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GetUpEnglish

日常よく使われる英語表現を毎日紹介します。毎日日本時間の午前9時までに更新します。英文執筆・翻訳・構成・管理:上杉隼人

GetUpEnglishについて

毎日更新! GetUpEnglish Updates Every Day! Since April 1, 2006 (c) 2006-2025 Uesugi Hayato(上杉隼人)

APPALLING, SAVAGE

2020-09-02 08:46:12 | A

「鬼気迫る」を英語にするのはなかなかむずかしいが、今日のGetUpEnglishはこの表現を考えてみよう。
 appalling(ぞっとするような、恐ろしい、すさまじい)でもどうにか対応できると思う。

○Practical Example
  Many viewers were overwhelmed by her appalling performance.
  Yeah, she reminded me of Sadako at Ring.
「彼女の鬼気迫る芝居にやられた」
「ああ、『リング』の貞子かと思った」

●Extra Point
  次のような言い方をすれば、いい意味が表現できる。

◎Extra Example
  There was something savage about the persistence with which she pursued victory.
「彼女の勝利への執念は鬼気迫るものがあった」

 


Alice's Adventures in Wonderland

2020-08-21 08:08:46 | A

 Lewis Carroll (1832-1898)のAlice's Adventures in Wonderland(1865)も再読しているが、これもまたすばらしい。

 今日のGetUpEnglishはこの一節を紹介する。

CHAPTER I

Down the Rabbit-Hole

The rabbit-hole went straight on like a tunnel for some way, and then dipped suddenly down, so suddenly that Alice had not a moment to think about stopping herself before she found herself falling down a very deep well.

 Either the well was very deep, or she fell very slowly, for she had plenty of time as she went down to look about her and to wonder what was going to happen next. First, she tried to look down and make out what she was coming to, but it was too dark to see anything; then she looked at the sides of the well, and noticed that they were filled with cupboards and book-shelves; here and there she saw maps and pictures hung upon pegs.

 研究社からすばらしい対訳書、安井泉訳『対訳・注解 不思議の国のアリス』が出て居rので、ぜひそちらを参考にしてほしい。本書から訳を引用する。

第1章

ウサギの巣穴に落ちて

 ウサギの巣穴はトンネルのようにしばらくまっすぐ続いていましたが、突然、縦穴に変わりました。あまりに急な変わり方だったので、止まらなくちゃと考える間もありませんでした。気がつくと、深い井戸のようなところをどんどん落ちていきます。

 その井戸が深いのか、それとも、アリスのおちる速度が極端にゆっくりなのか、落ちていきながら周りをみまわして、これから何が起こるのかしらと考える時間が十分にあったのですから。アリスはまず下を見て、これからどこへ落ちていくのか確かめようとしました。でも、暗くて何も見えません。そこで今度は井戸の周りの壁を見てみました。そこには食器棚や本棚がすき間なくぎっしりと並んでいるではありませんか。それに、あちらにもこちらも地図や絵がかかっています。

 安井泉訳『対訳・注解 不思議の国のアリス』(研究社)より

 やはり文学と読書はすばらしい。


STRONG SENSE OF ACHIEVEMENT

2020-08-10 08:10:18 | A

『半沢直樹』は面白いですね。毎週日曜日夜にこの番組を観るのが楽しみです。

 今回も「倍返しだ!」に加えて、

「お、し、ま、い、death」

「おまえの負けぇーーー!!」 

「土下座野郎!」

「死んでもやだね!」

とどこをとっても名言ばかりです。

 ですが、昨日の第4回放送のこの名ゼリフを今日のGetUpEnglishでは考えてみましょう。

「どんな会社にいても、どんな仕事をしていても、自分の仕事にプライドを持って、日々奮闘し、達成感を得ている人のことを本当の勝ち組というんじゃないかと、俺は思う。」

 これは次のような英語にできると思う。

Whatever company you work for, whatever job you are doing, if you are proud of your job, do your best every day, and feel strong sense of achievement, you are truly a winner. I believe so.

 まったく真理ですね。人生の負け組のわたしは心からそう思います。

 


TO ADMIT

2020-07-29 08:57:52 | A

  動詞admitは「認める」であるが、「告白する」の意味でも使われるし、状況によってはそのように日本語訳したほうがいいこともある。

 今日のGetUpEnglishはこの表現を考えてみよう。

 Oxford Advanced Learner’s English Dictionaryには次のように記されている。

○Practical Example

  • + speech ‘I'm very nervous,' she admitted reluctantly.

