これまでにリムスキー=コルサコフの交響組曲「シェエラザード」はカラヤンをはじめ数々の愛聴盤を取り上げてきたがこのパウル・クレツキ(1900~1973)とフィルハーモニア管弦楽団による演奏も忘れることができない1枚だ。(写真)筆者が初めてクレツキが指揮する生の演奏を聴いたのはもう半世紀近く前、エルネスト・アンセルメと共に「スイス・ロマンド管弦楽団」を率いての来日公演(1968年6月)だった。クレツキはポーランド出身の地味な指揮者だったがアンセルメの後を継いで「スイス・ロマンド管弦楽団」の音楽監督を1970年まで務めている。またチェコ・フィルとの「ベートーヴェン交響曲全集」(1965年ー68年スプラフォン録音)などの名盤も思い浮かぶ。写真は1980年前後に英EMIの廉価盤シリーズ(CFPーClassics for Pleasure)で再リリースされたLPでチャイコフスキー「イタリア奇想曲」も収録されている。いずれも録音は1960年代初頭と思われるがオリジナル・ステレオ録音で音質も大変素晴らしい。
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