「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

現代の心の障害(7)

2006年03月17日 19時04分13秒 | ボーダーに関して
 
数々の難問を持ちながら、ボーダーの人は極めて魅惑的で、芸術面などに卓越した天分を発揮することも少なくありません。

 尾崎豊,太宰治,マリリン=モンロー,ダイアナ元妃などがボーダーだったと言われていますね。

 全員が自殺もしくは破局的な事故(事件?)で命を落としていますが、彼らは月並みな尺度には納まらないエネルギーを持ちあぐんでいました。

(余談ながら、マリリン=モンロー,ダイアナ元妃と同じく、心子は奇しくも享年36歳でした。)

 体制への反抗,自分探しの煩悶,愛情への欲求と畏怖,外面の華やかさと内面の虚しさ,他者の苦しみに対する共感と犠牲。

 彼らはそれらに自他を巻き込みながら、疾風の如く生き去っていきました。

 世の中の様々な境界線(枠組み)を踏み越え、人々に波紋を投げかけて、そして自らは破滅していくという、トリックスター的な人物だったと言えるかもしれません。

 ボーダーであるがゆえの創造性と破壊性を示しているのです。


 ボーダーの人のなかには、事業などで成功を収める人もいます。

 でも一般にボーダーの人は、対人関係や社会性,継続的な姿勢などを保ちにくいため、もし秀でた能力に恵まれていたとしても、それに比べ往々にして低い地位に甘んじていたりします。

 心子もまたそうだったと言えると思います。

(続く)
 
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