 これは「認める」+speechということだから、「認める」ことを口にする、すなわち「告白する」「白状する」ということに結果としてなると思う。

 よって、

「わたしはとても神経質なの」と彼女は告白[吐露]した。

 くらいの日本語にすればいいだろう。

●Extra Point

  Oxford English Dictionaryに次の用例がある。

◎Extra Example

  1975   Country Life 30 Oct. 1133/1   ‘I'm over-acting,’ he admits.

 これは

「大げさに演技しすぎた」と彼は白状した。

 くらいでよいだろう。

 英日翻訳も、日英翻訳も状況から各語の訳を判断するのがいいだろう。

 

 


AFTER ALL

2020-07-19 08:10:14 | A

  after allは「結局」であるが、状況によっていろんな意味で使われる。今日のGetUpEnglishはこの表現を学習しよう。

 つなぎ語として、『コンパスローズ辞典』(研究社)にあるように、次のように使われる。

○Practical Example

  We should let him decide. After all, it's his life, not ours.

「彼に決めさせるべきだ. だって彼の人生であって, 私たちのではないのだから」

●Extra Point

  以下のように文中に使われることもあるので、注意しよう。after allは「なんといっても」といったニュアンスで使われることがある。

◎Extra Example

  Finally, there was movement on the sale of the painting. Sotheby’s told Simon, Parish and Adelson that they should go to Paris to meet an agent for the buyer. Adelson, who had after all been brought in because of his selling skills, duly went to Paris for a meeting on 10 April 2013.

「ついに交渉に動きがあった。サザビーズはサイモンとパリッシュとアデルソンに、パリに行って購入者の代理人に会うように告げた。その販売手腕から絶対に交渉の場に必要だったアデルソンは当然パリに飛び、二〇一三年四月一〇日の会合に臨んだ」

 dulyはこちらのGetUpEnglishの記事を参照。

 https://blog.goo.ne.jp/getupenglish/e/9cb04c5ec4694fc47c6f63ea14250893

 

 


WHILE GETTING AN ACCELERATED COURSE THEMSELVES

2020-07-06 08:50:01 | A

 ミネアポリスで黒人男性ジョージ・フロイドさんが白人警察官によって拘束死させられた事件を契機に、アメリカ全体で抗議デモが起こっている。
 これはアメリカが抱える長い黒人差別の問題が根差している。
 https://blog.goo.ne.jp/getupenglish/e/5c2cf7dcbea928d39aa37f9592b29cd2
 昨日のGetUpEnglishはこのニュースを紹介した。
 https://www.nytimes.com/aponline/2020/06/23/us/ap-us-racial-injustice-white-parents-black-children.html
 https://blog.goo.ne.jp/getupenglish/e/457a12660193b2eddb50fb8d33fd393e

 本日のGetUpEnglishもこの記事から紹介する。

○Practical Example
Sarah Dunn, a white woman raised in rural Kansas, has learned much about race since she and her husband, Josh, took custody of Izzy six years ago. Still, she wasn’t ready for Izzy’s response to the Floyd incident.
 “When we talked, he said, ‘But now I’m kind of afraid to drive,’” she said. “And that’s not something that we have ever had to think about.”
「カンサスの田舎で育ったサラ・ダンは、夫ジョシュととともに6年前にイジーを養子に迎えてから、人種問題について学んでいる。まだフロイド殺害事件に対するイジーの反応を受け止めることができない」
「イジーは『今はこわくて運伝できないかも』と言うんです。これまでそんなこと考えたこともありませんでした」

 take custody of...は「…の親権を取る」

●Extra Point
  ニュースはつづく。

◎Extra Example
The Associated Press discussed race with six white couples who have adopted or have custody of Black children. These parents are trying to help their children understand race in America while getting an accelerated course themselves.
 AP通信は黒人の子供を養子に迎えた6組の夫婦に話を聞いた。どの夫婦も子供にアメリカの人種問題について教えると同時に、自分たちもそれについて急いで学んでいる。

 while getting an accelerated course themselvesは「その一方で自分たちも大急ぎで学ぶ」

 写真はサラ・ダン、ジョシュ・ダン、イジーたち家族だ。


In the Woods Beneath the Cherry Blossoms in Full Bloom by Ango Sakaguchi

2020-05-17 02:05:16 | A

  坂口安吾の『桜の森の満開の下』は大好きな小説だ。
 文章が美しく、神秘的な物語はぐいぐい読ませる。
 これはたくさんの英訳があるが、最後の部分は次のように訳せると思う(坂口安吾、ロジャー・パルバース訳『英語で読む 桜の森の満開の下』[ちくま文庫、絶版]を参照した)。

