「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

殺人被害者遺族の癒し

2006年03月29日 11時30分24秒 | 死刑制度と癒し
 
アメリカでは「ジャーニー・オブ・ホープ」という試みがなされています。

 被害者遺族たちと加害者家族たちが団体で旅行をし(直接の被害者と加害者は含まれません)、互いの苦しみを理解しあうというものです。

 また「メディエーション」(仲裁,和解)という制度もあります。

 双方が希望すれば、コーディネーターが中にはいって、被害者や被害者遺族が加害者と対面する制度です。

 加害者は被害者の痛みを目の当たりにすることによって、罪の重さを知らされることになります。

 被害者団体の全国組織もいくつかあり、充実した活動をしています。
 

加害者が死刑になっても、被害者遺族の傷は消えません。

 人間の心の傷は、人の心によってしか癒されることは決してないのです。

 本当に必要なのは加害者の処刑ではなく、遺族の傷をケアすることでしょう。

 日本でも、がんで家族を亡くした遺族をはじめ、喪失体験をした人々の「分かち合い」(ピア・カウンセリング)が各地で開かれています。

 しかし殺人事件の遺族の「分かち合い」はあまり聞きません。

 同じ体験者同士の自助グループでのサポートシステムや、カウンセリングなどの心理療法を早急に整えることが望まれます。

(続く)
 
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