「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

死刑制度のマイナス面

2006年03月30日 13時42分41秒 | 死刑制度と癒し
 
 死刑存置論者の根拠のひとつに、死刑制度による犯罪の抑止効果があります。

 しかし、死刑制度があるために凶悪犯罪が減るというのは、統計学的に証明できたことがありません。

 逆に、犯人が死刑を恐れ、事件の発覚を免れるために、被害者の殺害に至ってしまうこともあるといいます。

 殺人犯は、実際には恐怖に駆られて殺人を犯してしまったという、臆病な人間も多いそうです。
 

 また、冤罪による死刑は、他の刑と違って全く取り返しがつきません。

 日本の量刑では、極刑である死刑の次は無期懲役です。

 しかし無期懲役は15年もすれば仮釈放になり、死刑との間があまりにも離れすぎています。

 誤審の恐れを逃れるためにも、仮釈放のない絶対的終身刑の設置が求められます。
 

 そもそも人を殺してはならないという社会で、“正義”として人を殺すという根本的な矛盾があります。

 死刑囚の家族の悲しみや、自らの手で人の命を絶たなければならない、死刑執行人の苦悩もあります。

 死刑制度は新たな悲劇を生んでいきます。

(続く)
 
コメント (2)
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