 桜の森の満開の下の秘密は誰にも今も分りません。あるいは「孤独」というものであったかも知れません。なぜなら、男はもはや孤独を怖れる必要がなかったのです。彼自らが孤独自体でありました。
 彼は始めて四方を見廻しました。頭上に花がありました。その下にひっそりと無限の虚空がみちていました。ひそひそと花が降ります。それだけのことです。外には何の秘密もないのでした。
 ほど経て彼はただ一つのなまあたたかな何物かを感じました。そしてそれが彼自身の胸の悲しみであることに気がつきました。花と虚空の冴えた冷めたさにつつまれて、ほのあたたかいふくらみが、すこしずつ分りかけてくるのでした。
 彼は女の顔の上の花びらをとってやろうとしました。彼の手が女の顔にとどこうとした時に、何か変ったことが起ったように思われました。すると、彼の手の下には降りつもった花びらばかりで、女の姿は掻き消えてただ幾つかの花びらになっていました。そして、その花びらを掻き分けようとした彼の手も彼の身体も延した時にはもはや消えていました。あとに花びらと、冷めたい虚空がはりつめているばかりでした。

No one living today can fathom the mystery of the space in the woods beneath the cherry blossoms in full bloom.  It might be what we know as solitude behind the mystery.  After all,the man no longer had his solitude to fear. He was solitude personified.
 He looked all around him now. Overhead hung cherry blossoms.  The space below them was nothing but a silent and limitless void...the petals falling in the hush. That was all. There were no other mysteries here.
 After some time he felt just only something lukewarm.  And he realized that it was sadness coming from his own heart.  Little by little he sensed in himself a warm swelling as he was being enveloped by the biting cold of the flowers and the void.
 He tried to brush away the petals on the woman's face. But something very strange seemed to occur when his hand had almost reached her face. All that was below his hand was a sheet of cherry blossoms.  The woman's figure had vanished into a blanket of fallen petals.
His body, as well as the outstretched hand pushing the petals away, had already disappeared. All that was left to fill the space were petals and freezing emptiness.

 桜の森の満開の下の秘密は誰にも今も分りません。あるいは「孤独」というものであったかも知れません。なぜなら、男はもはや孤独を怖れる必要がなかったのです。彼自らが孤独自体でありました。

この「なぜなら」のつながりがはっきりしないが、

 桜の森の満開の下の秘密は誰にも今も分りません。あるいは「孤独」というものであったかも知れません。男はもはや孤独を怖れる必要がありませんでした。彼自らが孤独自体でありました。

くらいに解して、無理にbecauseやforなどの理由を表す接続詞を使う必要もないと思う。

 日本文学の翻訳も少しずつ試みているが、まずは日本人が訳して、信頼できるネイティブ・スピーカーに念入りにチェックしてもらうというのが理想的な日英翻訳かもしれない。坂口安吾であれば、「夜長姫と耳男」(1953)をまずは英語にしてみたい。

 


ASSERTION

2020-04-08 01:11:09 | A

 assertionは「主張、断言、断定」。
 すでに2010/11/13のGetUpEnglishで学習しているが、
 https://blog.goo.ne.jp/getupenglish/e/ffcded2b0243f6e5a6fadf549e427749

 今日は少し違う言い方も紹介したい。

○Practical Example
Neither of them would give an inch in his assertion.
「ふたりとも自分の主張を一歩も譲らなかった」

his assertionとあるように、neither が主語のときは単数扱いが原則だ。

●Extra Point
  Ralph Waldo Emersonのこの名言を。

◎Extra Example
 Flowers… are a proud assertion that a ray of beauty out values all the utilities of the world. ―― Ralph Waldo Emerson
 どの花も高らかに主張する……漏れ出す一筋の美しい光が世界はすべてひとつであると讃えていると。ラルフ・ウォルド・エマーソン

 ついに「緊急事態宣言」が発令され、5月6日まで外出の自粛が求められます。管理人も基本的に自宅勤務となりました。
 孤独な引きこもり期間がしばらくつづきますが、ここにUPしたような美しい花を見て、このおそろしい状況から解放され、世界がふたたびひとつになり、いろんなことを一緒に心から楽しめる日が訪れることを祈っております。
 GetUpEnglishはもちろんこのあいだもずっと続けます。
 暗黒の日々がつづきますが、ぜひ毎日チェックしてみてください。
 Please keep clicking on GetUpEnglish every day even in the darkest days.

