日本の鉄道は、日本の地理的条件や社会環境への適応戦略として、世界に稀に見る程に正確に運行する鉄道を作り上げました。
その仕組みは、実際に列車を動かす運転手ばかりではなく、計画担当者から個々の現場に至るまで非常に多くの鉄道員たち、それに乗客をも巻き込んで繰り広げられる撹乱要因との闘いの結果として作り上げられてきました。
明治頃の新宿駅付近
日本の鉄道は「遅れない鉄道」を作るだけではなく「遅れてもすぐに回復する鉄道」を作ってきました。
わずか100年前の明治30年頃には、キツネの親子が線路を横切っていた新宿駅のその場所に、今日は毎日160万人の乗客が行き来する。
加減速性能のよい車両の投入、短い列車間隔をも可能にする安全装置の強化、長編成列車の運行、駅の構造の変化、線路の増強や電力設備の増強、新しい情報通信システムの構築、自動改札の導入・・・・・etc。
自動改札
日本の都市では、外国人が呆れるほどに、いつもどこかでビルの建築工事が行われていますが、その鉄道もいつもどこかで何かしらの工事を行ってきました。
鉄道の環境は変わり、その仕組みも変わり、定時運転をつくる技術も時代ごとに変化してきました。