お正月にプレイバックします。元日付け朝日新聞です。今、日本の25~35歳世代をロストジェネレーションとする連載は後日ゆっくり考えるとして、今日は15面の高島屋の全面広告(写真1)の話です。
大きく“花はどこへ行った”と書いたモノクロの写真。ロックフェスティバルで左手をあげる女性の後ろ姿です。60年代生き残り世代の私らには、グッとくる広告でした。使われた写真は、Venice Beach Rock Festival ,1968,California,USAです。撮影者は、Dennis Stock。
高島屋のイメージ広告です。次のようなコピーが書かれています。
<ダンカイの世代が、新しい出発する日本で、そのジュニアたちも、新しい道を探します。そして、そのグランド・ジュニアたちもまだカタチにならない夢を心に描いています。伝統と文化という長い長い道のりをお客さまと歩いているタカシマヤも、それぞれの道に花を飾ります。その第一歩は、ダンカイすなわち70年代自由と長髪のフラワーチルドレンたちの青春の聖地、東京新宿から。07、ラッキーセブンの年の、春に動きます。>
野に咲く花はどこに行ったの? 少女が摘んでいった。
その少女はどこに? 皆嫁いでいった。
その若い夫たちはどこに? 皆兵隊に行った。
その兵士はどこに? 皆墓場に行った。
その墓場はどうなったの? 花で覆われました。
その花はどこに行ったの?
写真2;ピート・シーガーは健在です。
2007年があけて今、まさに、イラク戦争がベトナム戦争の様相を呈してきています。
そういう今、高島屋が、この“花はどこへいった”と大きく歌うことに、感動を覚えるのです。
ただ、消費の雄である“デパート”の考えも広告クリエイターの思いは、たぶん違うところにあるのでしょう。
“どんな花が世界中で一番美しいだろうか。春の洛陽に咲き誇る牡丹にあらず、宗匠が茶室に飾る一輪にあらず、ティロルの山の斜面をおおう秋草にあらずーーー”
“1960年代後半に、アメリカのベトナム戦争に抗議してワシントンに集まったヒッピーズが、武装した兵隊の一列と相対して地面に座りこんだとき、ひとりの女性が、眼のまえの無表情な兵士に向かって差しだした一輪の小さなほど美しい花は、地上のどこにもなかったろう”
【おまけ】
*70年の聖地だったとは思いませんが、ほんとに混沌としていて刺激があった“新宿”の、その頃にはなかった高島屋に行ってみましょう。
* 柏の高島屋は増築、流山の高島屋系のショッピング・センターの完成も近々らしい。ここにも“花はどこへいった”のコンセプトがあるのかどうか、よく知りません。
* 世界で一番きれいな花のシーンの“有名な”写真が載っている本を持っているはずです。また、その花を差し出した女性の、その後を追ったNHKの番組が、2、3年前にあって録画しています。が、いずれもすぐに出てきませんでした。探します。
*ついにパソコンがドック入りです。それで、不慣れなMAC-Ibookを使っています。直接HTMLにすることができず、写真の扱いが思うようにレイアウトできません、なかなか自由にならないのです。
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