 


NOW IS A MOMENT TO MAKE OUR SOCIETY ANEW

2020-03-31 08:46:00 | A

 The New Yorkerは現在、コロナウイルスに関する記事を無料で読めるようにしてくれている。
 本日、このすばらしい記事があった。
 https://www.newyorker.com/news/our-columnists/reality-has-endorsed-bernie-sanders

 今日のGetUpEnglishはこの記事から紹介する。

The Sanders campaign was an entry point to this discussion. It has shown public appetite, even desire, for vast spending and new programs. These desires did not translate into votes because they seemed like a risky endeavor when the consequence was four more years of Trump. But the mushrooming crisis of covid-19 is changing the calculus. As federal officials announce new trillion-dollar aid packages daily, we can never go back to banal discussions of “How will we pay for it?” How can we not? Now is a moment to remake our society anew.
 サンダースによる運動はこの論議の出発点だった。巨額の資金注入と新しい計画の導入を大衆が求めている、切に願ってもいることを示したのだ。こうした人々の願いは危険なかけである、今後さらにトランプ政権を4年続かせてしまうことになりかねないものと映り、投票者に浸透することはなかった。だが、急速に広がるコロナウイルスの危険性がこうした考え方を変えつつある。閣僚たちが毎日のように1兆規模の新たな支援対策金の導入を発表するなか、「誰がそれを払うのか?」「抑えることはできないのか?」といったことをこれまでのようにのんきに論じているわけにはいかない。今こそわれわれの社会を刷新するときなのだ。

 It has shown public appetite, even desire, for vast spending and new programs.のあたりは「巨額の資金注入と新しい計画に対する大衆の願いと強い欲求を示した」ということだが、試訳くらいに意味をはっきりさせていいと思う。

 These desires did not translate into votes because they seemed like a risky endeavor when the consequence was four more years of Trump.を「こうした人々の願いは、トランプ政権をさらに4年続くときに危険な賭けになるように思えるから、投票者に浸透することはなかった」としまうと、まるで意味がはっきりしない。接続詞whenの意味を取り違えているからだ。whenは「……するときに」であるが、ここでは明らかに「 …を考えると, …だから; …にもかかわらず, …なのに」(ルミナス)の意味で使われている。以下の『ルミナス』の例文も参照してほしい。

 I can't go when I haven't been invited. 私は招かれていないのだから行くわけにはいかない.

 そしてwhenの前後はどちらから訳してもいいだろうし、次の文とのつながりで判断すればいいので、ここでは試訳のように訳した。

 今一緒に仕事をしている編集者のHさんがとてもすばらしい方で、「読者に翻訳を読んでいると思わせない配慮が必要な時があります」とやさしくアドバイスしてくれた。以来、それを常に思い出すようにしている。
 文芸作品やそれに強く影響を受けたノンフィクションを訳している時は、原文の感覚を伝えるために、むしろ翻訳であるとわかっていただく文体にしたほうがいい場合もあり、「読みやすさを優先する訳」が必ずしもいいわけでないが、多くの読者は原文と突き合わせて読むようなことはしないので、「一発で読んでわかる訳文」にすることは確かに必要だ。
 ただ、それをするには、センテンスレベルで訳していくのではなく、全体をよく見て、「この文は全体に対して何を言っているか、どういった役割をはたしているか?」と考えることが大事だと思う。

 


AS MUCH

2020-03-30 08:41:18 | A

 as muchは「(ちょうど)それだけ、その程度、それくらい、そのように」
 今日のGetUpEnglishはこの言い方を確認しよう。

○Practical Example
"Sorry, I haven’t done my job yet." 
"I thought as much."
「すみません、まだ仕事に手につけていないのです」
「そんなことだと思いました」

●Extra Point
  もう一例。

◎Extra Example
After a long look at her, he professed as much. “Not that you care, but I love you,” he  said.
「しばらく彼女を見ていたが、彼はそうだとばかりに白状した。『知ったことじゃないだろうけど、きみが好きだ』」

 

 

 


