「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

境界性パーソナリティ・スタイルになるために (1)

2006年12月24日 13時09分25秒 | 「パーソナリティ障害がわかる本」 より
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/43517719.html からの続き)

 境界性パーソナリティ障害の人は 感情的になるとそれで一杯になり、

 自分も相手をも 呑み込み尽くしてしまいます。

 でも 人との関係を壊さないために、先方に何でも 要求しすぎないことが肝心です。

 一遍に没入しないよう 欲求をセーブし、

 一歩一歩 相手との関わりを作っていくことです。

 大切な人であればあるほど、少しずつ歩んでいくほうが かえって絆が深まります。

 少し飽き足りないくらいのほうが 長続きするし、良い人間関係ができるのです。
 

 また 気持ちが沈んだり 不安になるときは、

 とやかく考えるよりも、今は疲れているのだと思って

 早く休んだり のんびりするほうが賢明です。

 逆に 境界性パーソナリティ障害の人は、

 調子がいいときは 頑張りすぎてしまいがちです。

 そういうときには 無理をしないようにし、

 調子がよくないときには じたばたしないよう 注意してください。
 

 パーソナリティ障害の人は 親に対しての執着が かなり深いと言えます。

 親に強い愛着を持つ一方、怒りや憎しみなどを感じており、

 このジレンマが 本人にも周囲にも 辛い思いをさせてしまいます。

 でもいつかは 親から自立していかなければなりません。

 そして、親のほうにも そうならざるを得なかったのだという理由や、

 様々な事情があったということを 知っていくことが必要です。

 広い視野で見られるようになれば、親に対するネガティブな気持ちも和らぎ、

 自分にとって大切な人として 受け止められるようになるでしょう。

 そのためにも、お互いに問題から逃げず 正面から向き合って、

 何度も繰り返し 関わり合っていくことが 求められます。

 そういうプロセスを経過して、真の親子の縁を 回復することができます。

 親としっかり 結びついていることが感じられれば、

 親との確執から 解放されていくのです。

〔 岡田尊司 「パーソナリティ障害がわかる本」 (法研) より 〕

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/43577077.html