「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

死刑に反対する被害者遺族

2006年03月24日 19時36分02秒 | 死刑制度と癒し
 
 20世紀最初の年の瀬が押し迫った12月27日、小泉政権下で初めて死刑が執行されました。

 その執行に抗議の声明を提出した人がいます。

 死刑囚に殺害された被害者の実兄・H氏です。

 彼は「死刑廃止フォーラム」のメンバーと共に、ずっと死刑執行に反対し続けてきたのです。

H氏も最初は犯人の極刑を望みました。

 しかし、死刑囚と面会と文通を重ねるうちに、「本人が生きていて初めて罪が償える」と思うようになりました。

 死刑囚も拘置所内で洗礼を受け、贖罪の日を送っていました。

 H氏は、

「怒りや悲しみは消えていない。

 でも加害者を死刑にすることによって、被害者が救われるわけではない。

 国による一方的な『終わり』は納得できない。

 私たちの中では事件は終わらない。」と語りました。
 

死刑反対の立場に対しては、必ず「ではあなたの愛する人が殺されたらどうか?」という問いが投げかけられます。

 それに答えられるようにするためにも、真の被害者感情を知り、それが癒されるには何が必要なのかということを考えたいと思います。

(続く)
 

ドラマ「妻は多重人格者」

2006年03月24日 09時31分37秒 | 心理
 
 1月4日の記事で紹介した、花田深さんの実話「妻は多重人格者」(集英社)がドラマ化されて、本日午後9時フジテレビで放送されます。

 関心のある方はぜひご覧になってみてください。
 

 境界性人格障害よりも多重人格のほうが劇的で、一般の人の興味を引き、映像作品になりやすいでしょうね。

(筆者の花田さんは映像監督で、知り合いのプロデューサーがドラマ化したという幸運があるのですが。)

 また多重人格のほうが“病気”ということで割り切りやすいですが、人格障害は性格の問題で本人のせいと思われやすく、

 当人の苦しみはなかなか理解されにくいと思います。

 何とかして、一般の人々にも境界性人格障害を理解してもらえるようにしていきたい,

「境界に生きた心子」も映像化できないかと願っているのですが……。