病院の本棚から、シルクロード<楼蘭探検>への夢がまたふくらみます(2008.12.5)

2008-12-05 17:43:01 | Weblog

*右(本1);病院の本棚の本(ただし、わが家の本です、念のため)。左;平山郁夫さんの絵<楼蘭の遺跡>1987年作品。

 書くまいと思っていましたが、事実ですから。2,3日前(12月1日)、病院にいきました。
 当地から東へ30分、利根運河を越えたあたりの国立の、と書けば、わかってしまいますし、この界隈で住んでいる人には、<えっ>と思うでしょう。病院名は書けません。でっかく病院名の入った写真も載せられません。無用な心配をさせることになります。

 国立です。大きな病院です。天井の高い広いロビーです。診療手続き待ちの間に、隅の壁際に本棚があることを見ていました。病院には、どこでも患者のため、あるいは入院患者がおいていった本などを自由に読める本棚があります。診察待ちのわずかな間に、<元気に>本棚をチェックします。
ボランティア・グループのスタンプが押してありますが、貸し出し管理はなさそうです。

 黙って借りて帰ろうと思うほどの<掘り出し物>ありません。
シルクロード<幻の楼蘭(ローラン)>があって、待ち時間に読み始めました。正確にはいえませんが、1980年頃だったでしょうか、NHKのスペシャル番組<シルクロード>を、夢中(?)で見ていました。中でも、幻の古代都市・楼蘭<ローラン>に砂漠の中をたどりつく探検は、<いつかは行ってみたい>と探検旅行・発掘旅行に憧れをいだいていました。
 楼蘭は、中国の西の端、<新疆ウイグル自治区>にあります。

 病院にあった本、シルクロード<幻の楼蘭(ローラン)>は、昭和55年の発行になっています。むろんわが家の本棚にもありますが、ずっと後に古本屋で買ったものです。すっかり記憶も薄れています。
 病院の待合室で、久しぶりに<幻の楼蘭(ローラン)>にはまってしまいました。
冒頭に、井上靖さんがエッセイ(解説)を書かれており、その時より22年前に書かれた小説<楼蘭>の書き出しが載っています。

 <楼蘭が東洋史上にその名を現して来るのは、紀元前120、130年前で、その名を史上から消してしまうのは同じく紀元前77年であるから、前後わずか50年程の短い期間、この楼蘭国は、東洋の歴史の上に存在していたことになる。いまから2000年ほど昔のことである。>

 井上靖さんは、楼蘭の衰亡・消滅には、砂漠・砂の猛威もあったと書かれています。楼蘭のそばには湖があったのですが、砂漠の広大な<水たまり=ロプ・ノール湖>は、年々位置と大きさをかえます。今や砂漠で、跡形もありません。自然の力と2000年の歴史の長さを思います。

 ただ、昭和55年(1980年)から、30年たった今は、地球環境の変化は、地球上のどこにでも砂漠化する切迫感を起しています。当時に、井上靖さんでさえ、身近に砂漠化を想像されなかったでしょう。

 地球上の全て都市の<楼蘭化>は、後2000年もすれば、必ずやってくるかもしれません。 そんな風なことを思って、再読を始めました。
 楼蘭に行きたいなあ、と思っているわけです。

     【おまけ】

 *NHKの番組<シルクロード>の後、私に<楼蘭行きの夢>を感じさせたのは、朝日新聞・テレビ朝日の<探検(?)>です。それで、病院から帰って<ウチ>の本棚から、その頃の記憶を探し出します。
当時、朝日・テレ朝は楼蘭探検、読売・日テレはエベレスト登山に懸命でした。

 *1980年;<本1>シルクロード<幻の楼蘭(ローラン);1980年3月、NHK取材班序文は、井上靖さん。

*左;<本2>、右;<本3>、朝日新聞・テレビ朝日の楼蘭探検(第1次・第2次)の報告です。

 *1988年;<本2>シルクロード幻の王国・楼蘭からの手紙(楼蘭テレビ探検隊の記録);1988年9月15日~10月22日、著者は、テレビ朝日ディレクターの田川一郎さん。椎名誠さんも参加。三菱パジェロを連ね陸路の探検隊。インマルサット(海事通信)衛星を使って、即刻の通信・写真電送を実現。そのことに私もほんの少し関係、いや応援。

 *1989年;<本3>はるかなる楼蘭(朝日新聞第2次楼蘭探検の記録);1989年10月~11月、著者は、松本崇夫さん(朝日新聞記者)楼蘭学術文化訪問団の事務局次長。序文は、平山郁夫(団長)、奥さまの平山美智子さん、渡辺一枝さん(椎名誠夫人)も参加。ヘリコプターで楼蘭に飛び、楼蘭城址に着陸。

*<本4>;地図が綴じこんであります。

 * 1995年、2000年;<本4>楼蘭への旅=ロプ・ノール旧湖床南北縦断記;1995年10月の旅は第1回楼蘭学術会議の後の楼蘭への巡検。2000年3月の旅は楼蘭発見百年記念の際の楼蘭への旅、と書かれている。著者は、金子民雄さんは、中央アジア史専攻の学者さんらしい。発行は、2002年4月、JTB。

*日本が1920年代に作っていた<【羅布泊=ロプ・ノール】の地図。真ん中の水色部分が幻の湖<ロプ・ノール>です。現代の地図には、湖がありません。

* <本4>のいいのは、2枚の地図が綴じこんであることです。探検紀行を読むのに地図が入ってないと興味が半減します。地図がついていたから買ったのかもしれません。
①2000年の地図。はじめて<新疆>が一般旅行者に開放された際、当時の日本交通公社が雑誌<旅>に付録としてつけたものの20年ぶりの改訂版。
②1920年代の地図、大正時代に、日本の陸地測量部画作成した10万分の1の【羅布泊=ロプ・ノール】の複製。そんな時代に中国内陸奥地の地図が日本で作られていたことは大変な驚きです。

  【おまけのおまけ】

*幻の湖・ロプ・ノールは、今、砂漠に埋まっています。が、春日部にあります。春日部駅東口に、<ロプ・ノール>という名のレストランがあります。10年ぐらい前、初めて見つけたとき、わくわくした気分で入りました。普通の<ファミレス>、しかもチェーン店でがっかりしたのです。


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