「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

現代の心の障害(8)

2006年03月18日 12時09分23秒 | ボーダーに関して
 
 ボーダーの人は何か純粋なものを待望しています。

 良くも悪くも世の常識に染まることがありません。

 普通の人間は、自分と周りとのバランスを取ったり達観したりしながら、より多様で柔軟な人生観を見いだしていこうとします。

 あるいは現実とぶつかることを回避して、本音と建前を使い分けたり、長いものに巻かれたり、事なかれ主義で浮世を渡っていったりします。

 しかしボーダーの人は、決して世間ずれすることがありません。


 心子も権威的なものに馴染まず、体制におもねる者を嫌いました。

 力を笠に着て弱い人を泣かせる輩には、憤りをあらわにしました。

 世俗の不条理や権力に屈することなく、そのために自分が不利になるのをみじんも意に介しません。

 こういう無垢な心根がボーダーの人の魅力です。

 それが社会の虚偽粉飾を暴いたり、マンネリ化を打ち破ることがあります。

 危険性を伴うと同時に、ボーダーの人の独創的な面なのです。