「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

コンビンサー 企画意図(3)

2006年12月11日 11時19分10秒 | 車椅子社長/無意識の彷徨/コンビンサー
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/43101088.html からの続き)

 従来 この仕事は 「搬送」 と呼ぶことが多く、

 主に 警備会社やタクシー会社が 精神障害者を す巻きにしたり 手錠をかけたり、

 全くの水面下で 行なってきた。

 押川氏は それに強い疑問を持ち、 精神障害者の 人権を守るため、

 言葉だけで 患者を説得してきた。

 精神障害者移送に対する 周囲の誤解と 批判が渦まくなか、

 押川氏は 移送を積み重ねてきた。

 1999年、 精神保健福祉法が改正され、

 精神障害者移送が 法的に位置づけられるようになった。

 押川氏の実績が 認められ始めたのだ。

 誰もが不可能と言われたことを、情熱と行動力で 徐々に可能にしてきた。

 彼の エネルギッシュな生き様は 我々に活力を与え、

 人との関わりが 薄くなった現代人に、

 人間らしい触れ合いを 思い起こさせてくれるだろう。
 

 心の病は、決して異常なことでも 隠すべきことでもない。

 誰にでも起こりうる、普通の病気と 同じなのだ。

 そういう情報が 表に出ないために、患者や家族は

 自分たちだけが おかしいのだと悩み、恥ずかしいこととして 抱え込んでしまう。

 そのため病状が悪化し、自分や人を 傷つける結果に なってしまうこともある。

 そして 精神障害者は恐いという イメージを生む悪循環となる。

 押川氏は 「早期発見 早期治療」 が重要だと強調する。

 患者たちは 必ずサインを発している。

 彼らと どう接したらいいのか、それを分かち合うためにも、

 精神障害の ありのままの姿を タブー視せずに広く伝え、

 彼らと付き合っていくことが 大切である。

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/43175961.html