「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

コンビンサー企画意図(1)

2006年12月09日 13時09分32秒 | 車椅子社長/無意識の彷徨/コンビンサー
 
 「コンビンサー」 という仕事を 知っていますか? 

 精神障害者 移送サービス。

 入院が必要な精神障害者を 病院につなげる職業です。

 
 5年前に作成してボツになった ドキュメントの企画書を連載します。

 【参考文献「子供部屋に入れない親たち」 押川剛(幻冬舎)】

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引きこもり、 うつ病による自殺、 精神障害者の凶悪事件……。

 昨今 メディアでも しばしば取り上げられる、

 心の病を 抱えた人たちに 関わる問題は、

 暗く 危険なイメージで 語られがちだ。

 4年間 部屋に閉じこもり、汚物と生ゴミの山の中で 暮らしている女性。

 締め切った家の中で 裸で母親に抱かれたまま 寝ている 40代の男性。

 家の中を 原形がとどめないほどに壊して 暴れまわる男性……。

 そんな患者たちを 目の当たりにしながら、

「私は 精神障害者が好きだ。」

 と 明言する男がいる。

 押川剛 (おしかわ つよし)、 33歳 (2001年 当時)。

 精神障害者は このような形でしか 自分の内面を表せないほど

 苦しんでいる人であり、 最も純粋な人, 決して嘘をつかない人だと

 押川氏は信じている。
 

 押川氏は、トキワ警備会社・トキワ精神保険事務所の 代表を務め、

 精神障害者移送業を 行なっている。

 精神障害者移送サービス という仕事は まだあまり知られていない。

 入院が必要なのに それを拒む 精神障害者を、

 説得して 病院まで同行し、医療につなぐ仕事である。

 またの名を 「コンビンサー」 。

 ただし、患者の首に縄を付けて行くなど、

 決して 強制的に 病院へ連れていくのではない。

 あくまで 本人の意思で 入院してもらうまで、押川氏は 患者とじっくり話し合う。

 「コンビンサー」 とは、 「納得させる人」 という意味なのだ。

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/43101088.html