「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

死刑制度と被害者の癒し,加害者甦生プログラム

2006年03月22日 23時59分09秒 | 死刑制度と癒し
 
 僕はこのブログと同じ記事を、ヤフーブログ「境界に生きた心子」に書き込んでいます。

 3月19日の記事「光市母子殺害事件の本村さん」にコメントとTBをいただき、先方のブログでは随分物議をかもしています。

http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/29181389.html

 それを受けて、被害者の心の癒しの観点から見た死刑制度や、加害者の甦生プログラム「アミティ」についてを、このカテゴリーに少し載せていきたいと思います。

 ここでは死刑制度存廃の結論は出しませんが、死刑のない社会をめざす努力をしていく方向性を示してみたいと思います。
 

 僕は元々死刑制度廃止の立場でした。

 「憎しみからは憎しみしか生まれない」というのはその通りだと思います。

(だから近代国家は個人の仇討ちを禁止し、国家が代わって罰するという法体系を作ったわけですが。)

 でも本村さんが語った、「死刑にならないなら釈放してほしい。自分がこの手で殺す」という言葉を聞いて、胸が締めつけられるような思いがしました。

 本村さんのような成熟した人でさえ、加害者の極刑を求めるのだという痛切な声を聞かなければ、僕は被害者の本当の苦しみというものを、観念的にしか分からなかっただろうと思います。

 死刑廃止という“人権派”の考え方を強化していたかもしれません。

 死刑反対を訴えるとするなら、我々はこの本村さんの血のにじむ叫びに、正面から応えなければならないのです。
 

 心子は、悪を決して許さない純粋な人間でした。

 でも、どれほど自分を傷つけた加害者でも、相手が憂き目に陥ると、愛憐の情をいだかざるをえない心根の持ち主でした。

 ちなみに、今回の事件の加害者は、反社会性人格障害の側面があるようにも感じられますが、

 人格障害への誤解がないよう、記事「現代の心の障害(2)」(書庫「解説・境界性人格障害)もご覧になってみてください。

http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/28426637.html