クラシックファンも、コンサートによく行かれる「コンサートゴアー派」と、CD中心の「CDリスナー派」に分かれますよね。
勿論、演奏を楽しまれる方も多いですが、ここではリスニングに限定しての話とします。
私の場合は「CDリスナー派」。
何故そうか?と言うと、CDの方が圧倒的にコストパフォーマンスが高いから、でしょうか。
コンサートの入場料を見ると、これで何枚CDが買えるだろう?と下世話なことをついつい考えてしまいます。
しかも、CDは何回もくり返して名演を楽しめる。1回ポッキリで、演奏の出来がどうか分からないコンサートに比べるとコストパフォーマンスの差は歴然。
「でもねぇ、そうは言ったって実演とCDじゃ全然違うよ~。演奏会の感動にゃCDはとても及ばないよ!」、という声が当然の様に出て来る訳です。
そうだろうなあ~とも、日和見な私は思うのです。
では一体、実演と録音では何が違うの?
「聴こえて来る音が実演と録音では全く違うのだろう」と、最近まで思っておりました。
技術が進歩したとは言え、実際の楽器の音や声の忠実な再現という点ではまだまだギャップが大きいでしょう。
しかし、「コンサートの感動の方が大きい」というのは本当に「音の差」が原因?
それを考察する為にピアノ演奏を例に考えてみましょう。
「ピアノ擬態型高性能オーディオ装置」を想像してみて頂きたいと思います。
外観は全くグランドピアノ。「演奏者」は普通に鍵盤を打鍵出来る。しかし、それによる音は一切発せられず、内部に組み込まれた高性能オーディオ装置からCDの音楽が流れる。「演奏者」は、CDから流れる音楽に合わせて「弾いているふり」をする。
客席にいる人には、あたかも「演奏者」(以下、「演奏パフォーマー」)が弾いている様に見える訳です。しかし聴こえて来るのはピアノの音ではなく、高性能オーディオを介したCDの音。
なお、これは一種の「思考実験」ですから、そんな「ピアノ擬態型高性能オーディオ装置」なんて現在の技術では不可能だとか、CD演奏に合わせて「演奏パフォーマー」が弾いているふりをするなど困難だとか考える必要はありません。そういう物が存在するという前提で考えて下さい。
さて、コンサートホールでこの「ピアノ擬態型高性能オーディオ装置」(演奏パフォーマー付)による定評のある名演奏CDを聴いた場合と、同じホールで生ピアノによる普通レベルの演奏を聴いた場合とで、どちらが感動が大きいでしょうか?
「ピアノ擬態型高性能オーディオ装置」の方が遥かに大きな拍手が得られるように思うのは私だけでしょうか。
名演奏の方はCDの為、当然音質は落ちるのですが…。
「そりゃ、定評ある名演と普通レベルの演奏じゃ、当り前だよ」、とおっしゃる方もいらっしゃいますよね。
それなら、演奏者のレベルを順次上げて行ったらどうでしょう?
そして最終段階で、定評ある名演の演奏者の生演奏と、その演奏者が「演奏パフォーマー」になった「ピアノ擬態型高性能オーディオ装置」によるコンサートを比較したら、実は拍手に差が無かったりして。
勿論、生演奏と「ピアノ擬態型高性能オーディオ装置」を連続して聴いたら音の差が判ってしまうでしょうが、同じようなクラヲタレベル(なんじゃ、クラヲタレベルというのは(笑))の被験者に対して別々に聴かせたら、結果は殆ど変わらないような気が致します。
生演奏の方が「音の情報量が遥かに多いから感動する」のではなくて、今まさしくここで演奏されているという臨場感や、演奏者の姿、一緒に聴いている聴衆との一体感、ホールの雰囲気や開演前の期待感、興奮醒めやらぬ終演後の会場の様子、といった「音楽以外の要素」が実は大きいのではないでしょうか?
ですから、純粋に音楽を聴くだけならCDでもかなり目的が達成出来るのかなあ、と考えております。
しかし、「ああだこうだ屁理屈言ってねえで、本当は単に金が無いからコンサートになかなか行けないんだろ!」と言われると、素直な私は答えます、「はい、そうです」と。(爆)
ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン)、アルベルト・ライマン(ピアノ)(EMI盤)
ワーグナーの歌曲は初めて聴きました。
フィッシャー=ディースカウBOXの中に、レーヴェ、メンデルスゾーンなど入った1枚に1曲だけ入っていたものです。
3分弱の短い曲で、勿論長大なワーグナーのオペラとは雰囲気は違います。
しかし、重々しい開始部や息の長い旋律はやはりワーグナーらしさでしょうか。
ところで、ピアノ演奏では無く歌ものの場合には、「ピアノ擬態型高性能オーディオ装置」を使用してのコンサートはどうなるのでしょうか?