AROUND

2020-02-21 08:19:08 | A

 英語でむずかしいのは、簡単な語が状況によってまったく違う意味で使われることだ。ネイティブスピーカーはなんとなくわかるのだが、ノンネイティブスピーカーが十分に対応できないことも少なくない。
 いちばんまずいのは、その意味を突き止めずに都合よく解釈してしまうことだ。いろいろ調べてみたが、どうしてもわからず、最終的にこう判断したということであればやむをえないが、それもせずに独自の解釈をするのはよくない。
 たとえば、現在翻訳調整中の本にこの表現がある。

○Practical Example
When I pressed Parish for further clues, all he would say was that the seller was not an aficionado. ‘A lot of people don’t know, don’t care, and don’t have any aspirations to own art,’ he said. ‘Their attitude is, “I don’t want this painting. I’d much rather have a car.” If you’ve been around it as long as I have, you know that there are some people who don’t give a damn about art. My God, most Americans don’t. It’s not part of their world.’ He looked at me and beckoned with his finger: ‘“OK. Give me the painting.”’

 このaroundはうしろにitがあることから、前置詞と思われるし、そしてitが何を指すかと言えばその前のthe attitudeだろう。

 なので、こんなふうに訳せばよいと思う。

 さらに情報を求めてパリッシュを突(つつ)いてみたが、売手は美術品にそれほど入れ込んでいなかったという返答が返ってくるだけだった。「多くの人たちはわたしたちがどれほど美術に情熱を注いでいるか知らないし、気にも留めないし、そうありたいとも思わないのです」とパリッシュは言った。「あの人たちは『この絵はいらない。それより車がほしい』という態度を示します。わたしと同じような思いをすれば、美術にはまるで興味がない人たちもいるとわかるでしょう。残念なことに、ほとんどのアメリカ人がそうです。あの人たちの世界に美術はありません」。パリッシュはわたしを見つめて指を動かした。「わかりました、その絵を売ってください」

 you’ve been around itは「彼らの態度の近くにいる」ということなので、訳出した意味でその感じは出ると思う。
 英語はわからないときは品詞を分析し、各単語のcore meaning(中心の意味)から判断して、書かれている英文をイメージしてみことが大切だ。それによってネイティブ感覚がつかめるし、その表現を覚えることもできる。

●Extra Point
 このaroundはこのように使われる。研究社の「新英和大辞典」の用例がいつも大変参考になる。

◎Extra Example
 He is around the house. 
「彼は家のどこか(中または近く)にいる」

  大切なのは、自分でも話したり書いたりして使ってみることだと思う。英日翻訳を専門としていても、日英、英語で直接書いたり話してみることが大切だ。
 

 管理人は日英翻訳、あるいは英語を直接書いたり話したりすることも多い。
 明日のGetUpEnglishからもう長年お世話になっている「英語便」のネイティブ添削のサービスのすばらしさを紹介してみたい。ご期待ください。

 https://www.eigobin.com


ALTERNATIVE, TIME AND AGAIN, SO BE IT, POST-TRUTH, ETC.

2020-01-20 08:39:51 | A

  400ページを超える本だが、(まだ調整に時間がかかりそうだが)どうにか3か月で訳了できた。
 本日のGetUpEnglishはこの本にあった気になる表現を紹介する。

Martin Kemp and Margaret Dalivalle have researched the painting for almost a decade without taking a penny in payment for their labour, a remarkable commitment. Dianne Modestini’s restoration was elegant and necessary: the painting was in such poor condition that the alternative would have been the dustbin. For all of these individuals there was no certainty of success, and time and again victory eluded them. In the end they got their picture over the surprisingly thin line that divides the masterpiece from the mediocre. If the attribution of the painting to Leonardo is at the moment based more on feelings than on facts, then so be it – this is a Leonardo for our age, a post-truth Leonardo.
 マーティン・ケンプとマーガレット・ダリヴァレはほぼ十年間、一銭の報酬を得ることなく『サルバトール・ムンディ』の調査をつづけたのであり、誠に立派だ。ダイアン・モデスティニの修復作業はすばらしいものだったし、必要であった。絵はあのような劣悪な状態にあったし、彼女がそれをしなければ破棄されていただろう。こうした者たちは誰ひとり成功を約束されていなかったし、その手から何度も勝利がこぼれ落ちた。最終的に彼らがその絵を置くことができたのは驚くべき薄い線の上で、左に転がれば傑作、右に転がればまがい物と見なされるようなところだった。もし各種の事実ではなくさまざまな感情に基づいてこの絵がレオナルドのものと判断されれば――それはそれで仕方ないが――、われらの時代のレオナルドとして、事実ではなく感情に訴えるポスト真実(注)のレオナルドになる。

