「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

移送の依頼から、精神障害者と会うまで (2)

2006年12月15日 11時37分10秒 | 車椅子社長/無意識の彷徨/コンビンサー
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/43244296.html からの続き)

 親分肌の押川氏は 社員に対する指導も 手厳しいが、何よりも人材を大事にしている。

 スタッフは リストをもとに、移送先の病院に 片っ端から電話をかける。

 しかし 入院先を確保するのは 困難を極める。

 病院側は、難しい患者を受け入れて 事件を起こされては

 責任が取れない と言うのだ。

 一方 警察は、事件を起こすまで 立ち入れないと言う。

「事件を起こして 措置入院させればいい」

 と言う あり様である。

 そうならないよう 病院で治療するべきなのに 本末転倒だ。

 保健所などの 行政も腰が重い。

 家族も 世間体ばかり考えて、患者のことを隠したり、

 厄介者払いのために 入院させようとすることが 少なくない。

 そしてマスコミも、精神障害者の問題は

 人権が絡むための 批判を恐れて 触れたがらない。

 皆が 精神障害者の抱える問題から 逃げている、と押川氏は訴える。

 彼は、入院の必要を認めない病院に 患者のビデオを見せて、

 症状の深刻さを 証明することもある。

 周囲が 精神障害者の現状を もっと理解し、受け入れ体制があれば、

 早期発見 早期治療ができ、問題を深刻化させなくてすむのだ。

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/43307536.html