それは勿論、「口パク歌手」が付く訳です。
はるな愛の松浦亜弥の物マネを想像してみて下さい。(何かちょっと違うような…(笑))
「エアあやや」ならぬ「エアフィッシャー=ディースカウ」がステージに登場ですね。
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勿論、演奏を楽しまれる方も多いですが、ここではリスニングに限定しての話とします。
私の場合は「CDリスナー派」。
何故そうか?と言うと、CDの方が圧倒的にコストパフォーマンスが高いから、でしょうか。
コンサートの入場料を見ると、これで何枚CDが買えるだろう?と下世話なことをついつい考えてしまいます。
しかも、CDは何回もくり返して名演を楽しめる。1回ポッキリで、演奏の出来がどうか分からないコンサートに比べるとコストパフォーマンスの差は歴然。
「でもねぇ、そうは言ったって実演とCDじゃ全然違うよ~。演奏会の感動にゃCDはとても及ばないよ!」、という声が当然の様に出て来る訳です。
そうだろうなあ~とも、日和見な私は思うのです。
では一体、実演と録音では何が違うの?
「聴こえて来る音が実演と録音では全く違うのだろう」と、最近まで思っておりました。
技術が進歩したとは言え、実際の楽器の音や声の忠実な再現という点ではまだまだギャップが大きいでしょう。
しかし、「コンサートの感動の方が大きい」というのは本当に「音の差」が原因?
それを考察する為にピアノ演奏を例に考えてみましょう。
「ピアノ擬態型高性能オーディオ装置」を想像してみて頂きたいと思います。
外観は全くグランドピアノ。「演奏者」は普通に鍵盤を打鍵出来る。しかし、それによる音は一切発せられず、内部に組み込まれた高性能オーディオ装置からCDの音楽が流れる。「演奏者」は、CDから流れる音楽に合わせて「弾いているふり」をする。
客席にいる人には、あたかも「演奏者」(以下、「演奏パフォーマー」)が弾いている様に見える訳です。しかし聴こえて来るのはピアノの音ではなく、高性能オーディオを介したCDの音。
なお、これは一種の「思考実験」ですから、そんな「ピアノ擬態型高性能オーディオ装置」なんて現在の技術では不可能だとか、CD演奏に合わせて「演奏パフォーマー」が弾いているふりをするなど困難だとか考える必要はありません。そういう物が存在するという前提で考えて下さい。
さて、コンサートホールでこの「ピアノ擬態型高性能オーディオ装置」(演奏パフォーマー付)による定評のある名演奏CDを聴いた場合と、同じホールで生ピアノによる普通レベルの演奏を聴いた場合とで、どちらが感動が大きいでしょうか?
「ピアノ擬態型高性能オーディオ装置」の方が遥かに大きな拍手が得られるように思うのは私だけでしょうか。
名演奏の方はCDの為、当然音質は落ちるのですが…。
「そりゃ、定評ある名演と普通レベルの演奏じゃ、当り前だよ」、とおっしゃる方もいらっしゃいますよね。
それなら、演奏者のレベルを順次上げて行ったらどうでしょう?
そして最終段階で、定評ある名演の演奏者の生演奏と、その演奏者が「演奏パフォーマー」になった「ピアノ擬態型高性能オーディオ装置」によるコンサートを比較したら、実は拍手に差が無かったりして。
勿論、生演奏と「ピアノ擬態型高性能オーディオ装置」を連続して聴いたら音の差が判ってしまうでしょうが、同じようなクラヲタレベル(なんじゃ、クラヲタレベルというのは(笑))の被験者に対して別々に聴かせたら、結果は殆ど変わらないような気が致します。
生演奏の方が「音の情報量が遥かに多いから感動する」のではなくて、今まさしくここで演奏されているという臨場感や、演奏者の姿、一緒に聴いている聴衆との一体感、ホールの雰囲気や開演前の期待感、興奮醒めやらぬ終演後の会場の様子、といった「音楽以外の要素」が実は大きいのではないでしょうか?
ですから、純粋に音楽を聴くだけならCDでもかなり目的が達成出来るのかなあ、と考えております。
しかし、「ああだこうだ屁理屈言ってねえで、本当は単に金が無いからコンサートになかなか行けないんだろ!」と言われると、素直な私は答えます、「はい、そうです」と。(爆)
ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン)、アルベルト・ライマン(ピアノ)(EMI盤)
ワーグナーの歌曲は初めて聴きました。
フィッシャー=ディースカウBOXの中に、レーヴェ、メンデルスゾーンなど入った1枚に1曲だけ入っていたものです。
3分弱の短い曲で、勿論長大なワーグナーのオペラとは雰囲気は違います。
しかし、重々しい開始部や息の長い旋律はやはりワーグナーらしさでしょうか。
ところで、ピアノ演奏では無く歌ものの場合には、「ピアノ擬態型高性能オーディオ装置」を使用してのコンサートはどうなるのでしょうか?
それは勿論、「口パク歌手」が付く訳です。
はるな愛の松浦亜弥の物マネを想像してみて下さい。(何かちょっと違うような…(笑))
「エアあやや」ならぬ「エアフィッシャー=ディースカウ」がステージに登場ですね。
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