 the alternative would have been the dustbinだが、alternativeはこの場合は「どちらか選択すべき二つのもの(のうちの一つ)、 […の代わりに]他に取りうる[残った]方法」とうこと。次のように使われる。
 信頼できるKOD(研究社オンライン辞典)の「英和大」辞典に次の例分がある。
 The alternative to death was surrender. (死を選ばないとするなら降伏するよりなかった.)
 He was given the alternatives of going and [or] remaining. (行くか残るかのどちらかにせよと言われた.)
 The alternative is (to) compromise. もう一つの手段は妥協(すること)だ.

 なので、ここでは上のように訳せばいいだろう。

 time and againはtime and (time) againで、「何度も、再三」。これもKODにあたれば、いろんな辞書の定義がヒットするのでありがたい。

 In the end they got their picture over the surprisingly thin line that divides the masterpiece from the mediocre.は英語のイメージがわかるような日本語にしたい。

 so be itにも注意。KODの「ルミナス」には、「それならそれでしかたがない《不本意な承諾などを表わす》」とある。

 post-truth(ポスト真実)は「客観的な事実が重視されず、感情的な訴えが(政治的に)影響を与える状況」のことで、2016年にオックスフォード大学出版局の辞典部はこの語を「今年の流行語」に選んでいる。

 以上、これだけの英文のなかにも学ぶことはたくさんあるし、日本語に翻訳するとなると注意すべきこともたくさん出てくる。大切なのは、日頃から英文をできる限りたくさん読んでおいて「この表現はどういうことだろうか?」と注意する気持ちを常にもつこと。英語が完璧に読めていなければ、満足できる翻訳はできない。

 そして辞書をよく引くことももちろん大切だ。そしてこのように翻訳や英語学習をしながら辞書を引くことが大切だ。

 管理人は翻訳を専業とすることができず、翻訳の作業期間はかなり限られている。だが、毎日訳せる分量は限られているので、日々家でどうにかその時間を取って、作業を進めている。


NOT ABOVE

2019-12-21 07:56:28 | A

前置詞aboveは「…より上に[で]」であるが、「 (人が高潔[高慢]で)…を潔しとしない、(悪行など)をしない」の意味で使われる。

今日のGetUpEnglishはこの表現を学習する。

○Practical Example
He is not above doing the dishes. 
「彼は嫌がらずに皿洗いをする」

●Extra Point
  ただ、否定文では「…するのを恥ずかしいと思わない」「~しかねない、~しても平気だ」の意味で使われることもよくあるので注意しよう。

◎Extra Point
She is not above deceiving others to get her way.
「彼女は自分の思い通りにするためなら、平気で人をあざむく」

☆Extra Extra Point
  もう一例。

★Extra Extra Example
 I don't trust her. She is not above lying to me.
「彼女を信用してない。わたしに平気で嘘をつくから」

 


MAKE ADVANCES

2019-12-11 08:30:48 | A

 make advancesは、「(女性に)言い寄る、アプローチする、(女性を)口説く」の意味で使われる。

 今日のGetUpEnglishはこの表現を学習する。

○Practical Example

  Let's leave, Wanda. That man has been making advances at me.

「出ましょう、ワンダ。あの男が言い寄ってきてるの」

●Extra Point

  もう一例。

◎Extra Point

  Tony tried to make advances on Natasha during the party last week.

  「トニーは先週のパーティでナターシャを口説こうとした」

 


AS... AS ANY ~

2019-12-01 08:00:56 | A

 as... as any ~で、「どの~にも劣らず…、誰にも負けず…、非常に」

 今日のGetUpEnglishはこの表現を学習する。

○Practical Example

 Aiko works as hard as anybody.

「愛子はだれにも負けずに熱心に勉強する」

 workは「勉強する、努力する」の意味でも使われるので注意。

●Extra Point

  信頼できる『ルミナス英和辞典』に、以下の説明がある。

必ずしも最上級と同じ意味ではないことに注意. 次の 2 例を比較せよ: She is as hard-working as any (other) student in the class. 彼女はクラスのだれにも引けをとらないほど勤勉な学生だ / She is the most hard-working student in the class. 彼女はクラスで一番勤勉な学生だ.

 もう一例。

◎Extra Example

  His cooking is as good as any chef could make.

「彼の料理はくろうと並みだ」