎に立て籠もる。

 久しぶりに正宗を二三杯飲んだら、今朝は胃の具合が大変いい。胃弱には晩酌が一番だと思う。自分の妻を褒めるのは可笑しいようであるが、僕はこの時ほど細君を美しいと思った事はなかった。頭蓋骨をさすって、しばらく考え込んで居る。

 そしてその縄の所々へ結び目を穴に開けてこの穴へ女の頭を一つずつ入れて置いて、片方の端をぐいと引張って釣し上げた。
「女は髷に結うと、ここが釣れますから誰でも禿げるんですわ」

 うん死んだら棺の中へ鉄扇だけは入れてやろうと思って居るよ。南無阿弥陀仏々々々々々々。難有い々々々。

(夏目漱石「吾輩は猫である」より“抜粋”)

アル中で猟奇趣味の猫のお話の様である。

だから、抜粋は嫌いである。

ジュディス・マラフロンテ(アルト)、ジェニファー・スミス(ソプラノ)、ブライアン・アサワ(カウンターテナー)、デイヴィット・トーマス(バス)、ディーン・エリー(バス)、スーザン・ビックリー(メゾソプラノ)、リサ・ミルン(ソプラノ)、ニコラス・マギーガン指揮ザ・ハノーヴァー・バンド、合唱団(Conifer盤)

バロック60枚BOXより。

この1枚当り100円に満たない激安BOX、抜粋や現代楽器による演奏なども混ざっていて、発売後暫く食指が伸びなかったものですが買って正解でした。なかなか楽しめます。

今日は「禁断の」一枚、単独であれば決して買わなかったであろう抜粋盤です。

有名な「オンブラ・マイ・フ」を含むオペラ。この抜粋盤では、3つの短い序曲に続いて、アルトのこの歌が入ります。

このアリア以外も魅力的な旋律の連続で楽しいことこの上無い。

スッキリ、イキイキ古楽器伴奏による歌唱も良いですね~。

やはり、全曲盤が是非とも欲しいです。

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2 コメント

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BOX用特別版なのかな? (REIKO)
2009-08-28 20:26:51
この録音、全曲盤を持っていますが、抜粋があったとは知りませんでした。
ひょっとしてBOX用の特別版なんでしょうかね?
マギーガンの演奏にしては、「聴ける方」だと思います。
(彼の場合、ハズレも結構あるので・・・笑)

「セルセ」は、短めだけどキャッチーな旋律のアリアが多くて、私も好きです。
当時観客にもっとウケれば、ヘンデルもこの路線で、もっとたくさんのオペラを書いたのでしょうが、そうは行かずに残念です。
返信する
ヘンデルのオペラ (golf130)
2009-08-28 22:13:08
REIKOさん
コメント有難うございます。
ヘンデルのオペラ未知の領域だったのですが、これを聴いて是非全曲盤を聴きたくなりました。
そういう「サンプル盤」として、抜粋盤も意味がありますね。
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